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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
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入学 Ⅰ

初投稿です。最後まで読んでいただけると非常に嬉しく思います。

「あーしんどいなぁ…」


 桜咲き乱れる春。俺は睡気眼を擦り愚痴を溢しながら新天地へと向かう。

 いつになっても慣れない朝の早起き。本能に反して身体を動かしているからか全身が非常に重い。


 今日から新たな高校生活が始まる。とにかく俺が願うのは青い春しまくりの「楽しい高校生活」だ。俺は今日から始まる高校生活に大きな期待を抱いていた。


 俺、八神(やがみ) (かける)は今日から煉射(れんせき)学園の高等部1年生になる。この学園に入学したのは親父から「お前の趣味を伸ばすならこの学校が良い。」と薦められた為だ。


 俺の趣味、それはダーツだ。家に親父がダーツボードを設置したのがきっかけで興味を持った。初めはたった2メートル強しかない距離から狙ったところにダーツを投げるのがこんなに難しいものか、とイライラするばかり。しかし投げているうちにそのダーツというスポーツの虜になっていた。今のところダーツ歴は半年。


 まあ、ダーツをする学園、って言ったって所詮は『みんなで楽しもう!ダーツ教室ーー!』みたいな感じなんだろう。うまい人が時々指導してくれてたまに生徒間で対戦もあったりするのかもしれない。


 色々と考えているうちにようやく目が覚めてきた。周りに俺と同じような制服の人が沢山いる。もうすぐ学園に着きそうだ。


 学園に着き俺は掲示板に張り出されたクラスをチェックする。


「俺のクラスは………っと。」


 Aクラス。クラス分けの基準はよくわからないがとりあえず教室に向かう。


 教室に着くと既に何人かが登校を終えている。しかしどういうわけか教室の雰囲気が張り詰めている。勿論新生活に対する緊張があることはわかるが、生徒間での会話がほとんどと言っていいほどないのだ。


 まあそんなことは気にしていても仕方がない。まずは友達作りからだ。前髪の長い細身の男子が俺の前の席に座っている。話しかけてみるか。


「おはよう。」

「……………おはよう。何か用?」

「いや…なんでもない。」


 気圧されてしまった。静かに言われた分なぜか言い返せなくなった。いかん!このままでは根暗コミュ障男子のレッテルを貼られてしまう…!ここは心を入れ替えて再挑戦だ。


「名前聞いてもいい?俺の名前は八神 翔。翔って呼んでくれると嬉しいな。」

「……………御影(みかげ) (とおる)。」


 そう言い御影は顔を背けた。なぜだ。我ながらフレンドリーに話せている方だと思うのだが話が続かないではないか!


 そうこうしているうちに入学式の時間がやってきた。


「……………翔くん、って言ったかな。この学園について君はどれくらい知っているの?」

「え?」

「……………君が思い描いている高校のイメージはこの学園生活では通用しないと思う。」

「なんでそれを俺に…?」

「……………うーん。俺あんまり友達から話しかけられたことなかったからちょっと新鮮な体験ができた。その感謝の意も込めた忠告だよ。」


 どういうことだろう。俺はその言葉を咀嚼できないまま入学式へと向かった。


 しかし、その後の校長の話で己の覚悟の甘さを痛感することになる。そしてこの学園での生活がいかに鬼畜ハードモードなものかを思い知る。


 校長はなんだか威厳を感じる強面の白髪の先生だ。年の割に体も引き締まっている。


「生徒諸君。ひとまず、皆入学おめでとう。我が煉射学園に入ったからには、互いに切磋琢磨し、互いに高め合って欲しい。これから投げる矢1本1本に全魂を注いで投げてほしい。そしてダーツ界を切り開いて行く開拓者になってほしい。


 君たちはダイヤモンドの原石だ。磨けば光るだろう。しかし、その原石を磨くのは我が校の講師達ではない。君たち自身だ。


 また、我が校には()()()がいる。ダーツの腕一本で入学を勝ち取った特待生、そして学力試験との併用試験で入学した一般編入生だ。我が校のモットーは文武両道。ダーツだけでなく学業の面でも互いに刺激し合い、努力を積んでほしい。」


 結局は文武両道、一介の高校とほとんど変わらないではないか。


 そう思って弛緩した気持ちでいるのも束の間、最後に放った校長の一言に式に参加した全生徒にとてつもない緊張が走る。


「しかし、これは表向きの話だ。改めて君達に現実を知ってもらおう。この学園では()()()()()()だ。ダーツの腕が拙劣な者は容赦なく叩き落される。

 今年卒業した学生が高等部に入学した当時の学生数は446名。うち2年次に進級できたものは僅か195名である。3年次には89名、卒業できた者は43名である。則ち卒業率は1割にも満たない。


 これを聞いて特に一般編入枠での入学者はなぜこのような逆境に立たされているのか疑問に思うはずだ。しかしそれはこれから生活していく中で少しずつ理解していくだろう。寧ろ編入生の方が卒業率は高い。それは何故なのかも考えてほしい。


 そして内部進学者は、なぜ一般編入枠や特待生枠というものがあるのか、その意味を()()()()()()考えていってほしい。驕る者程この世界では生き残れない。それを心に刻んで欲しい。


 この中でダーツ界のスター街道を歩ける者は卒業した者の中でもほんの一握りである。


 学力選抜で入学した一般編入生、そしてダーツの実技試験を受け編入してきた特待生、中等部からの進学をしてきた内進生、共に歩んできた道は違えどこれから歩む道は同じである。


 トッププロダーツプレイヤーを目指し、目標を同じくする者同士互いに日々研鑽せよ!!!


 以上だ。」


 なるほど。そういうことか。

 俺は全てを今理解した。


 なぜ、この高校の生徒は皆ピリピリとしていたのか。

 それは、クラスメイトその全員がライバルだからだ。


 ダーツをする学園というのはすなわちどういうことか。

 それはダーツで()()()()()()()()ということだ。


 そして何故透が己が思い描く高校へのイメージを捨てろと言ったのか。

 それは生温い意志ではこれから始まる熾烈な競争、サバイバルの中で生き残ることができないからだ。


 俺はとんでもない高校に来てしまった。ここまで来て初めて、そう自覚したのだった。

いかがでしたでしょうか。


一般編入生を何故入学させたのか。それはまたおいおい書いていこうと思っております。今はモヤモヤすると思いますが、これからの展開にご期待ください。


学業との兼ね合いの問題で、投稿間隔は一定とはいきませんが、これからも読んでいただきたいと思っております。

ご感想、レビューもしていただけると励みになります!それも合わせてよろしくお願いいたします。

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