表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
空に笑えば
55/445

55.話をまとめよう

「はーい、降ろしていいよーー」

「おらよ! これでいいのか!?」

「あー、もうちょっと右かなぁ」

「あ”? 右ってどっちだよ!!?」

「えーっとね、ミギーが付いた手の方」

「おお、こっちか」


 意外と義堂、マンガ読むんだな。あとで

どんなマンガ読んでるか聞こうっと。それと

「右」で分かれよ義堂。


 というわけで俺たちは今、再び屋上にいる。

今回は夜ではなく、生徒会から言われてある

垂れ幕の回収のため”合法的”に屋上で作業を

している。今は、生徒会長が一階から俺たちの

ことを指示し、それに合わせて垂れ幕を

移動させているところなのだが、さっきから

生徒会長がメガホンで俺たちに指示を出している

というのに義堂は地声でそれに応対している。

やはり義堂の声はでかい、無駄に。


 そういえば生徒会長は俺たちが副会長の家に

マヤと一緒に向かったことを聞いて、


「いやー、てっきりマヤちゃんのことだから

 君たちのこと疑って鍵を渡しすらしないかと

 不安だったけど、ちゃんと渡してくれたから

 安心したよ」


 と言っていた。


 ま、結局、疑われたのは事実で俺たちを

”いいところ”まで追い込んだのだが、ミコの

機転の良さに助けられた。そして見事、生徒会

メンバーの誰にも気づかれることなく、鍵を

盗み出し、スペアを作り、何事もなかったかの

ように元に戻すことに成功した。


 あれから、3日が経ったがマヤを含む生徒会が

俺たちの行動を責めるような雰囲気はないこと

から、鍵が盗まれていたことはバレてはいない

ようで安心した。ただ、副会長がミコに対して

「学校の備品を壊さない」とおしかりを受けた

のは知っている。だが、これも作戦に必要な

ことで、これくらい怒られるのは仕方がないと

ミコが腹をくくって怒られに生徒会室に

向かったシーンは、目から熱いものが流れる

かと思った。ま、嘘だけど。


 そして今回のミコの活躍は讃えるべきでは

あるが、やはり巫女としてのスキルを利用した

物ではないため、おしいところで満点を

逃した。が、それでもマヤの目を欺いたり、

夜の学校で率先して動いたことを鑑みるに、

やはり賞賛されてもおかしくはない。


「それでなんでここにマヤがいんだよ」

「えー? 私いちゃダメなの?」

「うっとしいんだよてめぇ」

「それはミコやココにも言えるでしょ?

 それに屋上で何やらかすかわからないから

 見張ってなさいって言われてるのよ」

「けっ! なんもしねぇよ別に」


 屋上には俺とミコ、義堂の「異能部」と

それの監視役のマヤがいる。なんでこの役に

マヤが抜擢されたかというと、それも本人が

俺たちが”あの日のことを引きずっている”

と思ったため、こうやって何かしらの接点を

設けたかっただけらしい。それと何気なく

マヤのことを義堂はちゃんと「マヤ」と

言っていたが、いつの間に知り合ったのか

と思ったがマヤと義堂は元々同じクラスの一員で

知り合うシーンなんて俺以上にある。

義堂は学校にいないことが多く、そんな

タイミングがあったとは思えないが、マヤも

やはりそれを知っていて、義堂がいる日を

狙って知り合ったと言っていた。そこまで

不良少年と仲良くなりたいのかと聞いたら、


「”人脈はいつか、動脈となり静脈となる”

 これは私ん家の家訓……というか教えに近い

 かもしれないけど、要は人とのつながりを

 大事にすることが将来への展望につながる

 ってことで、昔っからそう言われてるな。

 なーんかそれで誰でも友達にしたいって

 思うようになったって、それだけ。

 それにミコとココのいる部活の人なら

 もっと友達になりたいもんね!」


 と返ってきたため、マヤは一気に俺の中で

「ただの物好き」というイメージになった。

というかマヤのような人間はそういう性格だ。

”画面にタッチできる携帯がほしい”と、かつて

突拍子のないセリフを吐いたことで、いきなり

有名人になった奴だっているからな。


「いやぁー、なんか、こう、昼下がりの

 屋上ってなんかいいよねー」

「せやねー」


 なんかミコとマヤがもうあの日のことを

忘れたかの如く仲良くなっている。ミコも

”そういう”ことを気にするタイプではないのは

知っているがマヤも”そういう”タイプの人間

だったのか。もうその手のキャラはこの小説に

要らないんだが……


 ひとまず、マヤとの云々はもう水に流し

鍵のあの件は”穏便”かつ”隠密”な事項と

することとなったが、まだ一つ気になる

事が一つある。


 部室にあった札についてだ。


 だがこれもしばらくしてから真相を知る

こととなった。


「あー、そいつぁ俺だ」

「え、なんでですか」


 これは屋上に行った日ではなく、別の日に

部室に行ったときに俺が何気なく聞いたときに

犯人が出てきたのだった。


 誰かというと俺たちの顧問「佐々木」だ。


「ありゃ、前に貼ったんだよ」

「そんな札を貼るなんておっかないことでも

 あったんですか?」

「ああ、生徒の中でお前らが今、頑張って解決

 しようとしてるみたいな”心霊問題”が話題に

 なったんだよ前」


 この学校でも俺が介入する前から問題らしい

問題は少なからずあったのか。


「そんで、こいつをなんとかしようってなって

 札をそこの御前神宮(みぜんじんぐう)…………って御前の家かあそこ。

 そこで、ちと強力なものを作ってもらったんだ」


 ミコが高々と手をあげていた。やはり自分の家が

話に出てくるとなればアピールしたくなるよな。


「っつっても効果があったかわからず仕舞いで

 そういう噂も流れんくなったから、学校中に

 貼ってあった札を結局、全部剥がしたんだけど

 ”ここ”だけは忘れてたみてぇだったな」


 学校中に札貼ったのか。それはそれで怖いよ。


 というわけで、札は佐々木先生が前に生徒の

ことを思い、神社でちゃんと作ってもらったもので

ガチガチの本物の札だった。誰かが冗談で

貼り付けたと言ってくれた方がまだ安心したわ。

生徒のことを考え、ここまでしなきゃならないとは

先生も大変だな。


「それでその札は解決したら御前神宮に返すって

 約束だったから、こいつを持ってまた神宮に

 行かなきゃならん……と思ったが、どーせ御前

 お前んちならお前に渡してもいいか?」

「もちろん! 仰せのままに!」


 少しマヤのしゃべり方が混じっている。マヤの

影響受けすぎてもあんまりよろしくないのだが、

御前家(みぜんけ)が”何かしらの活躍”を魅せたということで

気分がいいのだろう。ここは放っておこう。


「んじゃ俺は仕事に戻るぜ。この時期になると

 どーも進路相談だったりと忙しいんでな」

「お疲れ様です」


 佐々木先生は部室から出て行った。こういう

所を見ると先生という職業は面倒だなと感じる。

というか作者が今、学生として教育関係の

勉強をしているから親身になっているだけ

かもしれないな。


 身元特定はされないだろう。されたら

されたで面倒だからやめていただきたいが。

(作者談)


 閑話休題


「それでよぉ、あん時の探索でなんにも進展は

 なかったが、どうすんだよ、部長」

「え? どうするって言われても」

「…………んなビビらんくていいだろ。俺ぁこんな

 言い方しかできねぇっつーのはもうとっくに

 わかってんだろ」

「わかってても、オーラがねぇ……」

「オーラってなんだよ!」


 俺もなんだろうと思う。威圧とか権威

って意味なのかなぁ……


 だが”あの日”は条件が合わないということ

だけでも成果としないとならない。それに

あの時言った通り「満月」が条件の悪魔だって

万といるし、やはり日を改めて学校に行く必要が

あるか……


 が、それはまだ次回以降にして、作者の急な

思い付きで次回は日常回にしようかと思う。


 ということで、ミコカゴ第5章はこれにて

おしまい! それでは次回も


「「お楽しみに!!」」


 いや、だからそれ俺のセリフ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ