GW
ピンポ~ン♪高志が岬の家のチャイムを鳴らした。
「はーい」と岬の声が中から聞こえてきた。ガチャっ。岬はトーストを咥えて出てきて言った。
「おはよ、高志、どうせ朝ご飯食べてないんでしょ?食べてから出かけよ」
「うん」と高志は勝手の知った岬の家で朝食を済ます事にした。「おはよう」早速岬の母親が、コーヒーを運びながら、「さあさあ座って」と言った。
「おはようございます」高志は答えて居間に座った。
「昨日から、岬は楽しみだったみたいで、ずっとそわそわしてたのよ」
岬の母親が高志の前に座り、高志の前のコーヒーカップに角砂糖をポトン♪と落として言った。
「おばちゃんはね、小っちゃい頃から高志君には、感謝してるのよ、岬があう言う体質だから心配で心配で、でもいつも高志くんが傍にいてくれたから、本当に助かってるのよ、これからもずっと一緒にいてくれたらなーって」
ゴーゴーと岬が髪を乾かすドライヤーの音が聞こえてきた。
「お母さん、変な事言わないでよ」
岬の声が聞こえると、ポンと高志の頭を優しく叩いて舌をペロっと出して、逃げるように母親は台所へ去って行った。
今日はGW、高志と岬は上野へと向かっている。
駅を降りると休日だけあって、凄い数の人で賑わっていた。高志は日頃から部活の遠征で上野と言う街には慣れていたが、岬は人混みがあまり得意でないようで面食らっていた。
「ひぃー凄い人」高志はそんな岬の手をぐっと掴み、不忍の池を目指した。人もようやくまばらになると、岬が言った。
「高志、そう言えば剣道部の次の主将決まったの?」
「まだ決まってないんだよ、今度また3年全員集まって決める事になったよ」
池には、沢山の水鳥が浮いている。
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