毅然 Ⅳ
運命の第2LEG。透の出番の代わりに翔が出場します。
次のLEG、透の出場のはずが俺が出て行くことになっている。正直こんな譲歩もしたくないところだが、透の作戦のためにはここでやるしかない。
「……………翔、本当にごめん。」
「大丈夫だよ。それよりもギャラリーが多いね。これはどういうこと?」
「……………なんか編入生の人もファンが増えてるみたいで…」
「あーなるほどね…」
3回戦までが終了して、ほとんどのチームが試合がなくなる中、女子も負けたチームの人たちでファンの人が応援に来るのはわかる。もうこれにいちいち反応するのは疲れてしまう。
しかし俺が試合に備えてエアスローをしだした時から会場の雰囲気が変わったのである。しかもこういう時に限って地獄耳発動。
「……透くんじゃないの…?」
「翔くんが出るの?なんで!?」
「こんなところで負けないでよ…?」
こんな声が聞こえてきて黙っている俺ではない。
だがそのファンの人たちを魅了するようなプレーは残念ながら俺の今の技術では出来そうもない。
『STANDARD CRICKET GAME ON !!』
『ROUND 1』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
…ピー『SINGLE 19』
…ピー『SINGLE 20』
『 ※ / / 』
※ 20 /
19 ※
18
17
16
15
BULL
(A)八神 翔 0 (A)剛田 大翔 19
『ROUND 2』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 20』
…ピー『SINGLE 19』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
…ピーピー『DOUBLE 20』
『 / ※ X 』
「っしゃぁ!」
―※―20―※―
19 ※
18
17
16
15
BULL
(A)八神 翔 60 (A)剛田 大翔 95
ザマァ見ろとでも言わんばかりの嫌な笑みを浮かべて剛田が俺たちを見る。
そしてまだ彼の勢いは止まらない。
『ROUND 3』
…ピー『SINGLE 18』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
…シュッ『TRIPLE 4』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
…ピー『SINGLE 19』
…ピーピーピー『TRIPLE 17』
―※―20―※―
19 ※
―※―18―※―
17 ※
16
15
BULL
(A)八神 翔 78 (A)剛田 大翔 114
珍しく感じたことのない緊張から俺はスロースタート。やはりAクラスのプレーヤーはそのミスを見逃さない。中身はともかくとして技術はかなり高い。前回戦った時よりも数段腕が上がっていた。
「頑張れ翔ー!!まだまだ巻き返せるよ!」
「かなり押されてますね…あ!透くんそういえば…ちょっとケータイ見せてもらっていいですか?あ、虹渡くんは押さえておいてくださいね!」
「……………なんで今!?ってちょっ…勝手に…!」
「L○NE開いてっと…あ、この子Iクラスの僕クラスメイトですよ!さっき見えたんですよね…おお!『大会が終わった次の土曜日空いてますか?一緒にお食事でもどうですか?』ですって!」
スタートダッシュに失敗した俺を責める声とも相俟って会場がざわつく。誰かが抜け駆けをしたのではないかとお互いを確認しているのだろう。なんだかイギリスのダーツの大会を彷彿とさせるような会場の雰囲気に、心が乱される。
「……………なんでばらすの!?っていうかそれ言ったらファンクラブの人たちが吊るし上げに行くから穏便にすませたかったのに…!」
「いいじゃないですか。おそらく翔のほうにも声は届いてますよ?あとこの話受けるんですか?」
「……………そう言ってもらえるのは嬉しいけど答えられる気がしないから、申し訳ないけど今は受けられないかな。というか僕は恋愛には興味ないし僕の恋愛事情は今どうでもいいでしょ!?とにかく翔の応援しっかりしないと。」
必死にギャラリーを落ち着かせようとする透だが、声も通らない上に周囲の誤解を解くことができず、会場は相変わらずざわついたままだ。
ブチっと俺の中で切れるものがあった。
「…嫉妬は不可能を可能にする………!!!!」
いかがでしょうか!会場のピリついた空気に便乗して、私からも透に呪詛でもかけておこうと思います。
次回、試合が大きく動きます。お楽しみに!!!
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