たった1人の少女の話
初投稿者です。
貴方は絶望した事があるだろうか?貴方は絶望を知っているだろうか?これから始まる物語は、たった1人の少女が異世界で絶望しながら成長していく話だ。よく聞いておくように···
「ハァハァ、ここまで来れば大丈夫でしょ。」
狭い路地で少女はひと息ついていた。彼女の名は、桜 咲だ。この物語の主人公だ。
「チッ、あの野郎どこ行きやがった。」
「嘘でしょ。まだ付いてくるの!?」
そう、今、咲はダメな父親、度を過ぎた暴力を振るうような父親に追われているのだった。
「あいつ、まだ包丁で私を斬るつもりなの!!もういいじゃん!!100回以上もう斬られてるから!!·······嫌だよぉ怖いよぉ もう斬られたくないよぉ 誰か 誰か 誰か助けてよぉ」
咲はその場で座り込んでしまった。そして、静かに涙を流し始めた。咲はまだ14歳、中二の彼女には、耐えきることの出来ないぐらい辛い状況に置かれていたのだ。
来る日も来る日も父が帰ってくることに怯え、父が帰ってきたら殴られ、蹴られ、叩かれ、斬られるなど当たり前のように起こる。そんな生活は咲には何時しかもう耐えられなくなった。
だから、咲はここまで逃げて来たのだ。
「逃げないとまた毎日毎日暴力の日々になっちゃう。ここまで逃げてきたんだから大丈夫。」
咲には今自分がここまで逃げてきたという事しか自分を慰める方法が無かった。
「アァン、今このへんであいつの声が聞こえたぞ。」
「やばい、ばれる。このまま隠れてやり過ごすしかないわよ。もう絶対に捕まらない。」
咲は物陰に隠れるようにして時が経つのを待っていた。
「この辺からあいつの声が聞こえたんだか、気のせいか。チッ」
「はぁはぁ、やった やったよ!これで安全で、安心して過ごせる。」
そう、遂に咲は父から逃げ切ることが出来たのだ。
と思っていた。
(ブゥーブゥーブゥー)
「えっ、携帯の音?まさか!!」
後ろを向いた彼女には見えてしまった。見てはいけないと分かっていながら、見てしまったのだ。ーーー携帯を
「えっ携帯?どうしてここに?」
そして、そこからの咲の行動がもっと彼女を地獄へと落とした。この行動を咲は一生後悔する。何故こんなことをしてしまったのかと···
「この携帯を使えば警察に連絡して保護して貰えるはずだ。」
これで安心、そう思ってしまった。そして、携帯を拾い上げてしまったのだ。
「あ〜ここら辺に携帯落としたはずなんだかなぁ。アァン、てめぇなんで俺の携帯持ってんだよ!おい!!聞いてんのかてめぇ!!」
「嘘·······」
「アァン、何言ってんだてめぇ!!」
「なんで なんであんたなのよ!!来ないでよ!!近寄らないでよ!!ヤダヤダヤダ!!」
「てめぇそれが父親に対する行為か!!調子に乗るじゃねぇぞ!!」
「あんたなんか父親だと思ったことはないわよ!!」
「てめぇ!!」
父親は咲の胸ぐらを掴み、押し倒した。
「てめぇぶっ殺してやる!!」
そう言うと手に持った包丁を咲の首に押し付けーーーー斬った。
「てめぇが反抗的なのが悪いんだからな!!ケッ じぁなもう二度と会うことはないがな」
熱い熱いあついあついアツいアツいアツイアツイアツイ痛い痛いイタイイタイ
頭の中が熱いと痛いで埋め尽くされた。
そして、咲は死んだ。ーー白い部屋のなかで
週一ペースで投稿します。