パンダのキーホルダー
マヌルよって強制退室させられた、みゆきはしばらく、一般データとサーバーを経由して第一階層にある元いた部屋に戻った。
すでにイリ、ベン、マヌルも部屋にいた。
「あんな早く、見つかるかにゃ?しかもNOIZEだにゃ!やばかったにゃ」とイリが言った。
「そうだな!ワクチンパトローラーが聞いて呆れるよ」ベンがいった。
ワクチンパトロラーとは、違法アクセスと違法プログラムから、CPデータを守る為に作られたシステムプログラムと言ったところである。
「それで!MISAKIって、なんなの?みゆき」
マヌがみゆきに問いかけると、みゆきは意を決して話しだしたが、
「う~ん?今度改めて話すから、本アカの方でね。その時はこっちから連絡するね」
と話すのをやめた。猫達は一応に頷きそれぞれ挨拶して、部屋を出て行った。
「おい!みさき、おい!」と高志の声で岬は我に返った。
「疲れたんか、少し休むか」高志が続けて言った。いつのまにかパンダ見物の列も進み、ようやくパンダが見えてきたところだった。
「ごめん!ちょっと眠かった、けど、もうだいじょび!」
と今度は高志の腕掴みせかすかのように岬は長い列を進んだ。
「パンダって凄いと思わない。絶妙な配色よね、なんであんなに可愛いのかしら」
ガラスに囲まれた、パンダを見てはしゃぎながら岬は続けた。
「神様がいるなら、とってもセンスがいいわね」
と質問でもなく、答えを求める訳でもなく、岬は話していた。高志はただただ頷いていた。
パンダ舎を出て二人はベンチに座り高志が言った。
「さすがに疲れたわ、パンダ可愛かったけどな、はらっへたー」
岬は余韻に浸っているのか、こくりと頷き空を見ていた。
「じゃあ俺なんか買ってくるわ、みさきは待ってていいから」
立ち上がると高志は売店へ走って行った。
しばらくすると、高志が戻ってきた。岬は足元に落ちいる石を足でコロコロしていた。
「みさき、どっちにする」
右手にやきそば、左手にクレープと肘にブラ下がった袋に無糖紅茶が入っていた。
「やきそば」と言って高志の顔を見て続けて言った。
「うそ、うそ、クレープ!ありがと」
パクリ♪と食べる岬をみると、高志も隣に座ってやきそばを食べ始めた。
「これ可愛いから、買っちゃった。岬にやるよ」
高志はポケットから、パンダのキーホルダーを出すと岬の膝に乗せた。
岬は目を丸くして、急いでクレープを飲み込み、
「ありがとう」と言ってキーホルダーをつまみじっと見つめ微笑んだ。
2124年未来の世界、みゆきはこのパンダのキーホルダーを探している。高志に貰った物。
彼女の気持ち、二重人体ならではの気持ちは誰にも分るまい。彼女の気持ちも単純じゃない。余談。




