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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
三章

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92 サリアと弟子たち

前回のおはなし:弓を試作したので、ロゼッタたちと訓練場で試射しに来た。


「ここは俺に任せて先に行けと~」の3巻が発売になりました。

「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売中です!

 ここは訓練場なので、端には射撃用の的なども用意されている。

 試射には最適なのだ。


「立派な弓ですわね」

「見事な弓です」

 ティーナとアルティも弓を見て感心してくれている。

 みんなに褒められると、少しだけ照れてしまう。


 俺たちは訓練場の端に移動する。


「じゃあ、いくね」

「うん、お願い」


 ロゼッタは矢をつがえて、ゆっくりと引き絞って、放った。

 放たれた矢は、いい音をたてて的の中心に突き刺さる。


「さすが、ロゼッタね!」

「いい腕です」

「いや、ウィルの弓がいいんだよ」

 ロゼッタは謙遜するが、どんなにいい弓だろうと腕が悪ければ意味はない。

 命中させたのはロゼッタの腕である。


「ロゼッタ、どう――」

 使い心地を聞こうと思ったのだが、既にロゼッタは次の矢をつがえていた。

 そして連続で矢を放つ。ものすごく速い連射だ。

 三秒に一発のペースで矢を放つ。

 その速さで射ているのに、全て的には当たっている。

 さすがに全矢が的の中心に当たるわけではないが、大したものだ。


 三十本ほど矢を射た後、ロゼッタは笑顔でこちらを振り返った。


「凄くいい弓だね! うん、凄くいいよ!」

「ありがとう。こうした方がいって箇所はある?」

「申し分ないよ!」

「じゃあ、それあげるから、しばらくそれを使っておいてくれたら嬉しいな」

「本当にいいの?」

「もちろん。使っているうちに何か気付いたことがあれば教えて。今後に生かしたいし」


 実戦で使ってもらってはじめてわかる不満点などもあるだろう。

 だから、俺は使ってもらうことにした。

 ロゼッタはものすごく感謝してくれた。

 ロゼッタに使ってもらうことで、俺の弓制作技術も向上するに違いない。

 こちらこそ感謝したいぐらいだ。




 それから、俺はサリアと神獣を連れて総長室へと向かう。

 武器の素材をもらうためだ。

 サリアを連れて行くのは、弟子たちに妹を一度合わせておくべきだと思ったからだ。


 総長室の扉の前に立つと、ノックする前に中から声がした。

「入りなさい」

「失礼します」


 俺たちが中に入ると、ゼノビアが急いで走ってくる。


「この方がサリアちゃんですね」

「そうそう。紹介しておこうと思って」

「ありがとうございます」


 ゼノビアを前にしても、サリアはまったく物怖じしない。


「おねえちゃんだれー?」

「おねえちゃん!」


 お姉ちゃんと呼ばれて、ゼノビアは感動しているように見えた。

 若く見られて嬉しいのかもしれない。

 エルフだから老いないのだから、若く見られるのは当然だと思うのだが。


「さりあはさりあだよー」

「私はウィルのお友達のゼノビアですよ、よろしくね」

「あにちゃのともだち! ぜのびあねーちゃん、よろしくね!」


 それからゼノビアはシロに頭突きを食らいながら、ほかの弟子たちに連絡を取った。

 すぐにミルト、レジーナ、ディオンがやってくる。


 俺はミルトたちにもサリアを紹介した。

 弟子たちとサリアが、それぞれ自己紹介を済ませる。

 弟子たちは、俺が師匠だと言うことは明かさず、友達であると自己紹介してくれた。

 サリアは特に怪しいとは思わなかったようだ。


「うわー、おっきい!」

 サリアはディオンに興味を持った。


「はい、私は大きいのです」

「だっこ、だっこしてー」

「もちろん構いませんよ」

「ありがとー」


 ディオンはサリアを抱き上げた後、

「肩車しましょうか?」

「かたぐるま! やったー」

 サリアを肩車する。


「すごくたかい!」

「めええべええ」


 肩車されているサリアをシロがうらやましそうに下から見ている。

 シロはディオンの足に頭突きしていた。自分も登りたいとアピールしているのだろう。


「シロは後で抱っこしてあげますね」

「めえ」

「ウィル。竜人族以外の小さい子に怖がられないのは久しぶりです」

「ディオンは身体が大きいものな」


 ディオンの身長は二・五メートルあり、立派な尻尾もある。

 怖がる子供も多いのだろう。


「きゃっきゃ! たかいたかい!」

「ふふ、嬉しいものですね」

「それはよかった」


 ディオンは嬉しそうに、大きな尻尾をゆっくりと揺らしていた。

 それからディオンはシロを抱えて頭の上に乗せた。

 サリアもシロも大喜びだ。


「でぃおんちゃん、でぃおんちゃん!」

「どうしました?」

「あれみたいー」「めええ」

「ああ、あの彫刻ですね。あれは壊れやすいので触ったらダメですよ」

「わかったー」「めえ」


 ディオンはサリアを肩車し、シロを頭の上に乗せて、ゼノビアの部屋を歩き回る。

 その間に長椅子に座って俺とゼノビアたちはお話しする。


「今日はサリアを皆に会わせたかったというのもあるのだけど……」

「ほかにも用があるのか? 何でも言ってくれ」

 サリアがいるので、敬語を使わないでくれている。


「ゼノビアありがとう」

「ウィルのことだから、武器の素材とかでしょ?」

 レジーナはとても鋭い。


「うん。武器の素材が欲しくて……。弓の弦に適した素材があれば助かるのだけど」

「弓の弦かー。それならいいものがあるよ!」


 レジーナがどや顔でそう言った。

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