34.大会を見よう
いつもどおり、長くなりすぎたので
ここでインターバルをとりましょう。
「これより第二回戦を始めます!!」
アナウンスが流れた。ちなみに今回の
大会の参加チームが16個で、その中から
トーナメント制で勝ち上がってくるので
優勝のためには計4戦することになる。
「まずは一回戦で見事な相性と見事な
仲間割れを魅せてくれた「異能部」!」
的確かつ明確にディスってくるな、この
アナウンス。あ、ほら、ミコがめっちゃ
ステージに上がりにくそうにしてるもん。
「そして、クイズなら任せてよ! 学校では
右に並びを見せない最恐の二人が登場!
「帰宅部」!!」
帰宅部ありなのかよ!? それと絶対こいつら
テスト下位層の二人集めただけだろ。
「さて、この二人が解くのはほとんどの人は
わかる超簡単な問題!! それはこちら!
問:パンはパンでも食べられないパンは
なーんだ?
これはさすがに分かるでしょう? さぁ、
お答えください!!」
ピンポーン
先に解答ボタンを押したのは帰宅部の二人だ。
それにしてもこの二人、なんとも綺麗なまでに
馬鹿そうだなぁ。だって、丸眼鏡に出っ歯って
そうそう現代じゃ見ないよ。
「えー、もちろんこれは「ジャパン」でやんす」
「いやぁ、「短パン」もありえますで候www」
うおぁ、すっげぇ馬鹿丸出しだなこの二人。
大丈夫か? この大会の出演者諸々とか。この
小説に似合わない野郎どもが乱列しそうな予感が
する気がする。って、場の反応微妙じゃねーか。
俺は個人的にこいつらのガチで喧嘩を売っていく
スタイルは好きなのだが……。
ピンポーン
では我らが巨匠二人の回答を見ようか。
「……すいませんが私、生粋のゴハタリアンで
ちょっとパン自体がNGなんで……」
「あ”-、だったら俺ぁ喰えねぇっつったら
ジャムパンだな。ありゃ甘すぎる」
そういうことじゃなーい。ていうかミコ
ゴハタリアンってなんやねん。なんだその
ベジタリアンみたいな造語。
「いやっ! 異能部殿! それはクイズに
なってないでござろうに!! インチキで
ござーる!! そんなインチキする部活
なんて部活と認めないでござるゥ!!」
「そうですよ、そうですよ、そうですよ」
こいつら”おつむ”だけじゃなく性格までも
ぶっ飛んでるのか。俺があの場にいたら、
殴りにかかっているかもしれないな……。って
あんたら「帰宅部」だろ!! 何が部活だと
認めないって!?
しかし、義堂とミコは冷静に対応する。特に
義堂に関してはイラッとしたまま「異能」で
脅しにかかっても仕方がない。「異能」とは
義堂が愛用している武器のバールの愛称で
うちの部活はここからとっている。
……いや、違う……二人が冷静なのはそういう
ことじゃない。多分あれ、”煽り”だってことに
気が付いていないだけだわ。
「あ、そう?」
「あ”? んな別にどうでもいいだろうが」
「そうだねぇ……食べられないパン……
あ! 「ジャパン」とかどう!?
結構、いいとこ突いたと思うよ!!」
「あ”だったら「短パン」でもいいんじゃね?」
それさっき言ったー。華麗に煽り返したー。
パチパチパチパチパチパチパチパチ
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突如として拍手喝采が起こった。どうも
俺と同じ感情をあの「帰宅部」二人に抱いていた
人が多かったらしい。賞賛の嵐が「異能部」に
贈られたが当の本人たちは一切ピンと
来ていない模様。ピンときてもらっても
あまりうれしくもないが。
結果、華麗かつ冷静なクレーム対応を見せた
「異能部」が勝つこととなった。「帰宅部」は
とても悔しがっていたけど、この大会で悔しがる
要素が一体どこにあったのががわからない。
「はいー! 二回戦突破は「異能部」の二人!
これで暫定4位ですけれど、何かコメントは?」
え、こんなクソ茶番に乗っかる人なんて……
あーいますわー。うちの部長がそうでしたわー。
「ぅおっほん!! 私たち「異能部」は
かくしてここまで昇りつめました!!
中途乱入でここまでのし上がったのは
いまだかつて例を見ないだろう……」
「「うおおおおおおお!!!!!!!!」」
いまだかつて例……というかこの大会自体が
まだ第一回目しかやってないだろ。それと
乗っかってくる観客のノリが素晴らしい。
……あぁ、そうか、なるほど。
これが”学校祭テンション”ってやつか。
「だが私たちはここまで来た。ここまで
きたんだ! だったらもう見るべきは
後ろなんかじゃない! 上を見るしか
ないでしょ!! 私たち「異能部」は
ここに宣言する。この大会ですべてを
手に入れることをっ!!!!!!!!」
「「おおおおおおおおおお!!!!!」」
……すっげぇ熱気だなぁ……。外部の俺
からして見れば非常にくだらなく見えるが。
「ハーイ、ありがとうございます! では
続きまして準決勝を始めたいと思います!
まずは先ほど宣戦布告を述べた現在、
走りに走りまくっている「異能部」!!」
やめてくれ……「異能部」が変人の集まり
みたいな覚えられ方をされてしまうかも
しれないじゃねぇか……。
「手負いの仲間をもつってけっこう大変だよ
ねぇ。生徒会もこんなだからわかるよ」
「それ、生徒会長が一番言っちゃダメな
やつです」
副会長が裏で色々諸々言っている
ことを伝えてやりたいわ。その大変に
している張本人がそれを語るのか。
「対して、このネタに困った作者が無理に
省いたせいでまったく活躍が見られない
「園芸部」が登場!!」
作者の近況報告はいらねぇよ!
「では、この2チームが答えるのは文学の問題。
といっても有名すぎて簡単でしょうが。
それでは問題はこちら!
問:「我輩は猫である。”……”」
この……には何が入るでしょうか?
これは有名なフレーズですね。ではお答え
ください!!」
「「…………」」「「…………」」
えー……両チームどっちもしらねぇの?
というかこれは”大喜利”なんだ。普通に
答えることができないだけ……
じゃないね。本当にわかってない雰囲気だ。
「あ、ココー!! 見てたのー!!」
「お、神前じゃねぇか? どこほっつき
あるいてやがったんだ」
俺の名前を大声で呼ぶんじゃない。それと
俺に何かジェスチャーを見せてるが、あれは
「コタエ、オシエテ」ってことか。
自分でもよくわかったな。
あの謎のジェスチャーで
このまま答えないままっていうのも
時間の無駄だし、答えとまでは言わないが
軽くヒントをあげるか。
「ハジメノコトバハ、”ナマエハ”」
これで伝わるだろうか……。ちなみに俺が
これを伝えるためにどんなジェスチャーをした
のかは教えないでおこう。だって書けないもん。
「おぉ! ギドー君! わかったよ答え!
確かに有名だね、このフレーズ」
ピンポーン
「「我輩は猫である。
名前は”サーバルキャット”の”サーバル”!
よろしくね!!」」
「「フレンズじゃねーーか!!!」」
しっかり”すしざんまい”までやるこの徹底振り
には観客の”一部”は大盛り上がりを見せた。
くそぉ、意外と面白かったじゃねぇか。思わず
俺もツッコんでもうたわ。
「あ”ミコそれ違うだろ? もっとしっかりと
した言葉だったはずだぜ? それに俺ぁ、
生徒会長から似たような言葉を聞いてんだよ」
え? 生徒会長から?
ピンポーン
「「我輩は猫である。
だからお前は”太刀”だな。お前ので俺を
淫れるほどに穢してくれないか」」
「会長! 義堂になんて言葉教えてるんですか!」
「いやぁ、ちょっとからかったことがあってね」
ダメだろ! あー終わったー。この小説が一気に
R15指定になってしまった。あー、数少ない読者が
どんどん減っていくのが目に見える。そして、
よいこのみんなは”猫 太刀”でGOOGLO検索は
やっちゃだ・め・だ・ぞ!
だが、この言葉には場にいた”一部”の女性から
大きな拍手があった。いや、本当に一部だったが。
それにしても義堂、お前いい声してるんだな。
CV:緑川 輝とか人物紹介で出てくるぞ。
結果として「異能部」が観客の”オタク”心を
つかんだため決勝にまでこまを進めた。って
本当に「園芸部」何も情報なく散ったんだな。
作者がいかに設定盛るのが面倒だったかがわかる。
「ココ、ヒントありがとね! おかげで答える
ことができたよ」
「あー……うん、それはどうも」
決勝前に俺たちのもとにミコがきた。
間違ってたんだけどな結局。フレンズによって
得意なことが違うというが、この巫女のフレンズは
いったい何が得意なんだろうか?
「というか、この大会の審査基準わかってるのか?」
「え、ふつーに答えたら勝ちじゃないの? だって
”ニノ”も”ジャパン”も”ジャパリパーク”も
全部あたってたし」
これらすべてが当たったという自身はどこから
やってきたんだろうか。だが、次は決勝であるが
俺が見ても強敵だと感じるチームだ。
その名も「野球部」
答える答えない以前に、馬鹿がおおいイメージな
だけあって強いというのもあるが、単純に人間性で
観客の心をつかむことも考えられる。勝てるのか!
義堂とミコ、あの野球部二人に……!!?
まぁ、勝ったからなんだって話なのだが。
次回、決勝戦!!




