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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
13/85

始動 Ⅱ

前回狂ったようにいいダーツをして快勝した翔。続きです。

 俺は透との試合後、樹と話をしていた。


「さっきはすごかったですね。中等部首席卒業者をストレートで下すなんて…」

「実は勝ったのはあれが初めてなんだ。やっぱり実力は透の方が何枚も上手だよ…」

「なんだかいつもの雰囲気とは異質に思えたのですが…」

「俺女の子にモテたことあんまりなくてさ…」

「嫉妬に狂ったんですか…」


 樹に図星を刺される。樹も俺もこれを聞いて笑ってしまう。


「言うなれば狂戦士バーサーカーモードですね。目がぎらついてましたし…ものすごい迫力でしたよ。」

「そうだったのか?」


 自覚がないからよくわからないが…正直いつも以上に集中できたのは事実だ。それが様々な形で顕在化したといったところか。


「ああ!!!もう!!今の入れる!?」

「……………翔に負けたから少し悔しくてね。今日はもう負ける気がしないよ。」

「ひっでぇ!!」


 向こうでは虹渡がサンドバッグになっているようだ。さっきの試合で透にスイッチが入ったのだろう。お気の毒に………でも大丈夫だ虹渡。骨は拾ってやるから…

 しかし虹渡のやられようを見ているとなんだか涙が出てきそうだ。RATINGに応じて自動のハンデを設定することができるのだが、そのハンデを付けてもそれをはねのけるゲーム展開には俺も樹も苦笑いだ。

 狂戦士モードが移ったか。


「翔くんは透くんと投げてて楽しいですか?」

「ん?どうしたのいきなり。」

「皆さんとても楽しそうにダーツをやっていて…些か羨ましかったです。負けそうな試合でも楽しいものなのですか?」

「そりゃ楽しいよ!勝つことも楽しいけど、俺今まで一緒にダーツ投げる人っていなかったし。そもそもそういう環境に自分がなかったっていうだけなんだけどさ。ダーツボードとマイダーツはあるけど、設置した父親は仕事でほとんど一緒には投げないし、近所にはダーツカフェとかバーなんてなかった。んで中学校まではダーツなんて言う趣味を持っている人なんていなかったんだよ。」


 俺はダーツを誰かと投げられるだけで楽しかったし、充実していた。


「僕はダーツは多少趣味でしかやったことなかったのですが、今日このように初対面でも気さくに話しかけてくださって、初心者でも遊べるゲームで楽しませていただいて…本当にありがたかったです。」

「いやいや!ダーツって繊細で難しいゲームだけどハマると楽しいんだよ。実力は関係ないと俺は思ってる。樹はまだダーツを始めて日が浅いと思うけど、これから伸ばそうと思えばどこまででも伸びると思う。」

「もちろんそれは頭の中ではわかっているんですが、そんな僕がこんなに上手い人たちとやっていけるかどうか…正直なところ不安なんです。」


 樹は表情が寂しそうだ。

 大方、俺の予想は当たっていた。一般編入生を入れるという規則である以上、新人戦にエントリーするためには嫌々ながらも彼らを誘わなければいけない。チームの中に亀裂が入ってしまうのではと危惧するのも無理はない。

 しかし、ここで引くわけにはいかない。ここで粘れば話が大きく前進することを俺は何となく予感していたからだ。


「でも自分なりに壁を破ろうとしてるじゃん?昨日俺のチームメイトたちと試合して、負けても負けてもひたすら練習していたし。」

「それは周りの環境がダーツをしないといけない環境だったからで…努力が裏切らない保証なんてないじゃないですか。」

「努力は裏切らないっていうのは確かに間違ってる。」

「えぇ?」


 思いがけない答えに少し拍子抜けしたようだが、俺は続けた。


「努力の方向が問題なんだ。正しいやり方で、そして十分な量なされた努力はもちろん裏切らない。その指針を示すのが透や俺、虹渡の役割なんだと思うんだ。チームメイトとして編入生を受け入れる意義もそこにあるんじゃないかって思うんだよね。」


 もちろん後ろめたさがあるのは仕方のないことだ。今現時点においては樹と透たちの実力差があることは否めない。


「……………少しすっきりした。」

「もー!透がいじめるー!!」


 虹渡と透がゲームを終えて戻ってきたみたいだ。

 虹渡はしこたまやられていたのに元気だ。


「虹渡くんは何故僕のことを誘おうと思ったのですか?何か考えがあったり…?」

「ん?ボク?あんまり考えてはないよ?樹と話すの面白いし!なんか一緒にゲームやってたら楽しかったからさ!!」

「こんな僕でもいいんですか?」

「……………正直こちらからお願いしたいくらいだよ。虹渡が選んだのなら間違いないと思ってるし。友達が少ない僕にとってはダーツ仲間ができることはうれしいんだよ。今までは友達いなかったからさ…」


 透!最後のほう声のトーンが下がってる!自信もって!!


「透も虹渡も、もちろん俺も。チームに樹が入ってくれると嬉しいんだ。」

「歓迎するよ!!」

「……………アドバイスは任せて。」


 もうここまでくるとあとは樹の返事次第だが…


「では…不束者ですが…よろしくお願いします…!!」

「「「よっしゃあ!!」」」


 ようやくチームが決まり、新人戦に向けた練習が始動するのだった。

次回はチーム決定に伴う練習、などについて書こうと思います。キャラも増えます!お見逃しなく!!


ブックマークなど、もろもろよろしくお願いします。


2019/7/21追記

特待生、一般枠の生徒に関する設定などをかなり変えました。

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