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39.「色ひと筋に」「週末の恋人」「待つ女」「ワガママ」



「色ひと筋に」


彼の人をのみ想いつつとりどりの

ルージュの中から色を選ぶ


鮮烈に女の色香を匂わせる紅

紫は込みあげ疼く欲望を

剥き出しに……


そうして惑いながら

いつもいつも

どの色も選べないまま

日が暮れる


逢うことの叶わない日曜










__________________



「週末の恋人」


週末を共にする恋人がいる

あの人は優しくて

過ぎる程やさしい

けれど

見送った後、いつも

涙零れる

日曜日の夕暮れ










__________________



「待つ女」


同僚からのデートの

誘いを

嘘ついて断った

だって

土曜日は

ひょっとしたら

あなたから電話が

あるかもしれない










__________________



「ワガママ」


もう二度と愛したくはないけれど

無性に愛されたいようなワガママ









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