宴楽 Ⅳ
とりあえず何を話せば良いので悩んだ。
「んーっと、気になるのは試験内容?編入で特待生枠の生徒は実技試験があったはず…筆記試験もあったけどそんなに難しいものじゃなかったと思うから。」
「…ん。ありがとう。実技試験ってどんな感じだったか覚えてる?」
なるほど。それを聞きたかったのね。
「実技試験はとりあえずまずアップを終えた後試験官の人に呼ばれて試合するだけだったかな。3LEG MATCHをひたすらやってたよ。
あ、でもお互いにフォームでズレがあったりしたら教えあったり、ゲームの反省点とかを話したりはしたかな。
西園寺とは接戦だったかな…合格できて本当によかったよ…!」
思い出というほど昔のことではないが、印象に残っていたのはその試合だった。
そして今まで真剣な表情で聞いていた桜小路さんが少し俯きつつ質問した。
「西園寺くんとの試合はどうだった?」
「え?えっと…うん。言動にかなり惑わされたけど…でもダーツが本当に好きなんだなーって。一番ダーツへの熱を感じたかな。」
「…試合でいいプレーはあった?」
「試合は…お互いジリジリ攻め合って最後に先攻が押し勝つみたいな展開が続いていたよ。んー…」
ある程度試合の内容は覚えてるけど全部を伝えると長くなってしまう。
そのため少し考えてピンと来た試合を切り取って伝えてみることにした。
「501-CRICKET-CHOICEだったんだけど、501の1ROUND目で180狙いに行って、結果140点だったけど少しペースを乱されたかな…BULLはSINGLEでもDOUBLEでも関係なく50点っていうルールなのにさ。
なかなか自信ないとできないよね。
あとは…そう!CRICKETは点差が離れてないのにCLOSEしたりして鋭い攻めを繰り出してきたかな。
なんとか上手く対応できたからあの時は勝てたけど…今直接対決やったら勝負はどっちに転ぶか分からないな…
ってごめんね。1人で話し込んじゃった」
「…そこは気にしなくていい…話してくれてありがとう。」
「ん?いや、いつでも話すから聞きたければなんでもきいてね。
じゃああとでエキシビジョンマッチよろしく。」
「負けないからね。」
聞かれるがまま話してしまったが、結局何が一番聞きたかったのか分からないまま桜小路さんは俺の席を後にしていった。
「…やっぱり…変わってない……」
そう呟く桜小路さんの声は俺には聞こえなかった。
しばらくして新聞部の校内放送によって、俺たちは後夜祭へとむかった。その途中、俺を見つけたチームメイトの虹渡と樹が声をかけてきた。
「お!翔みーっけ!!」
「お疲れ様です。そういえば透くんは…?」
「おそらくギリギリまでアップするんだろうね。ご飯くらいは一緒に食べたかったんだけどなぁ…」
「多分女の子に囲まれるのがやだったんでしょ!」
虹渡にしては鋭い読みだ。真実だとしたらあとでまたダーツで八つ当たりするとしよう。
先週に続き短くてすみません…!
エキシビジョンに入ってからはできる限りしっかりと内容を書こうと思っています。お楽しみに。
私のたまに言っていた近所のコンビニでコロナ感染者が出て、ニュースを見た瞬間背筋が凍りました。
田舎といえど侮るなかれと言ったところでしょうか。
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良い一週間を!




