第十六話 旅立ち
題名変更
英雄学園の暗黒使い
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英雄学園の闇属性
これからもよろしくお願いします。
あれから俺はアクアと文通をする様になった。
と言っても、英雄学園に通えば毎日会える事になるんだが。
そう。あの試験から二週間後に合格通知証が家に送られて来たのだ。
「ラストお兄様の彼女も合格したの!?」
「よかったね〜っ!」
「いや、彼女じゃ無いってば」
「「嘘だ〜っ!」」
俺が女の子と文通していると知って、幼い双子の姉妹は今日もきゃっきゃっと楽しそうだ。
すでにアクアが合格した事も文通で知っているから、二人で学園に行ける事になって少しワクワクしている。
そして、今日が出発の日だ。
英雄学園は全寮制だからしばらくは帰って来れない。最後に家族達と別れを済ませる。
仕事で家を空けている爺ちゃんと、学園にいるライオス兄さん以外はみんな見送りに参加してくれた。
「ラストお兄様、やっぱり行っちゃうの?」
「寂しいよ……っ!」
リリとララは涙目になりながら、俺の裾を掴んで離さない。気持ちは嬉しいが、流石に今更辞めるとはいえない。
困っていると母さんとクレア姉さんがリリとララを抱き上げて、離してくれた。
「ラスト、何かあればお姉ちゃんを頼りなさい」
「クレア姉さん……」
「私が使える権限の全てを使って成し遂げてあげますからね」
笑顔で言うクレア姉さん。
でもこの人、平気で俺のために自分の騎士団を使うよなぁ……。修行の時も何度も騎士団の人と稽古させられたし。
まあ、騎士団のお姉さん方には仲良くしてもらったけど。
「ラスト」
母さんが俺の頭を優しく撫でる。
何だか、来たばかりの頃を思い出して妙にくすぐったい。
「本当に大きくなっちゃって」
「そんなに身長は変わってないと思うけど……?」
「ふふ。精神的な方よ」
まあ、確かにここに来た時から俺はかなり変わった。
それは爺ちゃん達の修行のおかげもあるけど、母さんが豊かな愛情表現で目一杯愛してくれたおかげだ。
本当に感謝しても感謝し切れない。
「……ラスト」
すると母さんは優しく、包み込む様に俺を抱いた。
「貴方は私の息子よ」
「っ、母さん……」
母さんは満足したのか、俺の額に優しいキスをして離れた。
最後に父さんが
「ラスト。僕は多くは言わないよ」
「うん」
「でもここは君の家だから、いつでも帰って来なさい」
本当にそれだけだ。
それだけのことなのに泣きそうになる。
ここが俺の家なんだと、帰って来てもいいよと言われた。
それがとても嬉しくて、俺は安心してここを旅立てる。
「いってきます!!」
精一杯の大声でみんなに別れを告げて、俺は学園に出発した。
本日、17時にもう一話投稿します。
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