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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
7/85

同盟 Ⅴ

虹渡と翔のゲームの続きです。

「どうすっかなぁ…」


 俺は調子を取り戻した虹渡に追い込まれていた。このまま得点をオーバーできないとおそらく虹渡は19と17をカットしに来る。しかも17はあと1MARKでCLOSE、ということは19さえ入ればおそらく安全圏ということになる。


       ―※―20―※―

          19 ※ 

       ―※―18―※―

        X 17 ※

       ―※―16―※―

        ※ 15

          BULL


  光倉 虹渡 368     八神 翔 281


 点差は87点。19での5MARKが最低条件になる。まずは得点をオーバーしなければ。


 …ピーピーピー『TRIPLE 19』

 …ピーピーピー『TRIPLE 19』


「さて…」


 ここで俺はTHREE IN A BEDを狙うか、一気に15をカットするかの2択に迫られる。普段なら当然俺はBEDで点差を広げるプレーに徹するはず。しかしここは―――


 …ピーピーピー『TRIPLE 15』


『※ ※ ※』


「うぅっしゃぁぁらぁぁ!」

「んな゛あ゛あぁ!今の入るかぁぁぁ!?」


 今のは激アツな展開だ。相手の復活に動揺したものの、しっかりと的確に攻め切ることができた。


「……………だいぶ盛り上がってるね。」

「お疲れ様。手伝いは終わり?」

「……………とりあえず今は休憩。はいこれ、2人にドリンク。喉乾くでしょ。父さんからサービス。」

「透ー!酷いよぉー翔が強いーー!!」


 半べそをかきながらもらったメロンソーダを飲む虹渡。


「……………僕が連れてきた優秀なプレイヤーだよ。チームメイトとしては頼もしいでしょ?」

「そうだけどさぁぁ…」


 駄々をこねている。罪悪感が拭えない。


「……………ほら、まだゲームは終わるまでわからないよ。頑張れ!応援するから!」

「うぅ…そうだよね。最後まで頑張る!!」


 元気を取り戻した虹渡を見て透は僅かに笑った。なんだか幼い子供を見守るお母さんみたいだ。


 その後俺がBULLを決め、点数は僅差ながら勝利。


「強えなぁ!!!翔、透とは戦ったのー?」

「戦ったよ…強いよね透。全く勝てなかったよ。」

「……………勝てたと言ってもギリギリだったけどね。」


 そう言いつつ頬をぽりぽりと掻く透。


「そういやチームのメンバー、後1人どーするの?僕Cクラスだし2人はAクラスでしょ?簡単には見つからないと思うけど。」

「……………僕が行っても初対面の人と話せるとは思えないんだよね…」

「俺もなんだかんだ編入してきたばっかりで何話せばいいか…」


 エントリーまではまだ時間があるが、計画は完全に頓挫したと行っても過言ではない。

 このあとメンバーに入れられるのは一般編入生。ダーツ経験者ではない人が殆どだろう。新しいチームメイトとの練習の計画、そして練習環境の確保など、メンバー確保以外にやらなければならないことは多い。


「んー…ボク他のクラス回ってみるよ!友達増やしたいからね!」

「……………コミュ力高くていいなぁ…」


 なんだよ、透だって女子にモテて幸せじゃねえか、とは言わないでおく。


「俺にもできることがあったら手伝うよ。友達を作りたいっていう意味では俺も虹渡と同じだし!」

「おー!困った時は頼むよー!!!」


 透が上手く誘えば大抵の生徒は期待してチームを組んでくれるだろう。しかし、肝心の透がチーム内で一番人と話せないから困ったものだ。

 取り敢えず明日以降の虹渡の収穫に期待しよう。


「じゃあ俺もまた透と投げてみたいし…暫くまた投げようか!」

「……………賛成。」

「いいよー!!!」

「おや。じゃあ私も混ぜてもらってもいいかい?」


 マスターがここで参戦。


「君達の面白い試合を見ていたら私も混ぜて欲しくなってね。折角だからダブルスでもやってみるかい?」

「「お願いします!!!!」」

「……………誰と組むの?」

「透と翔くん、そして虹渡くんは私と組むのはどうかな?」

「……………負けそう。」


 試合もしてないのに何言ってるんだ。


「試合もしてないのに諦めるには早いだろ!」

「……………いや、お父さん煉射OBだから…」

「は…?それは…参りました…」

「……………翔『諦めるには早い』って言ってなかった?」

「まあまあ、戦い方次第では結果はわからないぞ!」

「「「よろしくお願いします。」」」


 結局この日はボコボコにやられた。

 でも楽しかったのは言うまでもない。


「そうだ、君たち。折角だしチームで食事してくかい?」

「いいんですか??」

「透の家のメシめっちゃうまいんだよー!」

「……………虹渡は本当に馴染んでるね…」

「長い付き合いなんだし当たり前じゃん!今日もゴチになりまーす!」

「じゃあ今日はお言葉に甘えて…」

「透に友達ができるなんて思ってなかったし、ダーツも楽しませてもらったからね。若いのにここまで上手いとは…私も煉射OBだが当時の学生はそこまでレベルが高くなかったからなぁ…」

「……………『僕に友達が出来ると思ってなかった』は余計でしょ。まあそう思うのもわかるけど。」


 そういえばマスターはめちゃくちゃ強かった。煉射のOBということは卒業率1割と言われるこの学園のサバイバルで生き残ったことと同義。そりゃ強いわけだ。


「まあ昔はまだ牧歌的な時代だったがね。今ほど卒業が厳しかったわけではない。学生時代もいい思い出だよ。プロになった煉射のOBOGも多い。長い付き合いになるだろうから、友達はしっかり作ったほうがいい。」


 OBからの言葉を確と受け止める。とは言っても卒業が楽だったとは到底思えない。並の努力では卒業できないはずだ。相当な練習をしてきたに違いない。


「なんならこれから時間がある時にフォームや練習方法の提案をしてあげよう。どうかな?」

「いいんですか!?」

「トーナメントに出るからには透のチームに優勝してもらいたいからね!親バカかな。」


 これに関しては虹渡も目をぱちくりさせている。こんなにありがたい話はない。


「代わりと言ってはなんだが…透に友達を紹介してやってくれないか…」


 さいですか。

 透は人と話せるようになればすぐ友達できると思うんだけどなぁ…

いかがでしたでしょうか。今回は話としてカットしてしまった、マスターとの試合も、番外編でどこかで書こうと思ってます。その時はまた感想をお聞かせください!


ブックマーク、レビューなど、諸々よろしくお願いします。

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