宴楽 Ⅲ
「エキシビジョンマッチって言うけど具体的には何をやるんだ?」
俺が口にしたのは誰もが思う当然の疑問だ。
「……………こればっかりは僕もわからない…」
「透くんは先輩方から何か聞いたりしてなかったんですか?」
「……………僕本当に人と話せなくて………」
「…ごめんなさい。」
透の古傷を見事に抉った樹と対照的に虹渡は笑いを堪えるのに必死なようだった。
「上級生でも強い人たちもいるわけだしその人たちとの対戦とかもあるのかなぁ…」
俺が予想した答えは誰もが考える答えだが…
「そういえば上級生とはリーグ戦とリーグ戦の間や部活動勧誘の時とかから度々やるようですね。新聞部の記事に載っていましたよ?」
「さっすが樹!!ボク全然知らなかった!」
虹渡に関してはもう少しいろいろと知ろうとした方がいいと思う…とは言わないでおいた。
「……………8人で集まってやるって言ったらじゃああとはParty Gameかな。友達が増えたらなんでもいい…」
「雰囲気も柔らかくなったし絶対友達できるって!」
虹渡にとってはいつも面倒見のいい兄貴的な存在である透だが、珍しく透が虹渡に慰められている。新鮮だ。
後夜祭の準備は教師陣が手配したスタッフが行うらしく、生徒たちはしばらくの間は自由行動ということになった。
「……………僕は少し今日の反省もあるから投げてくる。」
そう言い残して透だけはダーツバーへと向かった。
あれだけ試合で出場してまだ投げる体力があることに内心驚きつつ、完全に疲労困憊の俺、虹渡、樹はそれぞら教室へ戻った。
「おめでとう。」
「………お疲れ様。」
クラスへ戻って早々、やや疲れた表情の星宮姉妹が声をかけてきた。
「2人も惜しかったね…」
「んぁぁあそこまで行ったら勝ちたかったわよー!あ、でも、後夜祭のエキシビジョンマッチは男子チーム1位と女子2位のアタシたちが組めるわけだし…舞も嬉し…モゴモゴ!」
「………余計なこと言わないで…!」
舞良さんが顔をやや赤らめているのはどうしてだろうか。
「とにかくエキシビジョンマッチ楽しもうね!」
「………うん。」
2人ともかなり疲れている様子なのでこれ以上は話さずにそっとしておくことにした。色々思うこともあるだろうし…
そしておもむろに席に着こうとした瞬間、また別の生徒から話しかけられた。
「…お疲れ様…名前は?」
「えと…」
「桜小路 雛菊。初めましてといえば初めましてかしら。」
「八神 翔。よろしく。」
おずおずと手を出すと握手してくれた。
これを見ていた他の一部の男子生徒の目線が痛かったことは見なかったことにしよう。
「今日は…よろしく。」
「もちろん!」
「あと…その…編入試験のことについて聞いてもいい?」
急にどうしたのだろう。
今まで他人には試験のこと話したこともないのに…どうしたのだろうか。まあ聞かれて困ることはないけれど…内部進学生だからなんとなく興味あるのかな。
俺は首を捻ることしかできなかった。
次回、エキシビジョンマッチ開幕です!
急に暑い日が続き、体調を崩した友人がいて少し心配になりました。
皆さんも熱中症にはお気をつけて!
ブックマークなど、諸々よろしくお願いします!
良い一週間を!




