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大好きな幼馴染に告白されたのに間違えてボロクソにふってしまいました

作者: 猫の集会

 本日、土曜日の休日でございます。

 

 

 時刻は、まだ午前中…なはず。

 

 

 ピコンと携帯がなったので、眠い目を半開きにして、起きなきゃ…起きなきゃ…と自分に暗示をかけ、勘で携帯を手で探してキャッチ!

 

 おっ!掴んだ!っと、手と脳みそがキャッチしたことを喜んだのが、まだ眠いオレにもわかる。

 

 そして、オレの睡眠妨害したやつはだれなんだと、携帯をみた。

 

 

 …

 

 奴か。

 

 基本オレの睡眠を邪魔するふとときものは、母ちゃんか、幼馴染の瑠夏るかだ。

 

 

(おはようございます)

 ってきていた。

 

 

 くだらない。

 

 無視して、また寝落ちして数秒でまた…

 

(朝すぎたよ)

 との瑠夏からの連絡。

 

 無視

 

 

 

 すると、隣の部屋からガタゴトと物音がしたかと思えば、オレの部屋のドアがあいた。

 

 心霊現象では、ありません。

 

 幼馴染の瑠夏が登場したのです。

 

 

咲斗さくとー、もう朝じゃないよー」

 と、言葉の遠回りする瑠夏。

 

 …

 

「朝じゃないならいいじゃん。」

「もうお昼だよってこと!」

「なら、はじめからそういいなよ」

「もう、すぐそうやっていうんだからぁ」

 

 瑠夏は、母親みたいだ。

 

「あ、おはよう。母ちゃん」

「だれが母ちゃんだよ…てか、お昼できたよーってママンが」

 

 …ママン

 

 瑠夏は、オレの母ちゃんをママンと昔から呼んでいる。

 

 仕方なく少し経ってから、ボサボサの髪をボサボサしながら、リビングへと降りた。

 

 すると、あらまあ…なんたることでしょう?

 

 爽やかな兄貴が、爽やかそうめんを啜っているじゃありませんか。

 

 そして、となりには瑠夏。

 

 オレの横には、ボスの母ちゃん。

 

 いちおう、おはようと挨拶をした。

 ボサボサ髪を添えて。

 

 すると爽やか兄貴が、クスッと笑い

「いいなぁ。咲斗は、めっちゃ寝れて。オレなんか、ほとんど寝れないのに」

 と、またそうめんを啜った。

 

 いや、オレは兄貴が羨ましい。

 

 だって、いつもオレより遅くまで勉強して、起きても勉強なんだから。

 

 そんな生き物に、オレもなりたかった。

 

 どこで遺伝子間違った?

 

 

「ところで…兄貴の隣にいるのは、座敷わらし?」

「はあ?」

「そんなこというなって。オレのかわいい妹にさ。」

「あら、いいわねぇ」

 母ちゃんも、のってきた。

 

 

 …

 妹は、やだな…

 

 だって、そしたら…結婚できないもんね。

 

 オレは…こうみえて、幼馴染の瑠夏が好きだ。

 

 昔から、かわいいとは思っていた。

 

 でも、どんどん歳を重ねるほど美しくなる幼馴染の瑠夏。

 

 あなたは、もしかしてダイヤ モンドさんですか?

 

 瑠夏のフリしたダイヤモンドさんなの?

 

 そんな名前がついてもいいくらい身も心も美しいんだが?

 

 眩しすぎんだろ?ってことです。

 

 だれだよ、瑠夏をそんなに磨き上げたのは?

 

 磨き上げたっていうか…育てた?というか…

 

 

 そもそも育てたのは、もちろんご両親ですね…

 

 あと、もう一人いらっしゃるのです。

 

 それが、もちろんオレ‼︎なわけない。

 

 瑠夏は、たぶん…オレの兄貴と付き合っています。

 

 

 だって、この前…兄貴の部屋から話し声が聞こえてしまったんです。

 

 

「結婚するよね」

「うん、わたし頑張るから」

 ってさ。

 

 あと…

 

「痛いかも」

 とか…

「気持ちいい?」

 とか最近よく聞こえてるくんだよね。

 

 

 もう、そこまで進んでいたんですね…

 色々と…

 

 たしかに、二人はお似合いです。

 

 いつも瑠夏は、兄貴に勉強を教えてもらってるし、隣をキープしているし…

 

 だからって…新婚みたいに並んでご飯食べとかさ…見せつけてくるのは、どういうプレイだよ…

 

 やめてもらいたい。

 

 でも、そんなこと言えない。

 

 言っても仕方ない。

 

 どうしようもないので、黙ってそうめんを啜った。

 

 いや、正確には黙っていない。

 

 そうめんの奴らが、ズルズルとオレの口に啜られているので、黙ったフリして騒いでいる。

 

「汚いよ…咲斗ー」

「あら、咲ちゃん!はねてるわよ」

 

 その言葉に、頭をおさえた。

 ねぐせだよ。

 

 そう思ってると、布巾でオレの周りのテーブルを拭く母ちゃん。

 

 はねてるのは、髪じゃなくてそうめんだった。

 

 フッ、兄貴よ…こんなキモい弟がいたら、わたし…こんな弟いたら気が狂うって瑠夏にフラれてしまえと、内心思った。

 

 そんなオレをみて兄貴は、

「おとこは、それくらい豪快な方がカッコいいよな」

 と、オレを庇った?

 

 のか?

 

 そんな庇いは、いらない。

 

 去年のカレンダーくらいいらない。

 

 

 

「「「ご馳走さま」」」

 と、オレより先に食べていた三人がお片付けをはじめた。

 

 

「あら、お父さんから電話だわ」

 と、母ちゃんは電話対応しだした。

 

 残りの二人は…また部屋で勉強しつつイチャイチャするのだろう。

 

 器の小さいオレは、ズルズルと乱暴にそうめんを啜った。

 

 はねるわはねるわ…

 

 顔にまではねてくるそうめんのやつが気に入らないので、静かに啜ってみた。

 

 すると、まっすぐにオレの口に入ってくるヤツら。

 

 そうめんって奥が深いですねー。

 

 まぁ深いのか細いのか知らんけど。

 

 

 

 

 大きなため息をついて部屋に戻った。

 

 やることないし、携帯で暇つぶししようとしたら、オレのベッドに瑠夏が転がっていた。

 

「なっ…なにしてんだよ?」

「えー?くつろいでる」

 

 …

 

「くつろぐなよ」

「なんでぇ?ここが一番落ち着く場所なんだよ」

 

 …

 

 勝手に落ち着かないでもらいたい。

 

「兄貴の部屋行きなよ」

「え、だって…午後から出かけるってさ」

 

 …

 

 瑠夏は、ひとりでお留守が苦手だ。

 

 だから、兄貴とイチャイチャ勉強がないと、こうやってオレの部屋でくつろぐ。

 

 今までは、よかったけどさ…

 

 兄貴と瑠夏は、付き合ってるんだろ?

 

 切ないんですけど?

 

 でも、しょうがないか。

 

 …

 

 仕方ないから、プチ居候いそうろうを許可してやった。

 

 

 瑠夏は、くだらない動画とかをオレに見せてきたりして、二人してくだらない時間を過ごした。

 

 

 まあ、だいたいいつのもルーティンだけどさ。

 

 でも、ひとつ気になることができた。

 

 顔のニキビ…じゃなくて‼︎

 

 兄貴だ。

 

 

 だいたい土曜日か日曜日、出かける。

 

 どこに行ってるのだろう?

 

 彼女の瑠夏を放って、午後からなにしてるんだ?

 

 まぁ基本、勉強が終わるとオレの部屋に入り浸ってるけどさ…

 

 塾でも行ってんのかな?って不思議に思い珍しく、兄貴のいない土曜日にこっそり母ちゃんに聞いてみた。

 

 

 そしたら、まさかの彼女とデートに決まってるじゃないって、バシッと腕の辺りをやられた。

 

 でた

 

 必殺、おばさん叩き‼︎

 

 ってさ、おばさんの必殺技なんかどうでもいい。

 

 

 彼女?

 

 彼女だと?

 

 瑠夏が高校生だということをいいことに、大学生の兄貴は、二股してんのか?

 

 

 

 

 

「あ、咲斗〜。珍しく今日起きてんじゃん」

「…瑠夏」

 

 瑠夏は、知らないよね…

 

 兄貴に彼女がいるなんてさ…

 

 

「そういや、今日リッくん旅行なんだって」

 

 …

 

 リッくんとは、オレの兄貴のことだ。

 

 まさか…彼女と行ってるのバレるんじゃ…

 

「へ、へぇ…大学生は、サークルとかあるもんなぁ」

「ううん、彼女とだよ?」

 

 

 ⁉︎

 

 知ってんのかよ⁉︎

 

 え、もしかして…

 

 結婚するまでは、お互い遊んでオッケーってこと?

 

 …

 

「あ、そうそう。これ誕プレー。三日早いけど、フライングー」

 と、誕プレをもらった。

 

「え、なんで…?いつもおめでとうって言葉がプレゼントだったじゃん」

「まぁ、いいじゃない。たまには…さ。あけてみてよ」

 

 珍しいこともあるもんだ…けどさ、これは…びっくり箱じゃないよね?

 

 恐る恐るあけると…

 

 ⁉︎

 

 オレの欲しがっていたワイヤレスイヤホンじゃん。

 

「いいの?」

「うん、リッくんとね」

 

 兄貴?

 まぁ…そんな二股どうでもいいと、どれどれと、早速使ってみようかな?ってイヤホンを手に取ると…箱の底にひとこと

 

 好き

 

 って書いてあった。

 

 

 …

 

 これは…

 

 さっきのリッくんって、ワードと繋がる?

 

 瑠夏も結婚するまでは、お遊び自由ってやつ?

 だから、わたし頑張るってなったの?

 

 でも、弟だぞ?

 

 オレは婚約者の弟なんだけど⁉︎

 

 いいの?

 

 逆にそっちの方がいいの?

 

 だから、さっきリッくんって、兄貴の名前言ったの?

 

 …

 

 え…

 

 オレは、兄貴推薦の遊び相手に選ばれた?

 

 …

 

 嬉しくねー…

 

 瑠夏と兄貴が決めた浮気相手がオレ⁉︎

 

「あの…これ…って…」

「うん…」

 

 箱の底の好きって文字を瑠夏にみせた。

 

 やっぱり瑠夏が、かいたんだよね…

 

「ごめん、瑠夏…その気持ちには、こたえられない」

「…そっか。でも…理由があるんだよね?聞かせてほしい」

 

 今にも泣きそうな瑠夏。

 てか、すでに瑠夏の瞳から涙が溢れた。

 

 なんで泣くんだよ?

 

 兄貴の当てつけにオレと遊びのやつが、なんで泣くんだよ?

 

 オレにフラれたから?

 

 じゃないよな。

 

 兄貴に彼女がいるからだろ?

 

 旅行行ったからだろ?

 

 イヤならイヤって言えばいいのに…

 

 なんで、結婚するまで遊んでいいって許可してんだよ?

 

 そっちがよくなったら、かえってこないかもじゃん。

 

 

「瑠夏…泣く前にちゃんと話し合わないと」

 

 …

 

 瑠夏は、泣きながらオレに訴えてきた。

 

「話し合うって何?お互いの気持ちを?」

「そうだよ」

「え、どうやって?」

「はっきり言えばいいじゃん」

「いっ……言ってはないけど…伝えたじゃない。」

「とめなきゃダメだろ」

「どっちよ…話せとかとめろとか。」

「どっちもだろ」

 

 …

 

「そんなの…無理じゃない?」

「なんで?」

「だって…じゃあ、どうすればよかったのよ?とめろってことは、言わなくてよかったってこと?」

「だから、一択にすればよかったんだよ」

 

 …

 

「一択…?」

「うん」

 

 しばらく瑠夏は、黙ったあと

「じゃあ、イヤホン返して。やり直す」

 と、オレの前に手を差し出した。

 

 イヤホン…?

 

 どうしてイヤホン?

 

 これは…まさか兄貴のお古か?

 

 てか、やり直すって何?

 

 意味がわからなすぎたので、とりあえず返す前に聞いてみた。

 

「やり直すって何?」

「一択にすればいいんでしょ?」

「うん…一択ってか一筋みないな?」

「じゃ、それ貸して」

 

 …

 

 言われるがまま、イヤホンを返した。

 

 すると瑠夏は、イヤホンを自分のポケットにしまった。

 

 そして、イヤホンなしの箱をもう一度オレに渡してきた。

 

 …

 

 なにしてるの?

 

 受け取った箱をあけると…やっぱり好きって文字がかいてあった。

 

「なに…?」

「だから、やり直し」

 

 …

 

「そのイヤホンは…そもそも兄貴の?」

「ううん、でもリッくんと買った」

 

 イヤだー…

 

 なんか、いちいち兄貴ついてくるー…

 

 いらないおまけー…

 

 ノート買ったら消しゴムのカス付いてきます。

 くらいいらねー…

 

 そして瑠夏がまた、からの箱をオレに差し出した。

 

 …

 

「いや、オレはその箱は絶対いらない。」

「そんな…イヤホン一択なんだ?」

「まぁ、イヤホンもぶっちゃけ兄貴の呪いかかってるから、正直いらない」

 

 

 …

 

「ひどい‼︎結局わたしのこと嫌いなだけじゃん‼︎」

「うん、今の瑠夏は正直嫌いすぎる」

 

 ちょっと言い過ぎたかな?

 でも、オレを騙してる二人がわるいよね?

 

 結婚するまでの遊び要員とかさ。

 

 

 瑠夏は、イヤホンと箱を持って泣きながら帰っていった。

 

 

 その二日後、兄貴がいつのまにか旅行から帰っていた。

 

 そして餃子を頬張っていた。

 

「クソ兄貴…」

「ん?なんか言った?てか、このお土産の餃子美味しいよ?咲斗も食べなよ」

 

 …

 

「呑気なこと言ってんなよ。だれがお前のお土産なんか食うかよ。どの口がお土産とか言ってんだよ」

 

 兄貴は、慌てて口をおさえた。

 

「えっ?餃子…臭い?ごめん。咲斗がそんなニンニク臭嫌がるなんて…」

「そっちじゃねーよ」

「えっ?餃子そのもの?」

 

 慌てて餃子の皿を隠す兄貴

 

 …

 

「しらばっくれんなよ‼︎二股しといてよ‼︎」

「え?オレ…餃子には、いつも白米セットだし…」

 

 コメも隠そうとする兄貴

 

 

「ちげーよ‼︎瑠夏がいるくせに旅行、だれと行ったんだよ」

 

 

 …

 

 

 ?みたいな顔の兄貴。

 

 知らないとでも思ってんのか?

 

「咲斗?なに言ってんの?瑠夏は、ずっと咲斗一筋じゃん。誕プレもらったんだろ?なんのサプライズ?怒ったフリしてドッキリ?」

 

 …なに言ってんだよ。

 

「兄貴、瑠夏に結婚するよねって言ってたよね?瑠夏も頑張るってこたえてたよね?この前さ」

 

 …

 

 兄貴は、なにかを考えてるのか、言い訳を考えてるのか、また勘違いしてなにかを隠すのか…しばらく黙って

「それって…結婚するよねじゃなくて、結構するよね?だよな?たぶんそれイヤホンの値段の話だな。瑠夏、バイト代じゃ足りないっていうから、オレに勉強教わったあと、オレの肩マッサージしたりしてくれるなら、たてかえてあげるって言ったんだよ。おかあさんにいうと、すぐママンに伝わっちゃうから、言いたくないっていうし」

 

 ⁉︎

 

「えっ⁉︎じゃあ、兄貴…瑠夏と付き合ってないの⁉︎でも、瑠夏いっつも兄貴の隣座るじゃん」

「それは、正面に咲斗がいて欲しいからだよ?オレにとって瑠夏は、昔からオレのかわいい妹なんだ。ずっと咲斗を好きだって言ってたよ?しかし、気づかないもんかね?」

 

 

 …

 

 ヤバ…

 

 オレ…瑠夏の気持ちズタボロにしたわ。

 

 完全にやらかした…

 

 

 とりあえず、速攻で瑠夏のところへ行った。

 

 留守でした…

 

 

 なので電話してみた。

 

 …

 

 出ません。

 

 なんなら、拒否されてます。

 

 そりゃそうだよね。

 

 頑張って告白してくれたのに…

 なんなら、プレゼントだって頑張って用意してくれたのに…オレは…

 

 

 どうしたら許してもらえるかな…

 

 そして、どうしたら…オレのおいもも届くかな…

 

 いや、おいもって…

 

 実家から、毎年届く美味しいおいも〜じゃないんだよ…

 

 …

 

 おもいおいも重い芋…

 

 いや、早口言葉じゃないし…

 

 とにかく、いもをどけろ‼︎

 

 いや、おもいを届けろだろ…

 ってまてよ?

 いもをとどける?いもをどける…?

 

 …

 

 あ、いいこと思いついた‼︎

 

 

 オレは、早速一箱いもを購入した。

 

 そして…瑠夏の家のピンポンをして、結構大きい声で

「おいものお届けでーす」

 と、言った。

 

 ここで賭けです!

 

 おかあさんじゃなく、どうか瑠夏が出ますようにっ‼︎

 

 と、願った。

 

 すると、ドタドタと足音がした。

 

 瑠夏だ‼︎

 

「宅配お疲れ様でーす‼︎」

 と、瑠夏が出てきた‼︎

 

 成功だ。

 

 

 と、思ったのに…

 

 瑠夏は、オレの顔をみるなり一瞬驚いた顔をして、玄関を無言でしめた。

 

 …ですよね。

 

 かと思えば、またドアがあいた。

 

「あら、咲ちゃんじゃない。おいもお裾分けくれるの?」

 

 …

 

「あ、はい」

「じゃあ二本くらい頂いちゃおうかしら」

「いえ、これ全部お裾分けなんです」

「あら、こんなにたくさんいいの?」

「はい、もちろんです」

 

 …

 

 ガチのいも宅配やんけ。

 

 

 

 もう次は、宅配作戦は通用しないだろう…

 

 じゃあ、どうすれば…

 

 

 宅配が終わり、トボトボと歩いていたらいつのまにか、瑠夏と昔よく遊んだ公園にいた。

 

 

 …

 

 瑠夏

 

 …

 

 ふと、辺りを見渡すと昔はなかった自動販売機が置いてあった。

 

 

 あ…瑠夏の好きな、いもジュースがおいてある。

 

 急いで帰って、小銭を取りまた自動販売機に戻った。

 

 

 さっきまで、だれもいなかった公園のベンチに、だれかが座っていた。

 

 

 ジュースを買いつつ…気になるベンチの人…

 

 

 五回目のガコンとオレの買ったジュースが販売口に落ちると、ふとベンチの人が振り向いた。

 

 

 ‼︎

 

 やっぱりだ‼︎

 

 ベンチの人は、慌てて立ち上がった。

 

「瑠夏‼︎待って‼︎」

 

 オレが瑠夏の手を慌てて握ると、瑠夏は離してと、オレの手を振り払った。

 

「瑠夏…ごめん。オレ勘違いしてて…謝っても無理だろうけど…本当にごめん。瑠夏のこと傷つけてた。思いっきり…」

「なにが?そうやって謝ればイヤホンがもらえるとでも?そもそも勘違いって何?イヤホンが別のものに見えていたとでも?」

 

 …

 

「そうじゃなくて…オレは、瑠夏と兄貴が付き合ってると勘違いしてて…」

「そんなわけなくない?彼女いるのに、旅行までしてるのに、どんな勘違いなわけ?」

「…だから、いつも瑠夏…兄貴の横キープしてたし、勉強も教わってたから、好きなのかなって…」

 

 …

 

「…それは、横キープっていうか、正面…を…その…」

 

 兄貴の言った通りだった。

 

「瑠夏、オレ…オレも瑠夏のことずっと好きでした‼︎勘違いして、勝手に瑠夏を傷つけてて本当にごめん‼︎いもなんかで許してもらおうとなんか思ってない。でも…瑠夏が大好きな、いも農家やりたいっていうなら、オレも手伝う‼︎これからは、もう瑠夏を泣かせない‼︎だから…だから…許して欲しいとは言わないけど…オレが瑠夏を大好きだってことだけは、わかってもらいたい‼︎」

 

 …

 

「うん、わかった。てか、そのジュース何本買ってるのよ」

「あ、これは…瑠夏が好きなやつだから…」

「そうだね。覚えててくれたんだ。でもね、わたしが一番好きなのは、咲斗だから」

 って、涙をいっぱい溜めて許してくれた瑠夏。

 

「瑠夏…オレも大好き」

「うん。」

 

 瑠夏をギュッと抱きしめた。

 

 

「もう、ずっと離さない」

「うん、離れないよ。ずっと一緒にいようね?」

「そうだな。このまま公園の銅像になろう」

「それは…どうなの?」

「フッ、嘘だよ。瑠夏、本当にあのときごめんな」

「もういいよ。勘違いだったわけだし」

「勘違いってこわいな」

「そうだね。わたしも勘違いしてた。」

「なにを?」

「告白しないで、イヤホン一択にするべきだったんだって」

「あー…、そんなこと言うやつ最低だよな」

「たしかに」

「あ、スイッチ入っちゃった?やめて?今からオレ…ボロクソに言われそう。瑠夏さま、さあさあ、お飲み物どうぞ。」

「飲み物じゃつられないからね!って言いつつ喉乾いたから一本ちょうだい」

「何本でもどうぞ」

 

「「ふふ」」

 

 二人で顔を見合わせて笑い合った。

 

 そして、ごめなさい乾杯をした。

 

 これからは、ケンカして仲直りするときは、ごめんなさい乾杯しようってなりました。

 

 

 

 

 カンパイ♡

 

 

 

 イヤホンは、仲良く二人で使ってます♡

 

 

 

 おしまい♡

 

 

 

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