鬼謀 Ⅱ (愛良side)
続きです。
「せっかくだし、やってみる?明日以降も下手したら使わないといけない作戦かもよ?」
「………愛姉が言うならやってみる。」
私たちにはダーツを長くやってくる中で得た特殊能力のようなものがある。
準々決勝の試合は今までよりはやや難敵ぞろいだったとはいえ、LEG2まではしっかりと順当に勝てた。できるなら次のLEGで決めたい、と言うのが本音。
「舞は調子はどう?」
「………得意NUMBERならしっかり入ると思う…でも苦手な方は多分からっきし。」
姉妹でお互い得意不得意の差が大きいのが弱点とわかっているのだが、どうしてもなかなか克服できずにいる。とはいえ、今回は無謀とはいえ桜小路さんを倒すための策を練る必要がある。今回のLEGはそれを試すLEGになるかも。
『DOUBLES 501 GAME ON !』
前のLEGで勝利し後攻になっている私たちは相手より1ROUND短く上がることが肝心。
今までの試合では基本的に6ROUNDで上がっていればなんとか勝利できたけれど、決勝まで残っていけば空が5、下手をすれば桜小路さんが出てきたら4まで投げられるROUNDが減らされるかも…となると今まで通りに楽には勝てない。
…ピュン『SINGLE 13』
…パシューン『BULL』
…パシューン『BULL』
『LOW TON』
…ピュピュピュン『TRIPLE 19』
…ピュン『SINGLE 19』
…パシューン『BULL』
『LOW TON』
一応3ROUNDで上がることも考えたけど、流石に難しいからそれはあんまり考えないことにした。でも1ROUND平均してTONだと厳しいのよね…ざっくり計算すれば125点、減らせれば大丈夫な計算。そうなると、4ROUNDで上がるには2回以上はHAT TRICKを出さないと理論上追いつかない。でも今の私たちの実力では集中してもそこまであっさりHAT TRICKは出せない。
体格でやはりハンデを背負う女子にはBULLより下の数字の方が狙いやすくてたくさん入る、と言うのが私の感覚。私は19や17、16などのボードが基本的に緑や青の色の数字は得意。勿論編入するために死ぬ気で練習して投げていたからBULLも一応入れられるけど…やっぱり不安が残っちゃうのよね…範囲は狭くてもやっぱり19とか17の方が自信がある、というより投げればほとんどしっかりと入ってくれる。TRIPLEに全て入ることはあまり無いけれど、枠を外して他の数字に入ることはまずない。
逆に舞は20や18など、赤い色のNUMBERに得意意識があり、TON80などを今までに何度も出している。私は20があまり得意ではないため時々コツを聞くのだがいまいちピンとこない。
「………うーん…20は真っ直ぐ投げることを意識すれば入る。真ん中だから。」
これを言われても私には理解できる話ではなかった。
それに、18などは特に私は苦手で、1人で試合をするSINGLESでは得点をかなり加点してからでないと攻められない。その弱点を知る………例えば桜小路さんには簡単に負かされてしまうことも多い。
いくら軸を合わせても、高い位置に投げる時によく力が入ってしまう。肩に力が入るとなかなか真っ直ぐ投げる安定感が失われてしまう。
「………とにかくやってみる。」
相手チームが1本BULLを入れ84点を削る。
…ピュピュピュン『TRIPLE 20』
…ピュピュピュン『TRIPLE 20』
…ピュン『SINGLE 20』
『LOW TON』
かなり際どいところだったが、TRIPLEギリギリのSINGLEに僅かに外す。TRIPLEの枠に入っていたダーツに僅かに逸らされた形だ。
これで私たちのチームは266点を削り235点を残す。次にある程度点数を削られれば4ROUNDでの上がりが見えてくる。
対して相手チームは197点を減らし304点残り。次でアレンジをするとしてもなかなか上がるのは難しい数字になる。
ここで両者チームの先攻と後攻の攻勢が逆転した。
このまま攻め続けた私のチームは133点、続く舞が102点をそれぞれTRIPLEの14と20にきっちりと決め、このLEGの勝利によって2日目の試合への切符を手にした。
試合ではまだ余裕がある彼女達ですが、2日目の強敵に、これから苦難をしいられることになります…!ぜひお楽しみに。
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