亀裂 Ⅳ
今回は透視点の話になります。
どうしたのかな。1LEG目から翔の様子がおかしい。はじめのスローはまだしも、手がいつもの位置まで上がってない。あとフォロースルーのタイミングも早くなって投げ急いでいる感じがする。そりゃ入るものも入らない。本当にどうしたのだろう。
「……………まあ気にしても仕方ないか。」
『ROUND 1』
…ピーピーピー『TRIPLE 20』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
…ピーピーピー『TRIPLE 19』
『WHITE HORSE』
※ 20
※ 19
※ 18
17
16
15
BULL
御影 透 有栖川 実風
0 0
八神 翔 西園寺 昴
よし。西園寺くんの強みであるCLOSEをしにくくさせることに成功。対する翔は…
『ROUND 2』
…ピー『SINGLE 17』
…シュッ『TRIPLE 3』
…シュッ『TRIPLE 2』
「……………どんまい!大丈夫!」
…ピーピーピー『TRIPLE 20』
…ピー『SINGLE 17』
…ピー『SINGLE 19』
『 ※ / / 』
―※―20―※―
※ 19 /
※ 18
17 ※
16
15
BULL
御影 透 有栖川 実風
0 0
八神 翔 西園寺 昴
相手もそこそこ決めてからが加点してこないのでそれがありがたい。僕としてはその方が楽に戦える。その後は翔もしっかり決め、僕の調子が良かったこともあり、余裕を持って勝利につなげることができた。
『ROUND 5』
…ピーピーピー『TRIPLE 18』
…ピーピーピー『TRIPLE 15』
…バギュン『DOUBLE BULL』
『 ※ X X 』
―※―20―※―
―※―19―※―
※ 18
―※―17―※―
※ 16
―※―15―※―
X BULL
御影 透 有栖川 実風
57 60
八神 翔 西園寺 昴
とりあえずこの試合は難なく勝利できた。だが問題は翔のほうだ。
正直なところ、翔がスランプに陥ったとしても、所詮は練習試合。もちろん成績評価はされるけど、本番のトーナメントでの評価でしっかり結果が残せればいいはず…それなのに…
「っていいつつ実力アピール?やっぱり実力者は違うよ!俺みたいなお荷物に絡まれてなければもう少し楽に試合できたかもね。」
…ここまで言われるとは思いもよらなかった。
いつからだろう。どうしてしまったのだろう。僕に落ち度があるなら謝りたいくらいだけど…正直僕には虹渡以外の友達は1人もいなかったから人の心というものがあまりよくわかってない。
僕は人一倍努力してきたつもりだし翔が今感じているスランプも何回も経験してきた。だからこそ今僕にできるのは…
「……………!」
ただ、翔を見守ることだけだ。
今日の試合は、その後翔の不調と西園寺くん、そして猿飛くんの調子が良く、押し返されたものの、結局4-3で僅差ではあるが勝利をつかんだ。翔は試合に出るものの、とことん打ち負けて完全に意気消沈していた。
スコアが伸び悩んだ翔は今日は練習をすることなく帰ってしまった。
もちろん引き止めて練習することもできたはずだけど、きっと僕が今何を言ったって多分逆効果だ。ほとぼりが冷めるのを待つ方がいいかもしれない。
樹と虹渡は今日の練習の反省で練習を学園でやるみたいだ。
家に戻って久しぶりに1人で練習。なんだか、今まではなんとも思わなかったのに、ただ過ぎて行く時間がとても虚しく感じられた。
「今まではそんなことなかったのにな…」
1投1投を投げる時になぜか集中できない。余計なことが頭をよぎる。
―――このまま翔はクラスダウンしてしまうのだろうか。
―――新人戦を戦い抜くことができるのだろうか。
―――翔に…嫌われてしまったのか。実力をひけらかしたいと思って投げたことはなかった。少しでも…チームの勝利を願って投げたつもりだけど…
今日はこの複雑な気持ちを少しでも晴らしたいと思い、僕はひたすら投げ続けた。
翌日。そして翌日。もちろん翔は練習試合の日には来るものの調子は全く戻っていない…どころか悪くなっている。見る限りあの時からバレルを握っていない可能性が高い。このままでは決勝のトーナメントにすら進めない可能性すらある。
「…ちょっといいかな?」
「……………!」
あの時もそうだった。ダーツをやっているだけじゃダメだと教えてくれた入学式の時を思い出す。
こちらから何かアクションを起こすべきか悩んでいるところに、翔から話しかけられた。少しやつれたように見える。翔の中でも色々悩んでいたのかもしれない。
なんて声をかければいいのかわからない。だけど…僕には…これしかできないから。
「……………ちょっとこれから5試合くらいMATCHやらない?」
さて、仲直りすることは出来るのでしょうか。お楽しみに。
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