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13.「女の涙」「守ってあげたい」「風に舞う」
今回は全て「Boy’s side」男の子視点です。
「女の涙」
はらはらと冷めやかに
はんなりとひそやかに
それはもう遠い昔
淡く清廉な記憶の中で
水色の儚い女の涙を
君はずっと流し続ける
君に手を伸ばして
その涙に触れて
君を抱き締めていたら
君は……
僕は今もまだ君を愛している
君はもう何処にもいないのに
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「守ってあげたい」
ひかえめではかなげで
いつも淋しげな微笑みを湛えている
おとなしやかな君でも
好きな男には触れられたいと
思っているのか
そんな妄想にばかり駆られて
現実は言葉さえかけられない
情けない俺だけど
真実抱き締めたいのは君
君一人だけ
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「風に舞う」
僕を見つめるその瞳は
水のように冷めやかなのに
貴女の躰は火のように熱い
けれど風を抱くように
貴女はいつもするりと
風に舞う鳥のように鮮やかに
僕の腕から逃げてしまう
僕の心を見透かすように
僕のものにはならないと