表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
始まり始まり
13/445

13.話をまとめよう

 さて、今回の話の総括をしよう。

総括なので話的にはあまり長くはならない

……はず、多分!


 まずは無事、霊の脅威から逃れることの

できた今回の被害者の相澤は、あのまま

うなだれるように力なく倒れこんだが

その1分後、何事もなかったかのように

起き上がった。霊に憑かれていた事実と

それを俺と自称巫女が祓ったというのは

覚えているらしく、後日、自称巫女に

"お礼の言葉"とともに"今までの謝罪"の

言葉が贈られた。俺には除霊のお礼は

なかった、何故?


 そして、俺たちはこんな状態の相澤を

家路に帰らせるなんてことはできず、結局

「相澤家」まで送ることにした。母親は

とても相澤のことを心配していたようで、

家のドアが開くなり、まるで逃げた猫が

家に帰ってきたように喜んでいた。

父親は玄関にいなかったが、そこは別に

深く詮索する必要はないだろう。


 そして、このお化け騒動についてだが

もちろん前も言った通り、全くの嘘である。

が、今回の相澤のようにそのせいで霊に

対する認識が高まったことで本当に霊に

憑かれるという可能性がある。しかし、

今回の場合は俺が"メア"を使って憑かれやすい

体質にしてしまったことが原因であって、

霊に憑かれたという事案はこれで最後に

なると思われる。"うわさ"というのは簡単に

広まる代わりに簡単に忘れ去られるものだ。

どうせ、一月(ひとつき)もしないうちにこの

お化け騒動も忘れ去られることだろう。


「で、どうだった? 私の活躍ぶりは?」


 今は、ミキを送ったその帰り道で、

自称巫女、つまりは女の子一人で夜道を

帰らせるのも一人の男として釈然としないので

途中まで送っている最中だ。


「ねぇねぇねぇ。どうだったって。ねぇ」


 しつこいなお前! あと、今回に関しては

巫女らしい活躍は一切微塵となかったぞ!


「あ、また私のこと名前以外の呼び方で

 呼んだでしょ!?」


 ……こいつの読心にはもう慣れた。

そういえば、先週この自称巫女を"お前"って

呼んで怒られたんだっけ? それで俺が

呼び方を考えておくとも言っていた気がする。

無論、考えているはずもなかった。

めんどくさい。


「あー……そういえば何か考えとくって

 言ってたよな。悪いが……」

「どーせ、考えてなかったんでしょ」


 ご名答……こんな時だけ勘が鋭いとは。

その鋭さを少しでも霊感の足しにしとけば……

まぁ、今回に関しては霊感がなかったからこそ

除霊できたんだけどね。不覚にも。


「逆になんて呼ばれたいんだよ」

「えー、変じゃなかったらなんでもいいけど。

 だからって"お前"とか"自称巫女"とかは

 いやだからね!」


 『自称巫女』と文章中でかなり連呼した記憶は

あるが本人の目の前では絶対に言ってないぞ。

なんでその呼び方してるって知ってるんだよ!


「じゃあ、私が君の呼び方を変えてもいい?」

「は?」

「神前ってなんか面白くないでしょ? だから

 結構前から考えてたの」


 人の名前に面白さを追求するな。


「で、今度から君のこと"ココ"って呼ぶわ」

「は??」


 いや、それはお前の名前だろ。あるいは

こいつ、自分の名前が面白いって思っているのか?


「いや、キミの名前って"神前(こうさき) 滉樹(こうき)"でしょ?

 なんか"こう・こう"って面白いから最初は

 そう呼ぼうと思ったけど、言いにくかったから

 "う"を抜いて"ココ"って呼ぼうかと」

「……」

「…………いやだ?」


 顔を傾けて聞いてくる。ずいぶんと

かわいい仕草をするじゃないか。


「……いいよ、好きに呼んで」

「え! いいの!? わかった! 今度から

 "神前"って私がココのこと呼んだらベチンと

 ぶん殴っていいよ!」


 名前程度でんなことしねぇよ! 無駄に

血の気が多い巫女だなっ!! なら俺も

何かしらのあだ名を考えるしかないだろう。

なら、同じ方法であだ名をつけるとしようか。


 うーん。


 "御前(みぜん) 小恋(ここ)"


 "み こ"


 "ミコ"


 ……なんだ、自称巫女(・・)にぴったしの

あだ名ができたじゃないか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ