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研究内容

明日も更新する予定です。

「予算出ないとかマジかよ……」

 俺は1人、研究会の活動場所となった空き教室で頭を抱えていた。


 昨日顧問のゲオルグから聞かされたのだが、今期に関しては予算が降りてこないらしい。

 何でも、予算は昨年度末にすでに組み終わっていたらしく、新規に発足した研究会の予算はないのだとか。

 聞いた時は何だそりゃと思ったものだ。金もないのにどうやって成果を上げろと? どうやって来期の予算をもぎ取れと?

 

 つまり、来期の予算が欲しけりゃ自腹で研究して成果上げろよ、と言うことなのだろう。これでは本末転倒だ。

 金がないから研究会を作ったのに、金が欲しけりゃ自腹を切れだなんて。

 まあ別に成果を上げるだけならば、特に金は必要ない。昔に作った魔法陣を成果として提出すれば良い。魔石1つと紙の代金があればできる。

 でも、俺がやりたいのはそういうのじゃない。当分の成果物は確かにそれを小出しにして済ませる予定だが、成果物に金をかけない分、個人的なものに金をかけたい。


 つまりは横領である。

 

 他に会員がいないのだから、会の予算は俺のもの! それを勝手に使って何が悪い! と言うわけだ。

 どうせ金の使い道なんて調べないだろうし、仮にされたとしても何ら問題はない。一応魔法陣関連のもの──魔導書の改良に金を使っているのだから! 

 研究会を作って何がしたかったかって、これがしたかったのだ。

 魔導書の改良には金がかかる。というか、金をかける予定だ。魔物素材から魔銀(ミスリル)などの魔法金属まで、色々な材料を試してみたい。


 ま、とりあえずは今期の提出分だけ完成させてしまおう。

 とりあえずは下級の陣でいいだろう。上級は危険すぎるし、何より次の発表のハードルが上がってしまう。まあインパクトは小さいが、下級の方が色々なことに使えて便利なのでそれなりに評価されるだろう。

 下級で世間的には発見されていないのは……。


発火(イグニション)】にしよう。魔法陣は今のところ存在しないし、火打石代わりになって便利だ。商品化も狙えるかもしれない。


 グヘヘっ、金儲けの予感……。


 早速描き始めるとしよう。

 鞄から魔石と紙を取り出す。これは自腹だ。別に買ったわけではなく、村の家に置いてあったやつの残り。大体の魔石は売ってしまったが、レイチェルに頼んで少し残しておいてもらったのだ。

 

 ペラリ。


 魔導書の【発火(イグニション)】の陣が描かれたページを見ながら、紙に魔法陣を描き写す。

 5分も経たずに写し終えることができた。だが、このまま発表するわけではない。色々と細工をして、簡単に解析ができないようにするのだ。

 そうしないと、既存の魔法陣との共通点とかから魔法陣の仕組みを発見してしまう人が出てきてしまう可能性がある。俺がこの後も魔法陣を発表し続ける以上、対策は必須だろう。

 俺が魔法陣関係において絶対的優位を保つために必要な措置だ。


 陣の効果に全く影響を及ぼさない、適当な図形を付け加えていく。


 結果、見た目は複雑になり、元々の陣の形を推測するのはかなり難しくなった。

 こんなところでいいだろうか。

 

 あとは、これを応用して魔法陣の利便性を示したいところだ。一応、火打石の代わりになるようなものを予定してはいるが、その設計は全く決まっていない。魔導具的なものを作るのは初めてなので勝手がよくわからん。


 ごぉーん。


 遠くから時報の鐘の音がうっすらと聞こえた。窓の外は、夕陽に照らされオレンジに染まっている。

「もうこんな時間か……」

 帰るのがあまり遅いとレイチェルが心配するので、今日はここらで帰るとしよう。明日はバイトなので研究会は出来ないが、設計に関しては家でちょっと考えておくことにする。


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