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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
SOMA
102/453

102.依頼を受けよう

「おう、来たか」

「あ、本当に依頼だったんだ」

「疑ってたんかてめぇ」

「いや、そういうわけじゃ……」


 義堂から俺宛に連絡がきたのだ


「義堂


  依頼きたからかえってこい


 6分前」


 とまぁこんな感じに。俺のツイッタに

ダイレクトメールが届いたのだ。と言っても

生徒会室から部室まで1キロあるわけもなく、

そこまで気を急ぐ必要もない。が、義堂に

何かあれば連絡をくれてみたいなことを

言っていたし、律儀にそうしてくれたって

ことなのだろう。


「それで、その依頼って」

「そいつは本人から聞け」


 その通りだ。義堂と話している中に外野と

言わんばかりに一人の生徒が座っていた。


「どーせ、いつもみてぇな依頼だったら俺も

 てめぇらなんざ呼ばねぇよ。ただ面倒そう

 だったからよ」

「メンドウ?」

「だから、そん話はこいつから聞けよ」

「話させろよ!」


 こっちは時間おしてんだよ!


「はいはいはいはいはい、待たせて悪かった。

 それで何? ひやかし?」

「客人相手に失礼だな、おいそれ!?」

「冗談だって、それで確か君は」

「ああ、君たちと同じ一年の本田だよ。

 ちょっとぐらい覚えておけよ」

「いや、別にお前モブだろ」

「モブっつーな! モブって!!」


 今回でこの本田君に出番らしい出番は多分

与えられないし、下の名前は知らなくていい。

作者がモブを使った新ストーリーを思いついたら

下の名前も知らなくてはならないが、まぁその

ときはそのとき。これが本題じゃない。


「逆にあんたらは意外と有名だよ。部活って

 名乗っておいて運搬業務と助っ人要因にしか

 役立ってないってことで」

「やっぱそうだよねー」

「でも、本来は除霊が専門なんだってな」

「……そういいながら活動していたはずなんだが、

 知らないのも無理はないか」


 後ろで義堂とミコが俺と本田の会話を聞いてる。

何分、うちの部室は狭くお客さんと相対して

座るとなれば完全に席が埋まってしまう。ちなみに

さっきまで義堂が寝てたエリアに本田は座って

いる。


「それでうちに用事ってことは何かお困りごとが

 あるってことだろ?」


 なんか”RPGでパブにいる相談役”みたいな

言い方になっている気がする。けどこれはこのまま

突き通すしかないよな。


「俺の家に霊が出たんだよ」

「家に?」


 俺はその時点で義堂が言っていた面倒だという

意味を理解した。


 今までは「体に霊が憑いて気味悪い」とか

「これを一応除霊してほしい」だとかの依頼しか

なかったため、今この場でミコ、あるいは俺が

見れば解決できる簡略なものばかりだった。

その中には本当に霊に困った依頼者は一人として

いなかったが。しかし、今回に限れば場所が

ここではなく人の家ってことになる。確かに

実際に行ってみないことにはわかるものも

一切わからん。


「霊ってどんな?」


 ミコがいつの間にか隣の席に座って話に

混ざっている。


「ちょうど一週間前になるときに、浴室で

 ぼそぼそと泣き声が聴こえたんだ。まぁ、

 俺が聴いたわけじゃなくて俺の弟が夜に

 聴いただけなんだが」

「え、じゃあホンダ君はそれを実際に

 見てはいないってこと?」

「ああ、俺が見れればよかったんだけどな。弟が

 その件で一週間前からうるさいんだ。だから

 あんたらに頼んで、その問題を解決してほしい

 ってことなんだ。なんか一応、霊を祓えるって

 聞いていたし」

「そうじゃなきゃ「異能部」を名乗ってないよ」

「「異能部」ってなんだよ…… 本当に霊が

 いたのかは弟しか知らないし、そんなの本当に

 いるのかなんてわからない。だからあんたらに

 頼んでおけば否が応でも弟も黙るだろうなって」


 つまり俺たちの除霊の力を実質的にほしいって

事ではなく、名目的にほしいってことか。仮に

霊がいなくて「はい、いませんでした」となっても

霊がいてそれを祓っても祓わなくても「祓った」と

でも言っておけば弟の気もまぎれる。ま、その

どちらにしても俺たちはこの暖かい部室から出て

実際に現地に行かないとならない。


 本田の霊感は21。かなり低めではある。

この程度では見れる霊もかなり限られるし、案外

弟が霊を見たという話も間違っていないかも

しれないな。


「それじゃ俺たちはあんたの家に行って

 現場検証をすることになるけど……」

「あぁかまわないよ」

「わかった、後は頼んだ! ミコ!!」

「「え”ぇ!?」」


 だって面倒なんだよ! 見に行くぐらい

別にミコと義堂、いや最悪ミコ一人で十分だ。

ミコじゃ霊は見れないだろうけれど、さっきも

言った通り「祓った」という仮の事実さえ

あれば万々歳だろ。


「ココ! 行くよ! さっき私をけしかけた

 張本人がそれでどーすんのさ!!」

「そんなこと言っても俺じゃなーんにも

 できないし、お荷物になるだけだろ」

「それでも私って今、霊感ないんだから

 霊を祓えない可能性だってあるんだから」

「じゃ、義堂連れて行けば?」

「……仕方がない。この手は使いたくなかった

 手の一つなんだけど……


  ホンダ君、この動画を見t」

「ミコさん、すいません、俺も行きます」


 チクショー!!


 動画という単語だけですべてを悟った俺は

かなり鋭いと自画自賛したい。その動画に

ついては「56.隠れよう」を参照。


 全くどうして俺はこんな目に合わないと

ならないんだ。今日は時間も遅かったし

もう誰も来ないだろうなと腰を据えていた

だけあって、こんなアクティブに動きたく

なんてなかったというのに。


 外は確かに寒かった。が、想像よりかは

寒くはない。どうやら今日は太陽がよく

昇っていたせいか比較的暖かい日のようだ。

だとしても春や夏のようにはいかなく、

やはり寒いものは寒い。一応、寒くても

快適になれる悪魔ってのも実はいるのだが

そんなものに頼る必要なんてないし、それ

まで悪魔に頼るようになんてなりたくない。


「ほら、ここが俺の家だよ」

「あ、ここがっ!!!!???」


 意外とでかい家だな!


「え、本田お前ここに住んでるの?」

「いや、ここには弟と親父と母ちゃん

 それとばあちゃんが住んでいるぐらい」

「あれ、じゃあどこに住んでるんだ?」

「俺はもうちょっと学校近くのアパートに

 住んでいるんだけど、今だけは俺も

 家族団らんを楽しもうってことでここに

 いるだけだ」

「それでちょうど、その時期に……」

「ああ、まったく面倒なことになったよな」


 ここは確かに学校からは少し遠い。俺たちは

学校からバスで3駅近く離れた。登下校の事を

考えて、家族で話し合った結果そうなったの

だろう。


 家はかなり大きい。というかそれ以上に

気になるのは”年季の入り具合”だ。見ただけ

でもかなり長い間ここに建てられている風貌の

絵にかいたような日本家屋だ。


「この家って」

「ん? そんな変か?」

「いや、かなり古びた感じ……ってあ、すまん

 悪気はなかったんだが」

「いやいいよ、この家は俺のばあちゃんが

 生まれたときからあるってんだからもう

 80年ぐらいになるんじゃないか?」


 これもまた失礼にあたるが、確かにこの

様子じゃ霊の一人や二人ぐらい出てきても

おかしくはない感じだ。年季が入ってる

という見解も正しかった。


 ガラガラァ


 日本家屋らしい引き戸が開く。


「ただいまー」

「にいちゃん! 手ぇ洗って!!」

「わかったわかった」


 多分この子が本田の言っていた弟なのだろう。

見た目は本田に似てそうで似てない。今になって

ミコの妹とミコがいかに似ている部分が異常に

多いことがわかる。


「にいちゃん! お客さん!?」

「ああ、前に言っていたお化け退治の人たちだ。

 ちょっとお邪魔するから挨拶しろよ」

「こんばんはー!」


 俺たちはそれに合わせるようにその弟に

「こんばんは」と言う。時間は5時近くであるし

まだ「こんばんは」というには早い気もしない

でもないが、寒い季節のこの時間の外は暗い。

と思えばこの挨拶は正しいのかもな。


 弟はにかっといい笑顔を見せて玄関から

去っていった。家の奥から「ばーちゃーん」と

元気な声が聞こえる。


「夜なんだからうるさくすんなよー圭佑!」

「圭佑?」

「弟の名前だよ」

「圭佑って……」

「親父がサッカー好きなんだ」

「あ、あぁだよなー」


 声の雰囲気からして見た目の通りこの家は

やはり大きいらしい。そのばあちゃんの声は

聴こえなかったが、場所が遠すぎるだけか。


「圭佑は筋金入りのばあちゃんっ子なんだ。

 最近はばあちゃんも年だし、弟もこのお化け

 騒動を早く解決したいって思ってるんだ」

「弟っていくつなんだ?」

「小学2年でもう少しで3年になる」


 後ろでボソッと「えっ」って声がした。


(ミコ、なんだ? どうした)

(うちの子まさか成長遅い……???)

(いやそれ人それぞれだから)


 ミコは隠れ親バカならぬ妹バカだからなぁ。

あまり人と比べるものでも決してないのだが、

比べたくなる気持ちはわからんなくもない。

だからって「えっ」なんてガチの声を出す

んじゃないよ。


(そんな気にすることじゃないだろ)

(うちの子。今5年生で、もうちょっとで

 6年生なんだけど……)

(えっ)

(ほら! やっぱり遅いんだね!)


 すまん、さっきまで俺も本田の弟と

ミコの妹が同年代だと思って話していたわ。

そうか…… だとしたら俺は


「俺ロリコンじゃねーしwww

 (ペドフィリアではないとは言ってない)」


 という”裏の”意味合いを否定しなくては

ならないのか……


 ペドフィリアについては別個で調べて

くんなまし。


「こんな玄関にいても意味ないから早く

 入ってくれ」

「あ、そうだな。お邪魔しまーす」

「それと」


「「?」」

「手は洗ってくれよ。じゃないと弟がまた

 うるさく言ってくるからさ」


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