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検証

 翌日ーー


 よし! 

 魔力満タン!

 気合十分!

 そしてぇ……教科書もOK!


 今日も魔術の練習だぁ!


 ……うん。


 まずは昨日の仮説の検証から。

 魔力は……、特に減っている感じはしない。

 まあ、土をちょっと出すだけの魔力程度は、簡単に回復するのだろう。


 もしくは、寝ると回復が早くなるのか。

 まぁ、某RPGでも、宿屋で寝たらHPもMPも満タンになるしな。

 そういうものなのだろう、きっと。

 

 魔力回復量に関しての結論ーーまだよくわからん。


 次は、魔術による魔力の流れの違いについて。

 これは、【灯火(ライト)】を使って、その流れを観察すればいい。


 火術の教科書を開く。

 灯火は、下級なので前の方のページにあった。

 ついでに、珍しく魔法陣もあった。


 魔法陣はほっといて。

 さっさと使おう。

 ……ああ、燃えそうなものはどけとかないと。


「《大いなる火よ 我が喚び声に応えよ 今此処に 導きの光を与えよ》【灯火(ライト)】」


 やはり緋色の煙が噴き出して、渦を巻き、形を作る。


「やっぱり」

 煙の量は異なるが、形はクリストフの時と同じだった。


 というか、クリストフは詠唱短縮してたのか。

 案外腕は良かったようだ。


 形を忘れないうちに紙にスケッチしておく。

 絵心は全くないが、なんとなくわかればいいのだ。なんとなく。

 紙とペンは、レイチェルに、お絵描きしたいとかそんなことを言ったらくれた。

 こんなにポンとくれるのだから、この世界の紙はあまり高価ではないのだろう。


「ん?」

 何か違和感を感じたが……。気のせいか。


 煙の量が違うのは、クリストフの方が基礎魔力量が多いからだろう。

 まさか1歳児より少ないとは言うまい。


 そして、煙の色は属性を表しているのではないか。

 今確認できているうちだと、火は赤色、土は茶色、と言う感じだ。

 この感じだと、水は青色、風は緑色だったりしそうだ。


 やはり、魔力の流れは魔術によって違うようだ。

 魔術がそれぞれ違うかたちになるのは、魔力の流れが違うからだろう。

 

 つまり、詠唱が魔力の流れを指定しているのではないか。

 この分だと、詠唱にも法則がありそうだが……。


 まあ、最後にそれぞれの術の名前を言っているのが共通しているのは簡単にわかる。


 あとは、二節目の《我が喚び声に応えよ》と三節目の《今此処に》も同じか。

 ああ、一節目の《大いなる○○よ》も○○に属性ぶっ込んでるだけか。


 ただ、この三つは下級のみだ。それより上の等級では見られない。


 下級との大きな違いがあるのだろう、きっと。

 使う魔力の量とか。


 つまり、術の違いは一節目に入る属性と、四節目で決まるようだ。


 四節目は、それぞれの術で全く異なる。


 では、二節目と三節目の役割ってなんだ?

 全部同じならいらないと思うが……。


 そこだけ抜いて詠唱してみるか。

 まずは二節目だけ抜く。

「《大いなる火よ 今此処に 導きの光をもたらせ》【灯火(ライト)】」

 

 発動しない。

 何か魔力が変化した感じはするが、煙も出てこなかった。


 次は三節目だ。

「《大いなる火よ 我が喚び声に応えよ 導きの光をもたらせ》【灯火(ライト)】」

 

 緋色の煙が放出されはしたが、すぐに霧散してしまい、やはり発動しない。


 先ほどとの違いは煙、つまり魔力が放出されたことだが……。

 《我が喚び声に応えよ》を入れた時は魔力が放出される……。


 二節目の役割は、魔力の放出か?


 まぁ、呪文の中身ともそれほど矛盾はない。


(魔力よ)我が喚び声に応え(放出されよ)


 とかそんな感じだろうか。

 呪文の中身と、その効果は大体一致するようだ。


 では《今此処に》は、時間指定と、座標指定か?

 

 そこを抜いて発動しなかったのは、発動する場所、時間がわからなかったからか。


 なんか、あれだな。プログラミングみたいだ。


  ……やったことないけど。


 この考えでいくと、一節目は属性指定か。


 四節目がわからないが……。


 これまでは、属性、時間、座標と設定が続いた。


 ……あれがないな。


 形が。


 一番違いの大きいやつが。


 確かに、四節目を詠唱したところで魔力の流れの形が、大体決まっていた気がする。

 魔力の流れの形ってことは、効果ってことだろうか。


 そういうことにしておこう。


 最後。術名の役割。


取り敢えず、言わなかったらどうなるか調べる。


「《大いなる火よ 我が喚び声に応えよ 今此処に 導きの光をもたらせ》」

 

 赤い煙が出て、形を作るが、発動しない。しかし、先ほどのように霧散もしない。

 ずっとそこに留まっている。

 

 どういうことだ?


「【灯火(ライト)】」

 そう唱えると、煙が収縮し、火が灯った。


 なるほど、発動の合図みたいなものか。

 それか、設定の終了を示すか。


 あ。


 いいこと思いついた。

「《大いなる火よ 我が喚び声に応えよ 今此処に 導きの光をもたらせ》《大いなる土よ 我が喚び声に応えよ 今此処に 豊穣の土をもたらせ》」


 茶と赤、二つの魔力の塊が浮いている。


「【灯火(ライト)】【(ソイル)】」

 

 火が灯り、土が生まれた。


 やったできたーー


 ゴチン!


 いって!

 魔力切れか……。

 天井が見える。

 今日は三回か……。いや、五回か? 不発も含めると。


 成長してるな。


「おうぇっ」

 気持ち悪い……。

 

 それにしても、成長がはっきりと分かるのはいいな。

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