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第十九話 まさかの担任


 入学式が終わって、俺達は教室に向かった。

 俺とアクア、さらにナックルも同じくA組だったらしく、三人で教室に入った。

 残念ながら席は決まっていたが前の席にアクアの名前があったのでラッキーだった。


 A組は全員で十七人。

 金髪のイケメン、狼人族、目を包帯で巻いている女の子などパッと見ただけで個性豊かなクラスメイト達だった。


 俺は自分の実力に自信を持っているけど、アクアを含めて何人かとはガチで戦っても分からないな。


 楽しみだ。


「はいはーい、皆さん席に着いてくださーいっ!」


 ガラガラっ、と勢い良く扉が開かれた。


 先生が来た様だが、なんだろう。

 凄く聞いた事がある声な気がする。

 長くて真っ赤な髪がサラサラと靡いてる。

 

「えーっと、新しく赴任して来た担任のスカーレット・タキオスですっ! みんなよろしく〜ねっ!」


 …………っ、母さん!!!


「やっほー、ラストちゃん! お母さん、寂しくて担任になりに来ちゃった!」


 俺に向かってブンブンと手を振ってる。

 恥ずかしくて目線を逸らす。


「……あの方がラストさんのお母様ですか? 凄くその、愉快な方なんですね」

「ははは、そうでしょ……」


 もう、恥ずかしい。

 クラス中の目線も俺に集まってるし、何だアイツ的な目線がほとんどだ。


「それじゃあ、みんなに自己紹介してもらおうかな! まずはラストちゃんから! はいっ!」


 確かに学校が始まったら自己紹介するのが普通、か?

 どの道、母さんがやると決めたらそれを止めるのは無理だし、従おう。

 席から立つと教室中の視線が集まった。


「えーっと、ラスト・タキオスです。よろしく……」

「はーいっ! 拍手ーっ!」


 ぱちぱち、と疎らな拍手が鳴る。

 我ながら他に喋ることは無かったのか、と自問自答するが、どうせ闇属性って事は知れ渡ってるし、わざわざ俺が言う必要も無いだろう。

 可能なら平凡な日常をーーーー。


「ちなみにラストちゃんはこの学園で一番強いから、みんなラストちゃんを倒す気で努力してね〜っ!」


 ーーーーあ、終わった。


 一部の疑問的な視線が殺意の篭った視線に変わる。

 そりゃあ闇属性の俺が一番、なんて事を言われてイラつかない奴は少ないだろう。

 まあ、アクアはむしろニコニコして嬉しそうにしているし、ナックルは面白そうにニヤニヤしているが。

 とりあえずナックルはぶん殴ってやりたい面をしていたので後で殴る。


「それじゃあ次はラストちゃんと仲が良さそうな、一つ前の席の女の子ね!」

「あ、はいっ!」


 次はアクアか。

 いきなり自分の番が来たので驚いて、椅子を倒しそうな勢いで立ってしまった。

 その際に大きな音が鳴ってしまい、その音で自分がビクッとなっていた。


「アクア・リーズバルドです。まだまだ未熟な身なので、皆さんと研鑽し、高め合える様に頑張ります。皆さん、仲良くしてくださいね」


 ぱちぱちとさっきよりも強い拍手が鳴る。

 流石はアクア、人気者だ。


 その後も自己紹介が続き、ある程度のクラスメイトの名前と属性は把握出来た。中には属性を喋らない奴もいたが、いずれは分かるだろう。


「それじゃあ、今日の授業は終わり! みんな寮に荷物が届いているだろうし、今日の残り時間は荷解きをしなさい! それでは解散、また明日ね!」


 それだけ言い残して母さんはさっさと教室から出て行ってしまった。話を聞きたかったけど、あの勢いの母さんは捕まえきれないからなー。


 素直に荷物の荷解きをするか。


 そう思った矢先、大事な事を忘れていたのを思い出した。


「あれ、そういや俺ってどこの部屋だっけ……?」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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