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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
飄々?
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137/458

137.訪ねよう

 さらに時間軸変わりまして今は木曜日の

放課後。


 俺は副会長から聞いた場所に向かおうと

していた。


「それで、なんで私が同伴なの」

「別にいいだろ。他に適任がいなかったんだ。

 部下のわがままを聞くのも部長の仕事だろ」

「うわでた、都合いい時だけ部下の地位を

 使ってくるヤツ」


 俺は副会長に同伴していくことはありかと

尋ねた。その返答は丸であり、どうなろうが

ここからは俺の領分だということで、俺の

好き勝手出来るようになったともいえる。


 で、その同伴者としてミコを採用した。


「それで何で私なの?」

「あれ、それもさっき言ってなかったか?」


 これもまた同伴にあたって、副会長にこの

須田 拓也という人物の存在を外部、つまり

同伴者に口外してもいいのかとも聞いてある。

これもまた丸をもらった。さすがに他人の家を

尋ねるのであればそれ相応の意味があるのだし

それを知らないまま連れてこられても意味が

まるでない。本当にここからは俺、そして

ミコが好き勝手出来るようだな。


「私もその、マサキって人は知らないけど」

「いや確かに「スダ」だけど「マサキ」じゃ

 ねーから。漢字も違うし」

「あ、そうか。それで菅田って人h」

「そうじゃねーよ!」


 そっちがマサキのほうだわ。あと急に

マサキから上の名前になったんだよ。

拓也だから。タークーヤ。


「その人って私たちと面識ないんでしょ?

 もちろん私とも直接はないけど、なんで

 私たちにこんな依頼を持ってきたんだろ」

「あぁ、それは……」


 ……まぁ、言ってもいいだろう。薬の

入手云々はタダでもらったって言って

しまった気がするが。


「あの時に飲んだ薬って覚えてるか?」

「え、ギドー君を闇堕ちさせたやt」

「それはもう忘れろ。そっちじゃなくてあの

 音楽室で飲んだやつだよ」

「あの霊感アップするっていうマユツバ物?」

「……まぁ、そうだな。人によって効果が違うとも

 聞いてたし、多分ミコは体質的に効きが

 悪かったんじゃないか? だって義堂も俺も

 ちゃんとなってたし」


 マユツバ物というよりかはいうなれば

ただの誤飲なんだけどな。それでいつかマヤに

ミコがどういうことだとツッコミ入れてきたら

困ったものだが、その時はその時だ。今は

そんなことを悩んでいる時間ではない。


「あの薬って実はけっこうお高い代物なんだと。

 それで、それをタダでもらうためにマヤから

 条件でこの一件を受けることにしたんだ」

「じゃあ私、とばっちりじゃん」

「……それは、すまねぇ。いや、正直俺一人で

 どうにかしようとしていたから別に最悪

 来なくてもよかったんだよな。


  俺がミコを呼んだのは単純に「異能部」

 部長が俺のカードにほしかったんだ」


「部長?」

「俺一人で来ても、なんだお前とはねられて

 終いになるのは目に見えていたからな。だから

 ここは俺の個人的な用件で来たということを

 伏せておいて、異能部として訪問したって

 ことにする。そのためにはやっぱり部長である

 ミコがいたほうがいい」

「えぇ、なんでぇ?」

「ようは、さっきもいったけど須田はどうにも

 対人コミュニケーションが苦手な類の人間で

 学校に「普通に」来ることもままならない程

 重症ときた。


  だからそこに目を付けた。


  ミコと俺はその絶望的な体質を霊的な何かが

 寄与しているかもと告げる。それだけで俺を

 含め「異能部」が須田家にはせ参じた理由になる

 だろ? 後は巫女であるミコが須田を祓って

 もう大丈夫だっていえば、ある程度の効果は

 ある」

「でも、話の通りじゃ家にも入れてくれなければ

 最近だと生徒会の優しい人たちとも会いたく

 ない雰囲気なんだよね。それでそんな簡単に

 会えちゃったりするの?」

「そこは俺の秘策があるからな」

「秘策?」


 秘策


 というほど大層なものではない。まぁ、それは

実際にその常態になったら見せるとして。


「けど言っちゃ悪いけどこれが本当に霊の仕業

 だったりしたら、あぶないんじゃない?」

「それをなんとかするのが巫女の仕事だろ」


「そうじゃなくてココが」

「俺が?」


「人とかかわらずに、一人家にこもりっぱなし

 ってことはそれだけ何かを溜め込んでいる

 なんてこともあるの。それが多ければ多いほど

 霊にとっても都合がいいし、それが原因で

 不登校の状況になっているんだったら余計、

 反抗的になってくると思うよ」

「意外と考えているんだな」

「イガイって……これでも私、巫女ですから」


 そうは言ってもそんな内心的なら最初から

俺は諦めて「ダメでした」と副会長とマヤに

お手上げのサインを出す。


「もちろん、そんな簡単に霊が人に憑いて何かと

 すぐ支障をきたすなんてことはないけど……

 あったとしたら普通の人のココは危険になる

 かもしれない」

「普通の人……ねぇ」


 ミコが思う以上に俺は普通じゃないからなぁ。

別にだからって扱いと態度を変えれやとは

言えないけれど。


「大丈夫だって。前に義堂と一緒にミコ

 助けに行ったこともあるだろ。根っからの

 好戦的な連中とぶつかるよりかは何倍も

 ましだし、さっきも言った通り霊が関与して

 悪事を働くことはないんだろ?」

「いや、まぁそうだけど」

「なら今は家に行って、家に須田がいるかを

 確認することが先だろ。それで生徒会同様

 居留守をされたら、そのときはまた出直す

 か、俺の秘策を使う」

「そんなうまくいくのかなぁ。ココがらみの

 ものって意外となんとかならないことの

 ほうが多いから」

「俺は疫病神か。まぁ、俺もそんなうまく

 いくとは思っていないさ」


 そんな具合でぼんやりとできなかった

ときの保険をかけておいた……が。


「ほい、どちらさんで?」

「「……」」

「あ、英嶺の制服ってことは…… あぁ、

 僕になにかあるのかい?」

「「……」」

「どないした? そなきょとんとした顔」

「あ、いやなんでもない」


 俺もミコも互いに顔を見合った。考えた

ことは同じのようだな。


(あれ? ココ、聞いた話とぜんっぜん違う

 人が出てきたんだけど!!??)

(あんれれぇ? おっかしいぞぉー??

 でも住所はここって言っていたし、俺たちの

 格好を見て、学校から何かあるって思った

 ってことはやっぱりこの人が話通りの

 須田なんだろうな)


 俺とミコは家に着き、礼儀ただしくチャイムを

一度押した。本当は


「うーん、やっぱりでないか……」


 なーんてセリフを言ってからミコとここで

緊急会議でも開こうかと思っていた次第

……だった。


「ひっさびさにうちにお客さんがくるなぁ。

 すまんね、お茶菓子が今切らしていて」

「あぁ、いやいやそんなことしなくて

 いいから!!」


 再びミコと見合う。


(あのさ、確か引きこもり体質の陰キャだって

 聞いていたんだけど、結構みたところ

 ひょうきんな感じだね)

(そうだな、もっとドアチェーン越しに

 しか話せません的な展開を予想していた

 だけあってびっくりだわ)


「まま、話があるんやったら、どぞ入って

 いってください」

「えぇえ?? え、じゃあ……お邪魔しまーす」


 ……んん? これはどういうことだ?


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