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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
前の祭り
42/445

42.話をまとめよう

 はい、これでやっと話は終わり正式に

まとめに入ることができる。今回は2部に

分かれていただけあってずいぶんと時間も

かかったし、作者のいた学校祭が一般の

学校祭と異なる点が多く、実際に学校祭に

訪問したぐらいネタに困った。だから

ところどころ、「え? なにこの企画」

みたいな点があるだろうが大目に見てくれ。


 定期事項なのだが、ミコの活躍について

いうとなれば、31話がまるごとミコの

活躍を描いていたり、クイズ大会では

義堂と協力して優勝したりと、けっこう

目立つシーンは多かったが……


 残念だが、この小説が言う”活躍”とは

ベクトルが違ってくるため、採点はなし

ということでいいか?


「おーけー」


 うむ、物わかりのいいヤツだ。


 あの後、学校祭は予定通り終えることができ

そのラストに「異能部」が表彰された。

もちろん、クイズ大会の優勝チームとしてだ。


「はい、えー「異能部」のみなさん。

 この度は優勝おめでとうございます。

 これからも精進してほしく思い、ここに

 表彰します」

「うわ、いらな」

「神前君、マイクはいってるから発言には

 気を付けてもらいたいんだけど……」


 俺が代表として壇上に登って賞状をもらった

のだが、俺は全く乗り気ではない。理由は

さっき言った通り、いらないからだ。

普通はこういう場は部長であるミコが

受け取るのだが、昨日優勝してその場で

メダルを受け取ったのがミコだったということで

別の人が行くべきと判断して、副部長である

俺が行くことになった。この判断を

下したのは俺で、本当は義堂に役を押し付ける

予定だったのだが、ミコが真っ先に俺を

指名したことでこの計画が逆に倒れた。


 ほんとにこの賞状どうしようか……


 結果、この賞状はミコが持って帰ることと

なった。俺が「部屋に飾りたくない」と

駄々をこねたがためにこうなってしまった。

ミコ、すまない。


 ここからは後日談なのだが、俺たちがこうも

こき使われた対価が部に支払われた。そう、

部費だ。これで当分、何か足りないものが

あっても買い足しができるくらいの予算に

なっただろう。


 それと、俺が個人で稼いだ7000円は

もちろん部費の一部に加算されたのが、

その時に俺が生徒会長売りさばいたブツ

……義堂のコス写なのだが、それの存在を

知った義堂がしばらくしてから生徒会室に

殴りこみ、そのすべてをビリッビリに

破り捨てたようだ。生徒会長は俺との

守秘義務を守ってくれたおかげで俺が

関わったものだと気づかれずに済んだ。


 正直、あぶねぇー。と思った。


 そして、これで俺の思惑とは離れるが

俺が取引したという証拠の品が消えたことに

なり、無事きれいなまま7000円を

俺たちは手に入れることができたと言う訳だ。

まさか稼ぎから証拠の消滅まで自力で

やってくれるとは、まったく、義堂は

どこまでも優しいんだからぁ。


 そして今は、その追加分の部費を手にいれる

べく、日を改め俺一人で生徒会室にいる。

と思ったのだが、ちょうどそのときに

写真の件で殴りこんだ義堂と出会ったのだ。

もう今は散々暴れまわって義堂が帰った後だが。


「あれ会長? 写真の件はなんで……」

「なんでってそりゃ……」


 そういって壁を指さした。そこにはもちろん

暴れた残骸しか残っていなかったが、何を

言わんとしているかは察しがつく。


「なんで飾ったんですか」

「写真は飾るものでしょ」

「堂々と証拠物品、飾る犯人はいないですよ」


 生徒会長はここの部分が若干ぬけている

というか、根本から何か概念を間違えている

というか……。って、おかしいな。


「あれ、副会長は? 今日は休みでしたっけ」

「ううん。ってあら? 学校に来てもいないね。

 どうしたんだろう。一年生なんだから、六郷君の

 噂とか聞かないの?」

「……いえ、ぜんぜん」

「うーん、そうかぁ。」


 知らないというか、知ること自体ができない

という回答の方が正しい気もする。それも

前も副会長の印象を話したことがある

通り、あまり語らない雰囲気を持っている。

その通りで同じクラスの人たちも副会長が

どんな人物なのかを知らないらしい。いや、

ハブられていると言う訳ではなく、副会長

自信が一人を好む性格なようで、それに合わせる

ように他のクラスメイトも副会長を「殿上人」

なんだと勝手に理解しているようだ。


 昔の俺を見ているようだ。そうはいっても

たった1か月と少し前のことなのだが。


「何か問題でもあったんでしょうか」

「いや、そんな問題ってわけじゃないけど

 やってほしいことができなくなった

 ってだけなんだけど、まぁ、そんなに

 重要な事じゃないから気にしないで」

「それ、逆に気になるな」


そうはいっても、もう生徒会長にあごで

扱われるのはこりごりなんだが、聞くだけは

ただなのだから聞いておいてもいいだろう。


「えー、そんな気になるのー?

 えー、そうなんだー、へー」

「うぜっ」

「一応僕、生徒会長である前に君の先輩

 だからね。忘れてないよね……」


 もちろん忘れているわけではない。

 俺が正直なだけだ。


「学校祭関連……ってわけでもないけど、

 今この学校に垂れ幕ってかかってるでしょ?

 学校祭の垂れ幕はさっさと回収しちゃって

 ないんだけど、もう今かかってる垂れ幕も

 回収しちゃおうって話が持ち上がったんだ」

「はぁ」

「それが話通っちゃって、今週中に垂れ幕を

 新しいのに変えたいってことなんだ」


 学校の垂れ幕というのは、文字通り校舎の

上から下まで長々と主張の激しい広告みたいな

もので、最近だと「OO大学入学!!」だったり

「OO部全国大会出場!!」なんてことが

書かれていたな。だがそれも5年前とずいぶん

昔のことが書かれてるが。


「その回収を副会長がやるはずだったのですか?」

「ま、そーゆーことだね。なんといっても

 副会長が今、屋上の鍵を持っているし」

「屋上?」

「うん、あの垂れ幕って屋上からつるしてある

 ものだから回収も屋上からじゃないと

 できないんだ」


 あまり気にしてみていなかったが、あの

垂れ幕は屋上からつるしていたものか。って

単純に考えりゃそりゃそうだな。じゃないと

上から下まで長々しく垂らすことができない。


 ん? そういえば……


 あ。


「生徒会長、その仕事俺にできませんかね?」

「いや、代わりに僕かほかの生徒会の人に

 頼もうかと思ってたけど……別に君たちに

 頼んでもいっか。わかったよ、ちょっと

 六郷君に連絡してみるよ。それにしても

 どうしたのさ、そんな意気込んで」

「いやぁ、そりゃもちろん学校祭で散々

 こき使われた身ではありますが「異能部」は

 今、現状として活動方針があいまいなので

 こうやって本来の”お悩み相談”もこなして

 いかないと部として成り立たないんで。

 それに……


  うちの部長が屋上とか学校のあまり

 行けないところに行きたいかなと」

「あー、用は「屋上に行きたい」ってことね、

 わかったわかった。そう六郷君には伝えないで

 おいて、とりあえず鍵だけ預からせるように

 いっておくよ」

「わかりました」


 よし、学校祭が終わって早々だが「異能部」

”本来”の活動に取り組まなければならない。

まったく、俺たちに休む暇はないのか。


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