模試の結果
「高志、たかし、あそこで写真撮ろうよ」
と西郷どんの像に向かって、岬が走り出した。
「あーっ!」と続いてと岬の声が聞こえてきた。右手に持ったソフトクリームのクリームが見事に折れて地面に落ちていた。
「まったくドジだなぁ、岬は」と高志は岬の元に駆け寄りビニール袋で折れたクリームを包みながら言った。
「ごめん、ありがと」と言って岬は舌を出した。
「はいチーズ!」
西郷どんを前でニコッリ笑う岬と格好つける高志の写真。それぞれの机に飾られたのは言うまでもない。余談。
「そう言えば、この前の模試の結果はどうだった?」
高志は岬に問いかけた。しかし岬の答えは高志の予想とは違った。
「498点、全国98位だって」
と何ともなさげに答えた。
「高志はどうだったの?」岬は続けた。
「俺はまあまあかな?でも得意な歴史は100点だったよ。」
高志は歴史好きの、剣道バカで、武将と言うより、武将に仕えた武士の方に魅かれている様だった。
「じゃあ問題です。上野の西郷どんと渋谷のハチ公像、建てられたのは、どちらが先でしょうか?」
「そんなのは、簡単だろ西郷どんだよ」
「正解。第二問、西郷どんの連れている犬の名前は何でしょうか」
高志は一瞬考え、答えた。
「それも、簡単だよ!ツンだよ」
「ぶーっ!不正解です。答えは不明でした。引っ掛け問題でした」」
「なんだよそれ!」
「あはっ第三門ツンデレ?って」
と言うと岬は考え込みながら言った。
「ツンデレ?っていつ生まれた言葉なのかしら、高志知ってる?」
「そんなの、知るか!興味ないわ」
岬はなんでも知ってる訳ではない。高志もそれは知っていた。でも疑問を見つけた時の岬の表情が高志にとってとてもレアで、なぜだか好きだった。
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