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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
二章

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72 試練のダンジョン その6

前回のおはなし:ジャイアントバットを倒した。


ついに「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売になりました!

「ここは俺に任せて先に行けと~」の2巻も発売中です!

 俺はこれ幸いと、アルティに話しかける。


「アルティ、ありがとう」


 アルティは淡々と言う。

「魔石の取り出しは終わりました。後の処理はお任せしてよろしいですか?」

「ありがとう。ロゼッタの回復が終わったら、すぐに処理しよう」


 そして、俺はロゼッタに向き合う。


「さて、次はロゼッタに解毒(アンチドーテ)病治癒(キュア・ディジーズ)、それに治癒(ヒール)をかける必要がある」

「あ、あたし、病気なの?」

「一応、念のためだ。今すぐどうこうってことではない」


 俺はぼやかして伝えたが、

「ロゼッタ。恐らくは十中八九病気に感染しています。発症するかは別ですが」

 アルティが正直に告げる。

「えぇ……。本当に?」


 ロゼッタが怯えの表情を浮かべた。尻尾が委縮している気がする。


「大丈夫ですわ。ウィルさまがいますもの」

「そう、そのための病治癒の魔法だ」


 そう言ってもロゼッタはまだ不安そうだ。


「でも、毒も病気も種類を特定して、種類に応じた魔法をかけないとだめなんじゃなかった?」

「そうだ」

「そして、毒も病気も種類を特定するのは凄く難しいって授業で習ったけど……」

「それもロゼッタの言うとおりだ」


 どうやら勇者の学院では基礎的なところから教えるらしい。

 とても良いことだ。

 非魔法使いであっても、魔法の基礎的な知識は必須と言える。


 何の病気か、何の毒かによって、魔法のかけ方が違う。

 だから、本来はどの病気か、どの毒かを調べる必要がある。


「だが、安心してくれ。大飛鼠(ジャイアントバット)が媒介する病気も毒もわかっているから」

「ウィルが居てくれて助かったよ。ウィルは魔法がうまいだけじゃなく知識もあるんだね」

「必要な知識だから。冒険を続ければ自然とそういう知識は増えていくからね」

「あれ? ウィルも冒険は初心者じゃないの?」


 俺がエデルファスの転生体だと知っているのは、この場ではアルティだけだ。

 ロゼッタとティーナは俺を魔法と戦闘が得意な八歳児だと思っている。


「実は小さいころから、一人でこっそり森で狩りとかしていたから」

「よく保護者が許してくれたね」


 俺は軽くヴォルムス本家での扱いなどを語っておく。


「サリアにお腹いっぱい食べさせたいから、鳥を捕まえたり、山菜を採ったりしてたんだよ」

「……苦労してたんだね」

 ロゼッタが優しい目を向けてくる。


「聞いたら大変そうに思えるだろうが、実際にはそうでもないよ」


 そして俺はあえて声を明るくして言う。

「ま、必要があれば覚えるってことさ」

「つまり、治癒術師としては魔物の生態に関する知識も必要ということなのね!」

 ティーナが感心した様子で言った。


「知識があればそれだけ有利になる。だが知らない魔物と遭遇する場合も多い」

「そういう場合はどうすればよいのかしら?」


 ダンジョンアタック中に、毒や病気の種類を細かに調べる時間はない。

 だから、毒や病気の作用を調べて、対症療法的に魔法をかけるのだ。


「ウィルさまがわたくしと出会った時にやってくれたことよね?」

「そう。だけど、毒はともかく病気はとても難しい」


 病気は症状が出るまで時間がかかる。数か月、数年症状が出ないこともある。

 俺はロゼッタに三種の魔法を同時にかけながら説明する。


「だから、経過観察も大事だし、返り血を浴びないこと、傷を負わないことも大切だ」

「なるほど。勉強になるよ。それにしても傷がみるみるうちにふさがるね。流石ウィル!」


 ロゼッタは嬉しそうに尻尾を動かす。


「ありがとう、ウィル。すごく助かったよ」

「気にしないでくれ」


 そんなことを話していると、ティーナが言う。


「ウィルさま。その魔法は? まさか三種同時行使されているのですか?」

「うん。時間がもったいないから」

「二種だけでも難しいし、回復魔法は特に難しいのに……」


 回復魔法は特に干渉しやすいのだ。

 二人の治癒術師が同一対象に回復魔法をかけるだけで干渉し大変なことになりかねない。

 同一術師が、同一対象に回復魔法をかけて干渉させないのは至難の業だ。


「俺の教えた訓練を続ければ、ティーナもそのうちできるようになるよ」

「ほんとうでしょうか?」

「本当だよ」

 俺がそう言うと、ティーナは少し嬉しそうだった。


「そうだ。ロゼッタの弓が壊れてしまったね。替えの武器を渡しておこう」

「ありがとう。でも短剣があるから……」


 ロゼッタは遠慮する。

 もしかしたら試練、特に敵を倒す系の試練が終わったと考えているのかもしれない。

 その油断は非常にまずい。


「ロゼッタ。まだ敵が出てくる可能性は高いよ?」

「それはそうだけど、壊れたの弓だよ?」


 ロゼッタはこれ以上敵が出てこないと思ったわけではないようだ。

 俺が弓の替えを持っていないと思ったのだろう。


「ロゼッタが考えている通り、弓は持っていないけど作ることはできるよ」

「え? 作るの?」

「まあ、見ていて」


 そして、俺は急いでロゼッタの弓を魔力で生成した。

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