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全裸のママよりマシだも~ん!

ママは、私がまだ小学校にも上がらないうちに亡くなった。私が覚えてるママの姿は、いつも病院のベッドで寝てて、時々辛そうな顔をするけど、私には優しく笑ってくれてるって感じだった。


だけど、ある日の夜、寝てるところをパパに起こされて自転車に乗せられて病院に行った時には、ママはもう起きなかった。


「ママ……?」


そんな風に呼びかける私に、パパは言った。


「ママは一杯頑張ったんだ……だからゆっくり寝かせてあげよう……」


って……


私は小さかったけど、それでも何となく分かった。


ああ…ママはもう起きないんだな……


って。


不思議と涙は出てこなかった。パパも泣いてなかった。


でも、アニメとかでよく見る、目のハイライトが消えてる感じの表情はしてたかな……




それから六年。


私は六年生になってた。今年で十二歳。


おしゃれ? 何それ美味しいの?


恋愛? 何それ強いの?


携帯電話? マリカーもできないのなら要らない。


ゲームが好き。最近は特にネットのゲームが好き。PCでやるやつ。刀剣男子が出てるやつ。あれ、いいよね!


スカート嫌い。長い髪は嫌い。髪の毛梳くの面倒。家で服着てるのジャマ。パンイチの解放感最高!


あんこ嫌い。ケーキは好きじゃない。チョコレートはビターオンリー。抹茶こそ至高!


女子力? クタバレ!!


ゲームしながらおならをブッパしても「テヘペロ♡」で許してくれるようなのじゃなきゃ男なんて要らない。


あ、でも、パパは許してくれるよ。


生理で汚れたパンツでも洗ってくれるよ。ウケケ!


だけど、パパは<男>じゃないもんな~。パパはパパだもんな~。


お父さんと娘で<そういう関係>になるエッチなマンガとかあるって、よっしーが言ってたけど、何それ気持ち悪い! 吐きそう! 滅べ!!


でもね、パパのことは好きだよ!


って、私がゲームしてたらパパが言ってきた。


「なあ、美智果。おっぱいだって膨らんできてるんだから、さすがにその恰好はそろそろやめた方がいいんじゃないかな」


おっぱい~? このクソうっとうしくてちょっと走っただけでドインドインして痛いばっかりの不気味なこれのこと~? しらね~よ、こんなもん!


だから言ったの。


「え~? 全裸のママよりマシだも~ん。それにパパだってパンツ一丁だし~」


そう。我が家はママも含めてみんな裸族。特にママは完全なマッパだった。パパだってパンツ一丁だ。文句言われる筋合いないも~ん!


でも、パパ、だ~い好き!


だから今日も早くお膝してよ!!


ね、パパ♡



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