運命の出会いの話
貴方は運命の出会いをした事がありますか?感じたことはありますか?貴方が感じたことがあってもなくてもどちらでもいいのですが、これから始まる物語はたった1つの例。よく聞いておくように···
「んん。」
真夜中の暗い部屋の中で1人起き上がった。
「あれ?私死んでない?」
咲だ。
「此処は?さっきまでゴブリンに襲われてたはずなんだけど?」
「あぁ、起きたか。身体は大丈夫かい?」
「あっはい。大丈夫です。あの貴方は?」
「済まない自己紹介がまだだったね。僕はハル。よろしくね。」
「(かっこいいなー)」
爽やかな笑顔の栗毛の少年はそう言った。
「よろしくお願いします。私は咲です。」
「よろしくサキ。」
「あのぉ私は何故ここに?」
「僕が依頼で薬草採取してる時に、君が森の中で倒れてたのを見て、運んで来たんだよ。僕の家にね。」
「依頼ってことは冒険者ですか?」
「うん。そうだよ。」
「あと、ここは街の中ってことでいいんですね?」
「うん。冒険者が1番多いと言われている街マティアだよ。そういえば、いい忘れていたね。ようこそマティアに僕は君を歓迎しよう。」
「ありがとうございます。ところで私はゴブリンに襲われてたはずなんですけれど、ゴブリンは貴方が倒したので?」
「いや、僕は何もしてないよ。僕が行った時にはゴブリンは全員倒れてたからね。君強いね。」
「(あれ?他の誰かが倒してくれたのかな?まぁ取り敢えずいいか?)」
「僕からも1ついいかな?」
「はい。」
少し申し訳なさそうにハルが言った。
「敬語をやめていいよ。敬語を使われる立場じゃないしね。」
「はい。分かりました。気をつけます。」
「それだよ。それ。うんでいいよ。」
「う、うん。分かった。」
「「ふふっアハハハハ!」」
「そんなに緊張しなくてもいいのに。」
「うん。そうだよね。」
そして、2人は、日が出るまで話、笑いあった。2人にはしっかりとした信頼関係が出来たのだ。
「じゃあ、行こっか。まずは教会に。」
「ほんとに、冒険者登録も教会の寄付も払って貰っちゃっていいの?」
「いいよ。いいよ。君と冒険者を一緒にやりたいし、ステータスも気になるし、何より君が好きだからね。」
咲の顔はリンゴよりも真っ赤になった。
「と、と、取り敢えず分かったから、教会に行こうよ。うん。」
「あはは。うん。行こっか。」
こうして2人は教会に向かった。