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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
武器のような何かはブキである
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14.部活をつくろう

 さて、ここまでミコカゴを読んでくれた

人ならなんとなく違和感を感じるだろう。


 そう、あらすじには書いてはあるが

俺たちはまだ部活を作っていないのだ。

新手の「あらすじ詐欺」といえる。という

わけで今、俺とミコはそのことについて

話している。ちなみに意外に思うかも

しれないが、この話を持ち出したのは

ミコ……ではなく俺だ。


「……ということでこういう部活を

 作りたいのだが」

「ココって結構、危ない人って思われる

 かもしれないね……………」


 ……確かにそうだな。感覚が麻痺して

いるが”厨二病”発言を連発している上に、

さらにそれを部活にしようと言ってるんだ。

頭のおかしい人にしかみえなくもない。


 言い忘れていたが、俺たちのあだ名の

呼び方は頭文字にイントネーションが付く。

つまり「〇子」みたいな昭和の女の子の

名前みたいな呼び方なのだ。個人的には

俺が女子のあだ名のように呼ばれるのは

正直なところ恥ずかしいから至急やめて

ほしい。だが、同じイントネーションで

ミコと呼んでしまっている以上は俺も

甘んじて呼ばれておく。


 話が逸れたが部活の話題に戻そう。なぜ

俺がこうやって部活を作ろうと言い出したか

なのだが、理由は単純、夜の学校に合法的に

入る方法が必要だったからだ。


 前回、あのミキのお化け騒動のときは

学校裏の柵がぐうぜん(・・・・)にも壊れていたため

侵入することができたが、かれこれあれから

2週間がたちきれいさっぱり壊れた柵が

直ってしまった。また、バールをぶんぶん

振り回して壊すといったわけにはいかなく、

夜の学校の侵入は難しくなってしまった。

それに、いつ誰に侵入が見つかるかも

わからなくリスクが高い。


 それに俺はまだ、あの金曜日に見た

長髪の女の霊については一切情報を

つかめていない。そのため、俺は

なんとしても夜の学校に入ることが

できる言い訳と手段がほしかった。


 そこで「部活」ということだ。


 事前に「部の活動があるから夜の学校に

入れてくれ」と一念押しておけば問題がない

と思ったのだ。しかし、部を作るにしても

人材がいるため、今こうやってミコを

勧誘している。


「ようはオカルト研究部ってこと?」

「まぁ、そんなとこだな」

「オカルト研究……というか"撲滅"の間違いな

 気がしないでもないけれど。でも、面白そう

 だから作ってもいいんじゃない? それに

 私の巫女としてのスキルアップができそう。

 なんていったって私は最強の巫女"御前(ry」


 相澤を霊から救ったあの日以来、ずいぶんと

自分に自信が付いたらしく、今まで以上に俺に

自分の実力を自慢をするようになった。


 鬱陶しいです非常に。


 いいかミコ、お前に巫女のスキルはない!

あるとしたら霊に憑かれないユニークスキル

くらいだ!


 いやそれはそれで強いなオイ!


「そうと決まれば動き出すわよ! 早速、

 先生にこのこと話さないと!」


 なんで、お前が指揮を執るんだよ。

俺以上にめっちゃ乗り気じゃねーか。

ちょうど俺のクラスの担任が職員室に

戻りそうだったのを見つけたミコは

そのまま担任にダイレクトアタックを

かました。そして話が済んで、俺の元に

戻ってきた。できれば教師にだけは

俺がこんなこと(・・・・・)に興味がある人だとは

思われたくないがそれもしょうがない。


 だって、先生と俺って同世代なんだぜ?


 恥ずかしいに決まってんじゃん。


「なんか、先生はイマイチ部活については

 詳しくは知らないらしい。で、そーゆー

 関係の話は全部、生徒会が握っている

 んだって」


「へー、生徒会が実権を持つ学校って

 物語の中だけだと思ってたわ」

「確かに」


 久しぶりのメタ発言はともかく、放課後

にでも生徒会室に行って話を聞く必要が

ある……が……


 ミコが消えた。もう行ったのかよ!

こんなときだけ動きが素早いな。前回は

階段登るだけで1話分かかったというのに。


 今は昼休みで、一応時間はあるにはある。

仕方がない、俺もいくとしよう。生徒会室は

2階で、ミコも場所については知ってるはずだ。

先に着いて、変な話で進められていたら

どうしようかと思ったがその必要はなかった。


 俺が生徒会室前に着いたときには、膝に

手を当て、ゼーゼー言っているミコを

見つけたからだ。


 一体何がしたかったんだ、コイツ。


「お、遅かったじゃん…………ゼー」

「なんで、そんなに急いでたんだよ」

「そんなの、早く部活を作りたいからに

 決まってるでしょうが! ……ふぅ」


 空回り感がすごいするが、おおむね

いつも通りの「向こう見ず」だ。もう

気にするほどのことじゃない。心不全娘が

どうやら、一通り落ち着いたようだし

生徒会室に入るとしようか。先陣を

切ってミコがドアを開ける。


「たのもーーーーーーーーっ!」


 道場破りかよ。さっそく変な人だと

思われたんだろうなぁ……嫌だなぁ。


「……は、はい? あの、ずいぶんと

 元気に入ってきたけど、うちに何か

 ご用事かな? もうそろそろ授業が

 始まるからここはもう閉めたいんだけど」


 生徒会長本人がいた。始業式で壇上に立ち、

全校生徒の前で煌々たる面持ちで挨拶をした

学校の生徒代表。彼が夕霧(ゆうぎり) 智也(ともや)だ。

他にも部屋には副会長がいたが、ひとまず

今はどうでもいい。


「それでなんか忙しそうな雰囲気だけど、

 悪いけど放課後また来てくれるかな?」

「部活についてで、すぐ終わります」

「へぇ、部費をあげてほしいとかはいろいろ

 メンドクサイからやめてほしいけど

 どんなことをききたいんだい?」


 始業式の時から思っていたが、この生徒会長は

実に「生徒会長」らしからぬ雰囲気を出している。

と、言うのは言葉遣いから仕草まで、どこか

弱々しく見えてしまうというだけであって、

現状として生徒から絶対なる信頼をしっかり

勝ち取っている以上は俺の眼が悪いと認める

しかない。見た目だけでは分からないどこか

芯の強い部分があるのだろう。


「で、何部について聞きたいの?」

「部には入ってません。作りに来ました」

「………


  それ、部費どうこうよりメンドクサイね。


  うーーん、部を、作りたいねぇ……

 悪いけど実はあんまり知らないんだよねぇ。

 ここ近年、そんなこと言ってくる人が誰も

 いなかったから、知らなくても大丈夫

 かなーっと……」

「言い訳が見苦しいですよ会長」


 後ろから会長のことを見苦しいと(けな)す彼女は

副会長、六郷(ろくごう) 加賀音(かがね)で、確か

同じ一年だったはず。この学校の生徒会のシステムは

少し変わっていて、生徒会長は2年生から選考する

のに対し、副会長は俺ら同様1年生から選考される。

逆に3年生はこの時期から引退して受験勉強に励む、

といったものとなっている。


 14話にもなって言うことじゃないが、今はもう

夏休みもとっくに過ぎた9月の下旬だ。そのため、

生徒会は新体制にとっくに移り変わっていて、

部活ができたからといって『ドキドキ夏の合宿!』

なんて時季外れな回はないだろう。


 正直、書きたかったです。(作者談)


「いやー、そんな辛辣な。とりあえず、今は

 答えることができないから、また放課後

 来てもらえる? それまでには資料とか

 用意しt……」

「私、知ってますよ」


「「「え"知ってるのかよ!?」」」


 俺を含め、ミコ、会長が声を揃えて

言った。会長、あなたも言うのか…………。


 そうだったな、六郷 加賀音は1年の中でも

1位2位を争う「秀才」の一人だった。だから

って会長よりも優秀なのもいかがなものなのか。


 会長より優れた副会長など存在しない!!


 と会長は言いたそうだった。


「会長はこれから授業でしょう? 1年生は

 先生方の会議が終わっていなく、休み時間が

 伸びる様子なので、私が部活について話して

 置きたいと思います」

「お、おう。すまん。んじゃ、後は任せた!」


 そういい残して会長は2年の教室にダッシュ

していった。確かに1分とたたない内にチャイムが

鳴り、1年生の授業延長のアナウンスも流れた。


 副会長は同じ1年に見えないほど、大人びた

様子の”絵に書いたような美人”で、もっと分かり

やすく言うとなれば、この隣にいるミコの

「持っていない」部分を補ったようなイメージだ。

身長は高いし、おしとやかで、目つきが鋭く、

胸も大きい。


「いま、チラッと私のルックスについて

 バカにしたでしょ」


 ミコがいきなり噛みついてきたが、無視して

話を進めようと思う。授業が延長されたとはいえ

ここで長居するわけにもいくまい。


「では、部活を作ることに関してですが、

 とりあえず、今は話をやめましょう」

「え、なんで?」

「この話が長くなりすぎたので、続きは

 次の話に回します。ということで次回の

 ミコカゴは”15.部活について聞こう”。

 おたのしみに」


 今作、一番マジメそうな副会長も

メタ発言するんか。一番まともかなと

思ったが、期待はできなそうだ。


 次回に続く!!

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