暗雲 Ⅵ (??side)
今回は犯人視点です。コ◯ンに出てくるものを想像していただければ…
「よし、これだけやればあいつらも勝ち上がってはこれまい…」
「あいつらには恨みがあるからな…首尾はどうなってる?」
「俺たちが直接手を下してるわけじゃねーし…いざとなれば言い訳すればいい。チームの編入生には悪いがな。」
「どっかの政治家みたいだな。」
「「ギャハハ!!」」
この大会で優勝するということは、学園内のスター街道を歩くことを意味する。
しかし学園長はその優勝商品や、その特典を示さなかった。今大会の真の意図は一般編入生を中心に、実力者を育成することや、実力差があるチームの中でいかに工夫して試合に挑むか考えさせることだ。そうすることで優勝という漠然としたものに向けてやる気のあるプレイヤーを選別する。そしてチームの中で十分な工夫や努力が認められればその後のクラスごとのリーグや成績で大きな加点が得られる。
「絶対に許さねぇからな…」
そう漏らす彼らには憎悪の炎が燃え上がっていた。
個人的な恨みだけではないが、これから学園生活でスター街道を歩けるともなれば、それを逃さない手はない。優勝候補筆頭と呼ばれたチームを次々に不利な状況へ追い込めば勝利は近い。その上、チームメンバーに2人のAクラスのプレイヤーを据えているのだから、余程のことが無ければ押し負けることはない。
作戦をチーム内で確認し、彼らはそれぞれまた任務のため会場へと舞い戻る。ターゲットの襲撃はそれぞれ順調に進み、それぞれ異変は感じるがプレーそのものに明らかに誤解を生むような形は残していない。犯人たちもこれは完璧な作戦だと思っている。
それを全て達観したかのような樹の考案した監視網に完全に嵌まっているとも知らずに。
「…なるほどそういうことでござるか…しかし忍たる者、常に冷静沈着でいなければならぬ。これを…日下部殿と昴殿に報告せねば…!!」
実は会場で怪しい動きをするプレイヤーを探るため、隠れ身の術を使い会場内外を隈なく監視しているところ、怪しい人物がいた、と虹渡から連絡が入っていたのである。異様な空気を察する、というような、野性の勘や感性に鋭い虹渡が目をつけた人物を、その後冴助が忍術を使い行動を監視、犯人を絞り込んでいた。
これからの3回戦以降は順次戦い、今日の試合が終わった後に情報を集約し、練習も兼ねて透の家で報告することになっていた。
そして運がいいことに、その会話も盗み聞きすることもできた。彼らが首謀者かは定かではないものの、かなり有益な情報であることに間違いはない、と冴助は判断。
音も気配も完全に消すのが忍であれば常識。日頃からの修行、そして積み上げてきた技術故に全く無駄がない。勿論犯人である彼らの目を盗んで行動を監視することなどお茶の子さいさいというわけだ。
「よし、このチームも敗退か…あとはあの2つのチームだけか…!」
首謀者の2人組はそれぞれ、罠にかかったチームの様子を確認しに、試合会場に戻っていた。
そして格下のチームに負ける様子を見て、勝利が徐々に近づいてきていることにやや興奮気味であった。そして自分たちの試合のため、また再び試合の台の前で集合していた。
「だがこれからが問題か…このまま順当にいくと俺たちと当たるのはあのチームだからな…」
一抹の不安を感じてか、犯人の1人がそう呟く。
「大丈夫だ。どんなことをしようとも勝ってしまえば所詮は負け犬の遠吠えだ。次の試合も勝つぞ。」
彼らも試合では真面目にプレーするのを演じなければならない。しかしトーナメント表のすり替えによって当たるチームはそこまで強いチームではないため、油断しなければ負けることはないと確信していた。
しかしここから、翔を始め、昴と彼らのチームメイトの逆襲が始まるとは露ほども思っていなかった。
いかがでしたでしょうか。次回、試合の裏で行われる犯人との駆け引き、勝負が動き出します。お楽しみに。
本年も本当にいろんな方に読んでいただき大変うれしく思っております。来年はもっと面白い話が書けるように、頑張って努力していきたいと思っています。来年もよろしくお願いします!
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