急展開と神
紫雲「で?具体的にどうしろと?」
突然現れた神様とやらに、どうしたら過去に戻るなんてメルヘンができるのか訪ねた。
神様「方法は極めて単純!このドンキで貴方の頭を殴ればあら不思議っ!高校時代ぐらいまで一気にもどれマース!」
おいバカやめろ。死にます。ていうか死ぬ。
紫雲「や、お前ふざけんなって…ドンキで頭殴るとかダメだよ?小学校で習わなかった?なんなら常識だけどね?」
神様「知らなーい♪じゃあ殺りマース!」
紫雲「ばっ!やめっ!アッーー!」
紫雲「ファッ!?…あぁ、夢か…」
俺は布団の上でいつもの様に目覚めた。なんだ、夢だったのか。それにしてもバイオレンスな夢だった…
神様「それが夢じゃないんだよなー(^^)」
なんだコイツ…な ん だ コ イ ツ
紫雲「はぁ!?ちょ!はぁ!?俺死んだ!?ついに!?」
あれが現実に起こったとすれば間違いなく俺は三途の川に旅立たにゃならんはず。だが、ここはいつもと変わらぬ地味で閑散としてる、タバコ臭い俺の部屋だ。
神様「やー、若い頃は紫雲さんかっこ良かったんですね?」
紫雲「やかましいわィ!つかァ!今でも充分かっこ良いわ!」
神様「そりゃ若い頃に戻ってますからねェ…」
揚げ足ばっかとりおって…しかしそんな事より、だ。
紫雲「で?姿、 形、 容姿は変わったが時代までは変わってねェな?どゆこと?」
神様「いやー、誰が時代もろとも戻すと言いましたか?時代もろともリープとか死ぬ覚悟ででしか出来ませんよー」
ヘラヘラと神様は能書きタレやがった。ウゼェ
紫雲「じゃあ!こっからどうしろってんだよ!?まず!仕事だよ!こんな姿で仕事行けるか!?それと、学校!!今更あの頃の事なんざ覚えちゃねぇよ!」
神様「いやー、そこは神様の力でポポポポーンですよ!まずですねぇ、貴方の存在は今現在、貴方を知ってる人の記憶から抹消しています!」
紫雲「ファッ!?」
神様「そして!学校に関しては心配する事なかりけり!とある学校の理事長、校長を始め職員全ての脳に貴方を転校生として刷り込んでおきました!!」
紫雲「ファッ!?!?」
俺はコイツが本当に神なのかわからなくなってきた。むしろ悪魔だろコイツ…しかし、その悪魔の無邪気な笑い顔はとてつもなく可愛い。うわ、可愛い!
紫雲「まぁ…お前神様だもんな。うん。疑問には思うまい」
俺は自分に言い聞かす様に呟き、タバコを取り出し火をつけた
神様「あー!未成年がタバコ吸ってるんだー!いけないんだー!ヤーイヤーイ!」
紫雲「うるせぇ!!!…ったく」
だいぶ混乱してた頭も落ち着きを取り戻してきた。落ち着きが出てきた頃にはタバコの命はもうすぐそこまで来てた。慈悲はやらん。死ね
神様「…で、ですね」
紫雲「待て、まだ何かあるのか?やっと冷静になったんだ。まだ、待て」
神様「いや、簡単な一言で終わりますよ?」
紫雲「あ、そなの?んじゃ、しくよろー」
簡単な一言で終わると聞いて、もう思考をしなくていいのかという解放感から生じた軽い受け答えと共に、再びタバコに火を着けた。まさかあんな言葉が飛び出すとは知らずに。
「学生に戻ってるうちに誰かと恋しないと紫雲さん。死んじゃいマース♪」
は?
神様「学生に戻ってるうちに誰かと恋しないと紫雲さん。死んじゃいマース♪」
紫雲「何度も言うな!心読むな!」
耐えきれ無くなり、次は酒に手を出す。某作者が吸血鬼とされてる作品のセリフを盗ましてもらったらこうだ。
紫雲「酒ッッ!飲まずにはいられないッッ!!」
神様「ダメですよー?未成年だから、とは言いませんが朝から不健康過ぎますー」
紫雲「誰のッッ!せいだとッッ!思っているんだァァ!!!」
神様「ひゃう!大きな声出さないで下さいよ…」
紫雲「まず!俺を学生に戻す前にもっと詳しく説明しようね!!こんなのキッツイ!マジでキツイ!」
神様「んー、言ったつもりなんですけどねぇ…」
紫雲「どちらにせよ、分かり辛い表現だったんだろ…」
神様「まぁ、なんとかなるでしょ!」
えー…軽すぎる…
紫雲「はぁ…まぁ、なんとかするしかない…よな」
ほんと、こっから先どうなんだろうな…死ぬのか?オレちゃん…
神様「それより紫雲さん!」
紫雲「んぁ?…ってオイ!勝手に何ポテチ食ってんだ!!」
神様「んー、そんな事より、今日学校ですよ?」
そう神様が言った時、知らない番号から携帯が鳴った。
プルルルル
紫雲「…はい」
?「こちら聖川高等学校の者ですが…今日は登校日ですよ…?」
紫雲「…んぁああ!!すぐ行きます!!」
なんて事だ…まさかこんなすぐに展開が転がるなんて…不幸だ
神様「はい、制服ですっ♪」
紫雲「…サンキュ」
ホント、コレからどうなるんだろうか…それこそ、神のみぞ知る。なんだろうな