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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
ナン・マイ・ダー
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59.神社に留まろう

 俺たちはそのあと、本殿に結局入れた。

と言うのも俺たちが元々ここには霊障予防の

まじないを施してもらうために来たわけで、

そのまじないがしやすいという理由で

本殿でそれが行われたのだ。まさかここまで

やってくれるとは思ってなかったが、さっき

言った通り一般人は入れないような場所で

あるため、断るのも腰が引ける。だって俺

悪魔よ? そんな危ないこと率先してやる

訳ないじゃん。


 そしてそこで衝撃の事実を聞くこととなる。


 ……え? 神社巡りはどうしただって?

そんなの作者がギブアップしたからあれで

終わりにしたに決まってんだろうが。


「え? 今なんて?」

「おう、これに似たもんをもっかいやりたいん

 じゃが、どうにも今はできんのや」

「いやだから何て?」


「じゃからお前さんらは今日はここに泊まれ。

 そんなら、朝っぱらからできるってことや。

 どーせ部屋ならしこたま残っとるし、布団も

 残っとるやろ」


 と言う訳で俺たちは御前家で今、家族団らんで

晩御飯を食べている。もちろんそこにはさっき

ミコから紹介がなかった人たちもいたが、丁度

いいし紹介にあずかろうかと思った矢先


「えーっと、剛隆(ごうりゅう)おじいちゃんと三好(みよし)お姉ちゃん、

 それと智康(ともやす)お父さんと、あとはどうでもいいや」

「いや紹介しろよ!」


 と言い出したため、イマイチ家族構成がわからず

仕舞いに終わったしまった。ここにはミコが

言ってた10人はいない。それもここは屈指の

巫女・僧侶のエキスパートがいるため、全国

各地から依頼が来る関係で、大抵は出張であったり

忙しいそうだ。それでもナンバーワンとナンバーツー

である「剛隆僧侶(ごうりゅうそうりょ)」」と「三好巫女(みよしみこ)」はここに

居座り、まだ学生であるミコもここで滞在している

ということのようだ。が、この中にも俺たちの

儀式の手伝いを手伝った人たちがいたため

ある程度はどんな人たちかは分かった。それすら

わからなかったら俺はこの場で圧倒的に浮いて

感じていただろうな。ってなんで俺はここで

おいしく晩飯をごちそうになってるんだ……?

こういう神社みたいな昔ながらの家の雰囲気

というのは慣れないし、年配の方々のこの孫や

孫と同じ世代に対する愛情なりの意味がイマイチ

よくわからない。


 そしてミコが軽く紹介していた時に、ミコの

お父さんとニヤニヤしている様子が見受けられる。

これは多分、いつもと違う”呼び方”をしている

ことに対してだろうな。ミコ、いつもみたいに

呼んでもいいんだぞぉ? 逆にそっちの方が

可愛いし、幼女気質な体格に合ってるよぉ?


「それで明日の予定っていうのは……」

「それは私が担当するけど、そうだねぇ……

 言ってしまえば今日のはもちろん大事な

 ものではあるんだけど、もうちょっときっちり

 予防しようじゃないかと思ってね。ほら、

 通夜って二日に分かれてやるでしょ? あんな

 感じのイメージかな?」


 とは言っているが、ミコが単に「お泊り会」を

開きたいからというのが正しいだろうな。さっき

から、なんかこの子テンション高いし。


 ここは住居スペースであり、真後ろに墓地がある

場所ではあるが、俺としても驚いたのだが霊が

一人としていない。大抵、俺が墓地に行けば少なく

とも一人は霊を見るのだが、霊の”れ”の字もない。

前も言ったかもしれないが、霊がいないという

ことは「正しい手続き」がなされたということで

やはりこれをやるのも人で何かしらの原因で

何度かは当の本人は気が付かずとも、正しく

手続きされずに、霊として残ることが多い。が、

こうも見当たらないことから、やはりここの

人たちは”スペシャリスト集団”であることを

物語っている。その中にミコがいると思うと

正直信じられないが。


 もちろんのこと、晩飯を食べた後の散歩で

墓地をじっくり覗いてみてもいなかった。


 綺麗な墓地だ、霊的に。


 そして俺と義堂は飯を食べ終わると部屋に

案内された。こうも厳かな雰囲気の廊下を

案内されると、どこかの高級旅館に来たのでは

と疑いたくなるが、紛れもなくここは

ミコの家であり実のところ「泊めて」と

言えばミコのコネでいつでも行けてしまうのだ。


 が、悪魔の俺はもうしばらくここには

来たくないけどな。


「ほら、ここがあんたらの使う部屋だよ」

「おお」


 部屋の中もやはり旅館を連想させる。

と言ってもここは神社であり、通夜などで

お客さんを泊める機会も多いのだろうし、

こうやって事前にお客さん用の部屋が

あっても変ではないかもな。


「ここは一応、二人で泊まるには広いかも

 しれないけど別にいいでしょ」

「ああ、わざわざこんな部屋まで用意して

 くれてすまないな」

「いいってことよ。礼ならあの馬鹿妹にでも

 言ってやんな」


 なんだかんだ言ってこういう(あね)さんキャラの

ミコ姉は優しい。と思っているが、ここはあの

ミコの親族であるためすべてが全て信じれる

訳はない。


「しかし、こんなとこが神社にあるとは……」

「なーに、これくらいどこにでもあるさ。浴場は

 そこを出てすぐ右だからね。間違っても隣の

 女湯になんて来るんじゃねぇぞ」

「いや、いかないよ」


「それと、この部屋には誰も夜来ないから二人で

 ナニかするんじゃないぞ。”誰も来ないけど”

 それと女湯に来んなって言ったけど、男二人で

 入りに来る分には別に問題ないから……いや、

 むしろそっちのほうg」

「落ち着け」


 先に言っておくが、俺は先にミコ姉がぽろっと

口からこぼしたサークル名”チーム・原揺(バラユリ)”を

調べてある。やはり”前回も”参加しているサークルで

特定は楽勝だった。


 何に参加しているかって? 何とは言えないが

開催地は毎度おなじみ”東京ビッグサイト”とだけ

言っておこう。


 そしてサークル名から察しが付くかと思うが

このサークルが主として扱うジャンルは男女の

恋愛ものではなくその逆だ。「薔薇」と「百合」を

メインに作品を執筆しているようで、ミコ姉は

「薔薇」の方のようだな。「薔薇」「百合」って何

という人はどうぞググってください。だが俺は

おすすめはしない! よい子は絶対調べないでね!


「それとそこにカメラがあるけど別にアレ

 監視用ではないからね」

「え、カメラあんの!?」


 指さした方向に確かにカメラがあった。


「あれ別に、あんたらを見ようってものじゃなくて

 私が勝手に放置したものだからね。別にアレもう

 動かないから安心してね! あれで盗撮とか

 やらないし、できないからね!!」

「は、はぁ……」

「それじゃ、お楽しみにー」


 ガラガラっ……ピシャッ!


「ああぁ? 何をお楽しみっつっつたんだよ?」

「さぁあ? ナンだろうねえ? それと、

 とりあえず風呂には”別・々”で行くぞ」

「はぁ? なんでだよ」

「なんでもだ!」


 まさか、風呂にもカメラ設置してないだろうな……


 それに浴場があると言っていたし、そこも

なかなかのクオリティなのだろう。最近だと

沸かすのが面倒だからと湯を張ることもない

から、シャワーで済ませてしまいがちだし

丁度いい、ゆったりとするか。


 義堂を先において俺は先にお先にお湯をいただく

事にした。義堂には悪いがミコ姉が嫌な妄想を

ふくらまさないためにも、ここは部屋で待機

してもらおう。それにしても本当にここ旅館

みたいだな。部屋もきちんとしているし、さらに

浴場もあるときたものだ。いつかミコと家を

取り換えたいなぁと思うほどだ。


 浴場は俺一人だった。何より安心したのは

カメラがなかったことではあるが。あったら

あったで軽く訴訟を起こしかねないだろ。


 しかしあれだなぁ…… 体とかはまだしも

考えとかがどうにも30代らしくなってきたな

と最近になって思う。こうやって風呂に浸かって

「あぁ」と声をこぼすところとか全く高校

一年生の感じがしない。年食ったものだなぁ俺。


 ……


 だがこうもゆっくりとしていては、義堂の

入る時間が無くなってしまう。ここは妥協して

早めに上がるとしよう。次にこうも足を伸ばして

どっぷりと風呂に浸かることはいつに

なるのだろう……


 惜しみながら俺は「男」の暖簾をくぐった。

とりあえず、恒例という訳ではないがこの

セリフを言いたくなる。


「ふぅ、いい湯だったー」

「ふぅ、いいゆだったー」


 隣から同じようなセリフが聞こえた。女湯から

ちょうど俺と同じタイミングで出てきた人が

いたようだが…… こんな人、晩飯の時にいなかった。

それにこいつは……


「おいちゃん、どうちたの?」

「幼女だ!!!!!!」

「ふえ?」


 うわ、幼女だ幼女!! ミコそっくりな外見だけど

俺にはわかる。これは正真正銘の幼女だ!! ロリ

要素がミコだけかと思ってたけど、よかったよかった

ちゃんとした生粋のロリがいた!!


「あのーロリロリ何言ってんのココ? また

 黒歴史重ねたいの?」

「いや、そういうわけではないんだが」


 その幼女についてくるように女湯からミコが

出てきた。ミコも風呂の時間だったのか。


「それでそこのお嬢さんは?」

「うちのお姉ちゃんに”お嬢さん”って使って

 なかったのに何で急にそんな呼び方!?

 まぁ、それは置いといてこの子は私の妹で

 名前は”(あい)”。言ってなかったけど私たち三人

 姉妹なの。それで……その、食いつきは何?」

「いいか、


  おじさん、子供が好きなんだ。


  年を取ると分かることだから今は何も


  考えなくていいんだYO☆」

「いや、だから何」


 残念ながら俺はこう見えても30代で

おじさんの域にいる人であり、ここまで

年を食うと逆にいわゆる「ロリコン」と

呼ばれる性癖についてもなんとなく理解が

つくようになった。説明すると、さっきの

ようなミコのおじいちゃんが俺たちに

優しくしたいという気持ちに近い感覚を

感じるようになるのだ。そのため、

俺のこれは決して「ロリコン」ではない


 大事なことだからもう一度言おう

 俺は「ロリコン」ではないっ!!


「というかあれ? ギドー君は?」

「先に俺がお湯もらっただけで後で入りに

 くるよ」

「一緒に入ればよかったのに。ほら、私たち

 みたいに、ねー」

「ねー」


 うほぉ、くぁわゆすなぁwww(^q^)

……じゃなくて。義堂がまだ風呂に来ない理由を

どうしようか…… うん、テキトーに

でっちあげよう。


「義堂……背中に彫ってあるから、一緒に入るの

 ためらったんだよ」

「あ、そうなんだ。そこまで社交的な人だとは

 思わなかったけど、常識的だねそれは……」

「ぎどーくんって?」

「私の友達で今、外参りに来ているお客さん」

「ふーん」


 嘘ではあるが……それでミコに通じてしまった

ためこのままでいいか。義堂の背中に入れ墨が

ある設定になってしまったが、多分ない。

あるとしたら歴戦の傷跡ぐらいだろうな。そっちの

方がかっこよくて好きではあるが。


「というかなんで、(あい)ちゃんは晩御飯の時に

 いなかったんだよ」

「おうふ、「(あい)ちゃん」て、気色悪っ」

「黙ってろ」


 今作のヒロインでさえ”ちゃん付け”で呼んだ

事すらないのに、その妹にだけ”ちゃん付け”で

呼べばそりゃ気味悪がられる。


「私たちが晩御飯食べてるときはずっと

 昼寝していたの。今日は外で遊んでて

 疲れてたんっだってさ。それに……


  ギドー君とあわせるのはあんまり……」

「ああ、なるほど」


 義堂は優しい奴ではある。だが、声とか性格

全般はあまり情操教育上よろしくはない奴ではある。

ミコのその判断は正しいのだろうな。


 そして俺はそのあと、義堂に


「何があってもミコに背中を見せるな」


 と頭を下げた。


「あ”? ミコが裏切るのか? 俺の背中を狙っt」

「あ、いや、そうじゃなくてだな」


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