エデンの対話
ロッタ
チュキモリさん、モイ!
月森
こんにちはロッタちゃん。もうご飯は食べたかい?
ロッタ
クッタ!ロッタクッタヨ!
月森
じゃあお茶を入れよう。飲むよね?
ロッタ
ヨー!
月森
もう日本の生活には慣れたかい?
ロッタ
慣れた!でもクーマー!
月森
クマ?
ロッタ
違う!クーマー!
月森
……。ああ、フィンランド語か。
ロッタ
そう!日本あちゅい!!
月森
「クーマー」は「暑い」って意味なんだね。
——ロッタに紅茶を注ぐ月森
ロッタ
キートス(ありがとう)!
月森
そういえばお茶はともかく、日本の料理は君の口に合うのかな?
ロッタ
ハイとローのどちらかと言われたらハイ!
月森
ローが選ばれたら何が起こったんだろう。
ロッタ
スシがスキ!
月森
へえ。生魚だから苦手かと思ったけれど。
ロッタ
ウシガエルよりスキ!
月森
要はあんまり好きじゃないのね。
ロッタ
でもスモウの方がスキ!
月森
それは食べ物とは言い難いな。
ロッタ
ワタシにとって、ニホンは外国ですが、チュキモリさんの行ってみたい国はゴザル?
月森
そうだなあ。君の母国フィンランドにも行ってみたいけれど、一番心を惹かれるのはトルコだな。
ロッタ
トルコ?ミクシエーイ(どうして)?
月森
僕の主観だけれど、トルコは世界の中心として存在してきた国だと思うんだ。そのトルコをこの目で見てみたい。
ロッタ
イイネ!
月森
ロッタちゃんは日本のほかに行ってみたい国はあるかい?
ロッタ
ロッッッッサーーンジェー――—イコネングラード!
月森
どこだよ。
ロッタ
それよりチュキモリさん!私!「サトゥー」ちゅくってきました!
月森
砂糖?
ロッタ
日本語だと……ドゥーワ!!
月森
ドゥーワ?
ロッタ
ドゥーワ!!
月森
ドゥーワ……。あ、童話か。
ロッタ
ムカシムカシ!
月森
はじまったよ。
ロッタ
三匹のシカがいた。
月森
鹿がいたのね。
ロッタ
三匹とも仕方なくシカだった!
月森
ん?今ぶっ込んだ?
ロッタ
そもそもヤツラにシカである資格なんて無かった!
月森
ぶっ込んでるよね?
ロッタ
しかし!シカよりはマシか?
月森
知らないよ。
ロッタ
ところがモイモイ!
月森
もいもい?
ロッタ
スシがやってきた!
月森
寿司が?まあ童話だからアリか。
ロッタ
3匹ともスシに食べられた!!!
月森
急展開だな。
ロッタ
ぐちゃぐちゃ。ぴちゃぴちゃ。バリバリっ。
月森
いちばんエグイところで頑張るのやめようか。
ロッタ
どうしてシカは死んでしまうの?
月森
食べられたからだよ。
なんで急にシラフになった。
ロッタ
オワリ!!
月森
唐突に終わったね。すごいバッドエンドだな。
ロッタ
違うヨ!シカはスシの栄養になったんだヨ!おめでたヨ!
月森
めでたいのかなあ。
——予鈴の鳴る音が響く。
月森
そろそろ行かなきゃ。今日も楽しかったよ。ロッタちゃん、また明日ね。
ロッタ
ワタシもヨ!モイモイ!
月森
モイモイ。
おわり
お読みいただきありがとうございました!




