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12.スピカ、冒険者になる

 実際、スライムの討伐証明は魔石である。

 あそこまで小さいと需要はほとんどなく、普通に売ることは出来ない。


 買うのなんて錬金術師くらいなものだ。

 ざらざらと釜に入れて魔力を込めることで大きな魔石を作ることが出来る。それを売るとなかなかの金額になるので、小遣い稼ぎにはもってこいなのである。


 問題があるとすれば、作ることが出来る魔石は入れた魔石と同じ属性のもののみなので、スライムなら水魔石しか作れないこと。


 あまり売りすぎると売り値が下がってしまうのである。



 それはさておき、スライムパックを作るためにはあの魔石が重要となってくる。

 証明として回収されたらたまらない。


 なので今回はコボルトとゴブリンの討伐依頼を受けるつもりだ。

 上位種が混ざっていても私なら難なく倒せるし、スピカだってビリーの護衛をしていたくらいだ。そのくらいは問題なく倒せることだろう。


 ギルドに入り、そのまま受付カウンターに向かう。


「すみません。凍結解除と新規登録をお願いしたいのですが」

「は~い。凍結解除と新規登録ですね。銀貨三枚と銅貨五枚頂きます。凍結された冒険者さんはカードをお持ちですか? 紛失となると別に銅貨五枚頂きますが」

「あります。これで」


 凍結解除には銅貨五枚で、新規登録は銀貨三枚。

 ラップサンドが一つで銅貨二枚だった。銅貨十枚で銀貨三枚なので、新規登録はやや高い。


 とはいえこれも冒険者達を守るため、ギルドの運営に充てられている。

 普通に働いていれば、ランクが上がる前には回収出来る。スピカならすぐだろう。


「はい、確認させていただきますね。その間にご新規さんの情報をこちらにご記入ください。終わったら血を一滴垂らしていただいて、登録は完了となります」


 スピカは読み書きも出来る、とビリーから聞いている。あまり得意ではないようだが、このくらいなら問題ないようだ。さらさらと情報を書いていく。


 ちなみに計算は全然で、あげると速攻でなくなるから絶対に渡さないようにと釘をさされた。多分、食べ物に使ってしまうのだろう。


 書き終わったものを確認してから、ペンの横に添えられていた針を手に取る。


「スピカ、ちくっとするけど我慢してね」

「ん!」


 左手の指を出してもらい、指先をチクりと刺す。ぷっくりと出た血を名前横の欄に押しつけると、それがカードへと変わった。


 あとは冒険者が所有している水晶に一度飲み込ませれば登録完了だ。

 受付の女性が戻ってくるまでの間、マジックバッグから取り出した傷薬をスピカの指に塗り込む。


「お嬢、ありがとう」

「凍結解除完了いたしました。ではこちらのカードもお預かりしますね。……はい。これで登録完了です。冒険者登録後の説明はいかがされますか?」

「大丈夫です」

「かしこまりました。依頼ボードはあちらにありますので、ゆっくりとご覧ください」

「ありがとうございます」


 お礼を告げてからボードに向かう。

 冒険者登録を済ませたばかりの冒険者用に、常駐依頼の下に枠が作ってある。そこからコボルトとゴブリンの討伐依頼を取り、受注処理をしてもらう。



 それから草原へと向かった。

 王都のように立派な門はないが、町と草原の境目には魔物避けの杭が打ち込まれている。

 そこの近くに警備が立っており、杭が外れても問題ないようになっているのである。



 ぺこりと頭を下げてから横を過ぎ去る。

 草原をしばらく歩くと、コボルトの群れを発見した。


 私の目では見えないが、少し離れたところにはゴブリンの群れもいるらしい。

 さすが獣人。目が良い。なのでスライムも見つけてもらうことにした。



「あっちにいっぱいいる!」

「ありがとう。じゃあ狩っていこうか」

「うん! あれはどこを使う?」


 完全に錬金術の素材採取慣れしている。

 慣れたら私も素材採取を手伝ってもらおうかな……。なんて思いつつ、今回は遠慮なく暴れて欲しいと告げる。


「右耳が討伐証明になるから、そこだけ残してもらえれば後はどんなやり方でも大丈夫。私はスライムのところに行くから、何か困ったことがあったら呼んでね」

「分かった!」


 群れというよりも生息地が固まっているスライムとは違い、コボルトとゴブリンは近くに巣がある。なのでその場にいるコボルトを倒したところで全滅することはない。

 また一つの群れを見つけたら大抵二、三は近くに他の群れがあるものだ。スライムほど気を遣わなくてもいいのである。


 スピカをコボルトの群れの近くに残し、私はスライムのところへと走る。全滅させないよう、低級魔法でせっせと倒していく。


 近くの冒険者に配慮しつつ、スライムの皮と魔石を拾い上げていくのだった。

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