太陰 Ⅲ (愛良side)
大事な次のLEGを投げる愛良視点での続きになります。
『圧倒的な強さでねじ伏せてきました桜小路選手!』
『今までどのチーム相手にもストレートで勝ち上がってきたその実力を遺憾なく発揮していますね。桜小路選手はあのような格好をしていて投げづらくないのでしょうか。』
そう。私たちはスポーツウェアのようなものを身につけているし、投げるときは半袖。やっぱり腕は自由に動かせないとうまくダーツが投げられない。しかも力んでしまうとダーツが思うように飛ばない以上、脱力しながら投げなければならない。その繊細かつ緻密なコントロールの妨げになるであろうゴシックロリータファッションに目が点になった。
そのような格好であるにもかかわらず、ダーツをポンポンと小気味よく入れていく。
しなやかに伸ばされる腕、全く動かない体幹、そしてIce Dollの異名のついた一因になっている冷たくもまっすぐと見つめる瞳。全てが美しかった。
1LEG目を取られ、緊張感がより一層増す私のチーム。この危機的状況を打開できるのは私しかいない!
でも緊張で冷え切っている。このままでは勢いに流されて押し切られる…
「………愛姉なら勝てる。」
選手の交代でボソリと耳元で囁かれた言葉にハッとし…
「やってやるわよ!」
妹を負かした悔しさを倍返しにする気概で私はボードの前へと向かった。
『さて!次に登場するのはトッププレイヤー星宮姉妹の姉、Aクラス、星宮愛良!そして女子の中で熱狂的なファンも多い、Bクラス、水谷 薫!』
身長が女子とは思えないほど高い。体の線は細いし足も長い。スレンダーと言うのはこう言う子のことを言うのかな。それにショートな髪型とつり目な感じは女子にモテるのも納得といった感じだ。
「もう…オレ女子からもてても仕方ないのに…!」
横でボソボソと水谷さんが呟く。聞かなかったことにしよう。
『STANDARD CRICKET GAME ON !』
『ROUND 1』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…シュッ『TRIPLE 5』
…ピーピーピー『TRIPLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…シュッ『SINGLE 1』
『ROUND 2』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
…ピー『SINGLE 20』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
…シュッ『TRIPLE 1』
…シュッ『TRIPLE 1』
試合としては私の中では十分な立ち上がりだった。あまり得意ではない20を相手に奪われたけれど、得意の19で反撃出来たのは大きかった。特に身長のある水谷さんが悠々と20を投げている様子を見るとこのままではまずいと思っていたところ。
―※―20―※―
※ 19
18 ※
17
16
15
BULL
(A)星宮 愛良 57 (B)水谷 薫 20
しかしここからが地獄の始まりだった。
『ROUND 4』
…シュッ『SINGLE 1』
…シュッ『SINGLE 13』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
『ROUND 6』
…シュッ『SINGLE 4』
…ピー『SINGLE 18』
…ピー『SINGLE 19』
…ピー『SINGLE 19』
…ピー『SINGLE 18』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
『 / / ※ 』
苦手意識の特に強い18がとにかく閉められない。かろうじて19が残っているために加点はできてもCLOSEできなければ相手の攻めを受けきらなければならなくなる。焦る私を尻目に水谷さんは19での加点を嫌って早々に19を閉めにきた。点差はあるけれど安心はできていない。むしろ逆、不安と焦燥感さえ感じられた。
―※―20―※―
―※―19―※―
X 18 ※
17
16
15
BULL
(A)星宮 愛良 247 (B)水谷 薫 164
ここで私ができるのは奥の手、得意の青い数字を一気に攻め立てる禁じ手。
『ROUND 7』
…ピーピーピー『TRIPLE 16』
…ピーピーピー『TRIPLE 17』
…ピーピーピー『TRIPLE 15』
『WHITE HORSE』
これがAクラスの意地!と見せつけんばかりに数字を開け、水谷さんは2ROUNDと持たずに決着がついた。
いかがでしたでしょうか。最後はしっかりと勝ち切る愛良のメンタルには惚れ惚れします!
次回も女子決勝の模様をお届けします!
もうすぐ中間テストということでかなり緊張しつつ勉強してます。でもその合間でやるダーツがとてつもなく爽快です(笑)。最近は家でオンライン対戦のできるダーツが増えているのでおすすめです!自宅生活は窮屈で不快であることも多いかもしれませんがあともう少しの辛抱と思って頑張って乗り切りましょう!!!
では良い一週間を!




