暗雲 Ⅰ (樹side)
今回は閑話で、樹視点の話です。
「僅差で勝てたとはいえ…やはり不安が残りますね…」
樹は呟く。
透くんや翔くん、虹渡くんな少しでも追いつきたい、その一心で努力してきましたが…まだまだ実力差は余りそうにありません。
樹はあまり自覚はしていないが、成長率が並ではない。それは透の家でしこたまダーツを投げ込んで、透、そしてマスターからの助言があったからだ。練習の量、質、共にとても環境で投げているが、周りのプレイヤーが上手すぎるが故の不甲斐なさを感じていた。
「あ、お疲れ様!初戦はどうだった?」
そう話しかけてきたのはCクラス所属で新聞部の神楽坂さん。
「なんとか勝てました。神楽坂さんは?」
「私達は余裕よ。独自の情報戦術で勝っているわ。」
それは本当にルールの範囲で行われているのでしょうか…些か不安です。
「あ、裏で変なことは一切しないわよ?でも今年の新聞部員は一般編入の生徒がEクラス、私よりも上手い人も2人いるし、そもそもチームの実力がかなり高いチームになっているのよ。
それに加えて相手の情報、得意不得意が分かっているのだから既に試合前から少し優勢、かもしれないわね!」
「な、なるほど…」
新聞部の情報網を利用した試合となると、相手のいいようにダーツを投げさせてもらえない、と言うことでしょうか。流石です。
「そういえば、Aクラスの剛田くんと難波くんってどう言う人か知ってるかしら?」
「えーっと…そういえば透をチームに引き入れたがっていた…」
「そうよ。それ以外に何か知ってる?」
「いえ…それ以外は何も…」
「あら、そう…ありがとね!」
「…?何かあったんですか?」
「いえ、なんでもないわ。でも気をつけることね。彼ら、何してくるかわからないわよ?あ、私取材あるの忘れてた!じゃあ樹くん!がんばってね!!!」
なんでしょう。意味がよくわかりませんでした。
しかし樹は練習用のブースで投げ込みをしているうちに、その一抹の不安は忘れ去られていった。
「透君の言っていた練習させてをやってみましょうかね。」
『1501 GAME ON!』
これが私に提案された練習法。今の私は、集中して1ゲーム投げる集中力がチームメイトに比べると劣っています。1501など、ゲームが長いものを利用してできる限り中心部に入れる訓練をすると良いと伺ったので、時間がある限り実践しましょう!
樹は時々20ROUNDで上がることもできるが、安定して上がれるわけではない。だが、それを透が勧めた理由は、目標が定めやすいからだ。1501点を20ROUNDで上がりきる実力があれば、勿論PPDは25以上。これを安定して記録できればD、またはCクラスまで行くことができる。
『FINAL ROUND』
105
日下部 樹 105
「TRIPLE19から…失敗した時は…」
アレンジは持ち前の学力でパターンを暗記、失敗した場合のアレンジについても全てを読んでプレーする、というのが今の樹のプレースタイルだ。
もう直感的に狙うべき場所がわかる透は、これを瞬時に行なっている。それと同時に狙ったところに投げられる技術もあるので鬼に金棒だ。
…ピュン『SINGLE 19』
…ピュン『SINGLE 1』
…ピュン『SINGLE 18』
67
日下部 樹 67
『ROUND OVER!』
「いやー…上がれそうでしたが、2投目で力みましたね…」
樹が練習のとき必ず意識するのはプレーを省みること。少しでも反省して次のプレーで意識すれば結果が変わると考えているためだ。
「あ、もうそろそろ全ての一回戦の結果が出る頃ですね。」
樹はブースを出て、試合の結果をモニターに確認しに行く。
「なるほど、次の試合の相手は全員Cクラス以下ですね。透君たちならなんとかしてくれるはずですよね!」
実力にある程度差があるので、次の試合はなんとかなりそうです…私は色々頼ることになってしまうと思いますが…
「おーい!次の試合の対戦相手が決まるよー!!」
「はいはい、行きますよー。」
虹渡くんと無事合流できました。
「次の対戦相手早く見に行こうよ!」
「元気ですねぇ…」
「緊張してるくらいだったらできる限り張り切っておいた方がいいと思うんだよね!なんとなく!」
それが空回りにならないか心配ですが…
「とにかく、次の試合も勝ちますよ!」
「勿論!樹もそうだけど仲間がいるってだけで断然元気でるからさ!ボクも頑張って優勝したいな。」
「勝てます。私達なら。」
「そーだよねー!透と翔に追いつけるように一緒に頑張ろうね!!!」
「はい!!」
虹渡の一緒に頑張るという言葉に少し励まされ、樹は更に奮起してトーナメントに臨むのであった。
いかがでしたでしょうか。短くなってしまい申し訳ありません。次回は虹渡視点の予定ですので、お楽しみに!
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