かいだん
気がつけば教室にいた。教卓には髪の長い女子がいて黒板を消していた。
日直だ、と思い出した。
彼女と私は友達だった。日直の彼女を待っていたのだ。
教室には私と彼女以外誰もいなかった。
「ねえ、帰ろう。」
彼女が黒板消しの粉をはたいてそう誘った。私は鞄を持って彼女と帰ることにした。
階段を下りる。螺旋状にぐるぐると降りていく。
七回目の踊り場に到着して気が付いた。これはおかしい、と。
隣の彼女を見るとにんまり笑っていた。
私は怖くなり、いきなり階段を駆け降りた。
すると彼女は足音も立てずに私の後をついてくる。
「逃げるの?」
私を階段から突き落とした彼女がそう言った。
目の前が真っ暗になった。
気がつけば教室にいた。教卓にはあの女がいて黒板を消していた。
ああ、夢だ、と私は思い出した。
これは夢だ。夢のリピートなのだ。
教室には私と彼女以外誰もいなかった。
「ねえ、帰ろう。」
彼女が黒板消しの粉をはたいてそう誘った。今度は、一緒に帰ってはいけないと思って断った。
血走った目を見開いた彼女が足音も立てずに私の前に近づいた。
「逃げるの?」
私の首を絞めた彼女がそう言った。
目の前が真っ暗になった。
気がつけば教室にいた。
end.
終わらない無限螺旋。