あの子とその子と私の命!ドタンバオテンバスキャンダル!
季節は春。なのだが、春なんかどっかいっちまえ。と言わんばかりの暑さの今日この頃。
メールを見ても電話の着信聴いても
「締切3日前です。お急ぎください!」ばっかり。そう、私はいまだに作者をしています。
んでもって、今日は週刊漫画雑誌を出している、集合社に原稿を出しに行ってきました。
家から近いのですごく重宝しています。嬉しいことです。
次の日
「なぁ次郎知ってるか?」
「何をー?」といつものような会話をしているとこんな話が舞い込んできた。
「なぁなぁ知ってるかー?職場体験に集合社あるんだってー」
「うっそー。じゃあ俺そこにしよっかなー。」
こんな話です。へぇーなんて思っていましたし、とくには気にしなかったんですが、
担任が「私は昼から集合社に職場体験の話をしてきます。」
なんてことを聞きました。
「やばいよ穣!、どうしよう、先生にばれちゃうよー!」
「落ち着け次郎。」
「それができないんだって。もー終わりだぁぁぁぁ」
「落ち着け次郎。」
「あー、もう終わった。僕の築き上げたっものすべてこわれ...」
「落ち着けって言ってんだろがーーーーーーーーーーーーーーー!」
「はい。」
「落ち着いたか?」
「はい。落ち着きましたがどうしましょう。」
「大体、今日は何曜日だ?先生は俺らが学校に行ってる間に行くんだよ。そんなんでバレるわけがない。分かったか?」
といった感じに事なきを得た。
次の日
なんとHRが始まって早々と先生のお説教みたいなものから始まった。何故かというと、生徒の一人が(しかもおんなじクラス)がバイトをしていたらしい。
ここでほかの生徒からこんな質問が。
【正社員はいけないんですか?】
どっと爆笑が起こる。そこで一つ疑問が。そして聞いてみる。
【漫画家って駄目なんですか?】
先生「駄目だな。」
【小説家って駄目なんですか?】
先生「駄目だな。どうした次郎、そっち関係に興味あるんかー?夢いっぱいでいいなぁー。」
そして爆笑の渦ができた。この時点で僕は焦っていた。すごく、ものすごく、焦っていた。
そして嫌な予感しかしなかった。なぜだろう?とおもいつつ一日を過ごした。
そして休日。
原稿が上がったので、さっそく集合社へ行きます。と言い、さっそくでかける。休日なので大丈夫だとは思っていました。
担当さんとの打ち合わせも終わり、さぁ帰ろう!と思っていると、ちょうど帰る途中の穣を見つけた。
「やっほー穣!これから帰るのー?よかったら一緒に帰ろうよ」
「おぉ次郎、そうだぞ。一緒に帰るかー。」
てなわけで集合社の玄関を出ようとしたちょうどそのとき、正面から見たことある人が歩いてきた。
学校では老いた番長とあだ名の付いた、通称 ウラセン が歩いてきていた。
「なぁ次郎、あれってウラセンじゃね?」と言われ、そんなバカなーと口に出しながら見るとー、
それは確かに ウラセンだった。
「うわー、ウラセンだ、やばい、とにかく逃げよう!」
僕と穣は必至で逃げた。ずっと逃げ続けた。ずっとずっと。
そして______
「なんとか逃げ切ったな。」
ふたりでほっと胸をなでおろす。
「ほんとあいつに見つかるとやばいからなー。」
「誰がヤバいってー?」
確かに僕は聞こえた。太くて低くてがっしりとした声。いつも聞いているあの声。
僕と穣は振り返った。
そこには確かにウラセンが立っていた。
「ちょろちょろ逃げ回ってたみたいだが、どうしたのかね~?」
僕はもう笑うことも、泣くことも、当然、喋ることもできなかった。もう退学とか留年とかいろいろ頭の中で蠢いていた。
「あ!!!!!」
僕と穣は歯を食いしばった。きっと叩かれる。そう思った。
けど、事態はえらい方向に回転した。
「なんでお前らが、【くらじろー】さんと【いしみの】さんの入館証持ってるんだよー。俺すっげーファンでさー、職場体験の話してきたら会えるかなーって思ってさー来たんだけど、ちっともあえねぇんだよなー。」
小声で、「なぁ次郎、俺たち大丈夫じゃね?」
「そうだね、ころあいを見て逃げよう!」
「先生!あの、これくらじろーさんがプレゼントです!って言ってましたー」
「そうそう、いしみのさんもですよー!」
「うっそー!超嬉しいわー。やったー。」
「では失礼しまーす。」 足早に逃げる。とにかく逃げる。
「なんとかばれなかったなー。」そうだねと言い、別れて家に帰る。帰ってメールを見ると、締切期限通知が沢山来ていた。
まだまだ僕は作家です。