回帰 Ⅳ
今回は気合の入り方が違った。
今まで、中学までのらりくらりと勉強せずにやり過ごしてきた過去と対峙し、その自分を変えるべく努力をしてきた。
ダーツの時とは違う、苦しい日々の連続と、少し解消されたとはいえ多少の寝不足も残る疲労困憊の体で試験日程を乗り切るのは初めてだった。
1日目の試験が終わり次第速攻で帰宅。これはいつもの翔ならば考えられないこと。普段ならしっかりと学内のダーツバーなどで練習してから、というのが普通だが、それを全く排除し、ダーツの練習はフォームを家で軽く確認する程度。極限まで勉強の時間を捻出して試験に臨む。
2日目は1日目の試験後に確認して丸暗記した知識をひたすら書き出していく。
初めて試験で時間が足りないということを体験し頭が熱くなる。
限界まで張り詰めて勉強した影響だろうか、いつもは使わない頭を使っているからなのだろうか。
試験が終わった時は頭が少し痛かった。
終わってからは完全な放心状態だった。
「……………お疲れ様。今日はゆっくり休みなよ…僕も少し疲れたから家で練習するつもりだし。」
「お言葉に甘えて…」
「……………ゾンビみたいになってるのにそのまま練習に付き合わせるのは流石に悪いしね…」
「そんなに顔色悪い?」
自覚がないというのはとても恐ろしい。
「うわぁ、八神しっかり寝たのー?もしかして寝てないんじゃないの?」
「………もはや死にかけ10秒前と言われても違和感ないかも。」
「えぇーーそんなに顔色悪いか…」
試験の後、ホームルームを経て解散となり、星宮姉妹から話しかけられた。
「………私なんて試験前に食べて太って大変なのに翔くんは痩せて…ずるい…」
このことに関しては俺は苦笑いしかできなかった。触れ方を間違えてしまえば嫌われてしまうに違いない。気になる女子にそう思われてしまったら生きていける気がしない。
「まあとにかく今日は休むことにするよ。また明日から練習頑張ろうね。」
「……………そうしましょうか。」
「いいわよー!とにかく今日はゆっくり休むことにしましょうか。」
「………んー…疲れてそうだから今日は我慢する…」
その舞良の時折見せる表情に動悸が激しくなっていることは、この時はまだ自覚できていなかった。
試験終了!次回からまた新しい人物が登場します!お楽しみに!
急に寒くなってきてダーツを使用にも手が悴むようになってきましたね。アップと手のケアはしっかりとしましょう!
良い一週間を!




