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第二十一話 攻撃力低下妨害

 ディバインアローの剣を手に入れた次の日。

 朝起きると……俺は、ジーナの作業部屋兼打ち合わせ用の部屋に向かった。


「おはようございます、ジェイドさん」


 いつもなら、夜まで作業してもらっている分、この時間ジーナは起きていないのだが……今日は、ジーナは既にこの部屋に来て俺を待っていた。


「今日はどんな魔道具を作ればいいのでしょう?」


「これを頼みます」


 そんなジーナに、俺はアースクェイクの魔石と、今まで見せたことのない魔法陣の絵を一つ渡した。


「……これ一個だけですか?」


「はい。今日はファントム狩りはしないんで」


 渡された魔石がいつもより少ないことに戸惑っているジーナに、俺はそう答えた。


 今日からは……ちょっと趣向を変えて、別の方法でスキルポイント集めをしていこうと思っているからな。

 もう「チェンジ」や、その配線が間違った魔道具を作ってもらう必要はないのだ。

 そのかわり今日は、当面使わないがあらかじめ用意しておいてもらうといつか役に立つであろう魔道具を、作ってもらうことにした。


 ちなみにどんな魔道具かというと、「国士無双」とはまた別のとある奥義を使う際、核として必須になる魔道具だ。

 奥義そのものが、一生に数回しか使えないレベルの使い勝手なので、当面使用する予定はないが……準備をしておいて損はないので、今の内に魔道具だけ作り置きしておいてもらおうというわけである。


「期限とかは特にないんで、正確さ重視でのんびりやってください」


「はい、ありがとうございます。……つくづく、こんな素晴らしい環境の職場は初めてです」


 改めて笑顔を見せるジーナを残し、俺は宿を後にした。



 ま、魔道具のことは一旦置いておくとして……今日は色々とやりたいことがあるからな。

 そのためにも……まずはいつも通り、西の森を突っ切ったところにある山に行くとしよう。



 ◇



 山の麓に着いた俺は、早速準備に取りかかることにした。

 まずは、結局使わなかった137560のスキルポイントを用いてのスキル獲得だ。


 魔物との戦闘において一番重要なスキルは、戦術の幅に大きく関わってくる妨害系スキルだ。

 特に相手となる魔物が強くなればなるほど、いかに状況に適した強力な妨害をかけられるかが、戦況を大きく左右することになる。

 それでも今までは、最低限ある程度は力がないと話しにならないということで、まずは「身体強化」や「武術」といった部分を中心に強化してきた。


 だが、もうそれも一旦は十分といえる水準になった。

 というわけでこれからは、妨害系スキルを中心に育てていこうと思う。


 まず取得するのは、このスキルだ。


「スキルコード4556:『フォースリダクション』取得」


 俺が最初に取得したのは「フォースリダクション」という、敵の攻撃力をダウンさせるスキル。

 これを優先的に取得することにしたのには、もちろん理由がある。


 それは……この妨害が、ノービスにとって非常に相性がいいという理由だ。

 はっきり言って、妨害の種類でいえば、停止や毒、鈍足など、もっと利便性の高いものはたくさんある。


 だが……攻撃力低下には、ただ単にこちらが受けるダメージを減らすというのみならず、もっと重要な意味がある。

 それは、このスキルを使うことで、無双ゲージが溜めやすくなるというものだ。


 というのも、吹っ飛ばされた距離など他の条件が同じ場合、NSOでの無双ゲージの溜まり判定はこちらが受けたダメージではなく相手が放ったダメージをもとに算出されるようになっていた。

 妨害がかかる前の攻撃力をもとに、こちらの無双ゲージの溜まり具合が決まるのだ。

 つまり、攻撃力低下スキルを取得するということは、少ないダメージで一気に無双ゲージを溜められるということに繋がっていた。


 こうなると、「国士無双」の発動頻度そのものを大きく増やせるようになるので、戦いの楽さは見違えるほど変わってくる。

 俺はそれが狙いで、まずこのスキルを取得することにしたのである。


 とはいえ、+値も無いフォースリダクションなど、低下割合も妨害持続時間も微々たるもので使い物にならないので……ここからしっかり強化してやる必要がある。


「スキルコード4556:『フォースリダクション』強化×30」


 というわけで、「フォースリダクション」の+値は30まで上げておいた。

 初期状態だと射程50㎝、一回発動あたりの効果持続時間0.5秒、攻撃力2%カット程度だったのだが……これで射程は16m、効果時間は15.5秒、攻撃力は90%カットだ。

 ここからは+1あたりの効果上昇率が一気に減少してスキルポイント投入効率が悪くなるので、しばらくはこの+値でいいだろう。


「あとは……」


 ちなみに今ので、消費スキルポイントは79500。

 あと使える分は58060だ。


「スキルコード0012:『基礎MP強化』取得、強化×25」


 俺は残りスキルポイントで、自分のMPを底上げするパッシブスキルを入手した。


 今までも、「結界」や「三日月刃」など、MPを消費してスキルを使う機会が無かったわけではなかったのだが……その程度の消費量であれば別にMPの底上げは必要なかったので、このスキルは入手してこなかった。

 だが今後の戦闘では、毎回のように妨害スキルを使うことを思えば、MP消費量は格段に増大する。

 それを見越して、そろそろこれを取っておこうというわけだ。


 これでスキルポイントは56550消費、残り1510ポイントとなったので、今のところのスキルの取得・強化はここでおしまいだ。



 実は……今までの探索で、この山にはスキルポイントをガッポリ稼ぐのにちょうどいい敵が群れている場所があるのを発見していたからな。

 そこを攻略するに足る実力も身につけたことだし、早速行ってみるとしよう。

皆さん応援ポイントを入れてくださって、本当にありがとうございます。

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[一言] 空いた時間に彼女は 自分の作品作れるのかな? そうなると衣食住揃って 珍しい作業も楽しめつつ 最高の職場 問題はいつまで続くかだけど
[気になる点] 書く人も大変だな そもそも、現実世界に魔法など無いのにオ-ダ-メイドの武器だからとかグチグチ言う人いたり そんなこと言いだしたら既製品も使えるかって思うよね アバウトで大体でいいのにタ…
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