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第百十四話 《神・国士無双》の試用

 俺は鏡の目の前に移動した。

 まずは《神・国士無双》がどんな見た目なのか知りたいと思ったからだ。


 《国士無双》は黄金のオーラ、《絶・国士無双》は特にオーラ無しだが、《神・国士無双》の場合はオーラの有無はどちらなのか。

 有るとしたら、何色なのだろうか。


「《神・国士無双》」


 発動してみると――俺の全身から、白銀のオーラが噴き出した。

 ほう、そう来たか。

 黄金と白銀と、どっちがより神々しいかと言われると賛否が分かれそうな気もするが……まあこれはこれで悪くないな。

 中断ってどうやるんだろ。


「中断」


 試しに口に出して言ってみると、それで白銀のオーラは消え去り、無双結晶の輝きの目減りも止まった。

 なるほど、これでいいのか。

 しかしこれ、「瞬間的に《国士無双》状態で技を繰り出して敵を秒殺し、ゲージを温存する」という運用をしようと思ったら、いちいち唱えないといけないのは結構面倒だな。

 今のままでは、いちいち敵と対峙するたびに「《神・国士無双三日月刃中断》」みたいな、もはや早口言葉としか思えないような謎の詠唱をしないといけなくなってしまう。

 《三日月刃》のところで噛んで、肝心の攻撃をしないまま無駄に《国士無双》の発動と中断だけしちゃうみたいなことが起きたら最悪だ。

 ここはひとつ、例のアップグレードを取得しておくといいかもな。


「アップグレードコード2536 《無詠唱――三日月刃》、9001《無詠唱――国士無双》取得」


 そう、無詠唱だ。

 この二つのスキルだけでも無言で発動できるようにしておけば、早口言葉は言わなくて済む。

 NSOでは《国士無双》の無詠唱を取得しておけば《絶・国士無双》も無詠唱で発動できたので、同じく派生技である《神・国士無双》についてもこれで無詠唱発動可能になったはずだ。


(《神・国士無双》)

(中断)


 試しに無詠唱での発動を試みてみると、確かに白銀のオーラが出て、それから収まった。

 バッチリだな。

 あ、そうだ。無詠唱絡みでもう一つ。

 せっかくだし《鑑定》もやれるようにしておくか。


「アップグレードコード1234 《無詠唱――鑑定》取得」


 これで明日、「神威作戦群」の人たちに気付かれることなく《鑑定》をかけることができるな。

 そういえば――《神・国士無双》って、切り替えは可能なんだろうか。


「《神・国士無双》」

「《国士無双切替》」

「《国士無双切替》」

「《国士無双切替》」


 試してみると、「《神・国士無双》→《国士無双》→《絶・国士無双》→《神・国士無双》」の順で一巡した。

 どうやら切り替えのサイクルには《神・国士無双》も含まれているようだ。

 とすると、隠密行動が必要な場面で《絶・国士無双》を発動した後、事が済んでから《神・国士無双》に切り替えて中断、みたいにすれば、従来の形態も中断が可能なわけか。

 これもこれで使いどころはあるかもしれないな。


 あと他に検証しておきたいことは……無双ゲージが減るスピードくらいか。

 例えば派生技の一つである《絶・国士無双》は、《国士無双》の7割の時間でゲージを使い切ってしまう。

 《神・国士無双》も、もしかしたらゲージ消費のスピードに違いがある可能性があるだろう。


 あ、でも、鑑定内容の「違いは三点」に含まれてなかったから、違いは無い可能性が高いかもな。

 まあでも一応、検証しとくか。


 一旦街の外に出かけると、俺は適当な魔物を相手に、無双ゲージを結晶分も含めて満タンにした。

 そして宿に戻ってくると、俺は振り子時計があるところに移動した。


「《国士無双》」


 まずは無双結晶を使い切るまで、通常の《国士無双》の時間を計測する。


「《神・国士無双》」


 そして次に、ゲージを使い切るまで《神・国士無双》を発動しっぱなしにした。

 結果は――案の定、発動時間に差は無し。

 これで全ての疑問点は解決だな。


 さて、検証のために無双ゲージがすっからかんになってしまったので、ゲージをため直して明日に備えるか。

 俺はもう一度街の外に繰り出し、ゲージと結晶を満タンにしてきた。


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