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ダメな巫女娘に悪魔の加護を。  作者: 琴吹 風遠
外国のお土産はなぜか残りがち
100/446

100.一旦区切ろう

 めでたく100話を迎えたこの小説では

あるが、現状として一つ全く作中で書いて

いない部分があることに気が付いている

だろうか。


 そう、この部活の活動実態についてだ。


 今まで、夜の学校に忍び込んで探索したり

学校祭で生徒会の手伝いをしたりと活動自体は

してはいるのだが、前回とかがいい例であるが

”一体何が目的で集まっているか”について

まったく述べていない。だから今回はその

活動実態と今までにあった活動の一例を

語っていこうかと思う。


 そして今まで応援してくださいました

数少ない読者の方々にありがとうと。そして

これからもお願いしますと一言言いたい。

これからもこの小説は続きますので一日

一話は苦しくても2日に一話は必ず投稿

できるように頑張りますので、これからも

気長に応援お願いします。(作者談)


 閑話休題


「祝! 100話!」

「それさっき言った!!」


 今日はいつも通りの部活動の日だ。一体

何をするつもりなのかと問われれば、正直

答えにくい。別に答えられないものという

わけではないのだが、俺たちは部活らしい

部活をしないのだ。つまり、ほとんどが

”お悩み相談”という名の”お手伝い”を

させられている。今日は園芸部の荷物運びの

手伝い、昨日は演劇部の助っ人、おとといは

その依頼すらなく部室でぼーっとするだけ。


「ねぇ、おかしくない?」

「それ一番、俺がよく理解しているから

 みなまで言うんじゃない」

「だってぇー!! もっとさぁ霊に困ってる

 から除霊してほしいとかって依頼が来ても

 いいんじゃない!?」


 前はこんなに依頼も来なかったのだが

やはり活動のキャリアを作るにはそれを

重んじなくてはならない。特にあの例の

学校祭の一件で俺たちが”除霊”に特化した

部活だという印象がつかないまま有名に

なってしまったからだとも考えられる。

まぁ、どのみち俺たちが考えていたものと

違うのは確かではある。


「どう思う、ギドー君! この状況について」

「あ”? 別に俺ぁてめぇらがやることに

 ついてくるだけだ。別に文句の一つも

 ねぇよ」

「はーーー、ギドー君はもっと「異能部」の

 一員としてもっと「おかしいんじゃ?」

 って思わないと!!」

「だったら、んなとこで段ボール運んでねぇで

 宣伝でもしたらいいんじゃねぇか?」

「正論過ぎてなんも言えない」


 おっと言っていなかったが、俺たちは今は

活動中だ。つまりは俺たちは園芸部用の

土が入っている段ボールを運んでいる。


「それで、宣伝っつっても一体何を宣伝すりゃ

 いいんだ」

「そりゃあもちろん”除霊歓迎”とか”悪霊退散”

 とかかなぁ……」

「……どー見ても、んな物騒なとこ誰もこねぇよ」


 義堂にしては珍しい大大大正論だ。


 しかし、こうも日々除霊もせずに力仕事だけ

やっているのもどこかつまらない。これで今は

部活を成り立たせているのは確かではあるが、

こんな状態が続くのであれば「異能部」から

「手伝い部」に改名せざるを得なくなる。

俺にとっては名前なんてどうでもいいのだが、

悪魔として人としてのプライドがそれを良きと

していないのも確かだ。やはり俺たちは活動を

もっと見直す必要があるかもしれないな……


「あ、そういえばさ。ココ前にキャリアがどう

 とか言ってなかったっけ?」

「あぁ、前にそれは言っていたけど」

「ならそれをドドーンと宣伝していけば

 いいんじゃない!?」

「あ、なるほどな」


 ここの店で当たりましたとでかでかと

広告してくる宝くじ屋と同じ作戦ってことか。

でもこれが現状として一番、コストを

かけずに、かつ効果的な宣伝方法か。


「まぁ、それでやってみるか」

「よーし! じゃあこの荷物はこんだら

 部室の戻って、広告を書くよー!」

「はいはい、って走んなーー!!」


 腰痛めても知らんぞアイツ。


 で、時と場所が変わりまして部室にて。


「……ということでポスター的なヤツをこれから

 作ろうかと思う。異論のないものは」


 俺と義堂は流れるように手をあげた。


「よろしい。では作業を始める!」


 今、ものすごくきりっとした態度でミコが

話していると想像していると思っているだろう

から、訂正しておくと自分の立場的にどこか

優越感を得ているせいで、声は真面目であるが

それに見合った顔をしていない。ニヤニヤして

話すとどうもこういう真面目なセリフも抜けて

聴こえて感じてしまうな。見た目で大方

イメージがつくとはよく聞く話ではあるが。


「はーい、ミコ」

「どうしたココ一番」

「カレーチェーン店みたいな呼び方すんな。

 今までやってきたことを書くって言ってた

 けど、何を書くつもりなんだ?」

「え? だから討伐してきた霊を書くって」

「いやそれが、それがよくわからなんだ」


 え、何? そのポスターに倒していくたびに

正の字でも書いていくの? そんなサイコな

宣伝方法する気なのかよ。


「まぁ、それは否定するつもりはないんだが、

 具体的にどうやって書くのかなと」

「確かに漠然としてて何かいたらいいかよく

 わかってないけど…… ま、書いてたら

 何とかなるでしょ!


  ということでポスターを描きながら

 100話の区切り&今までのあらすじを

 語っていこうかと思う!!」

「だろうと思ったよ!!」


 やっぱり100話という切りのいいとこで

一度、おさらいをしてもよいだろう。それに

今回と次回は多分これで話が埋まると思う。


 話書けや。


「まぁ、まず第一に討伐したのは確か

 銅像だったか?」

「え? もう忘れたの? ミキちゃんに

 憑いていた霊が一番最初だよ」

「あれ? そうだったか?」


 俺もなんだかここ半年程度のことではあるが

記憶があいまいだな。言われてみれば俺とミコが

出会ってすぐにミキに霊が憑いたんだった。

まぁその諸悪の根源は俺なんだが、それは

置いといて、それを機に俺とミコは部活を

作ったんだよな。


 ……あれ? 何か一人霊を忘れている気が

……気のせいだろう。うん気のせい気のせい。


 ってそれどう考えても部活動内じゃねーだろ!


「えーどーせ私の手柄なんだからいいじゃん」

「ま、具体的には俺の手柄なんだが……」

「え? なんか言った?」

「いいや、別に」


 それで部活としてその霊退治をやろうと

企てたのが俺で、その第一メンバーが俺と

ミコだったな。だが、二人では部活として

認定されないということもあってもう一人

メンバーを探すことになったんだ。


「それでギドー君を見つけたってわけ」

「ケッ、んな前んこったぁどーでもいいよ。

 とっととそんポスターっての書いちまえ」

「いやいや、一応このポスターに異能部の

 愉快な仲間たちみたいな欄も作るつもり

 だからギドー君も強制参加してもらうよ」

「ちっ、めんどくせぇ」


 と前からうちの部活の暴れん坊担当である

義堂は変わらない。だがこれでも古き良き不良

というだけあって義理と人情は人並み以上に

持っている。そこで俺たちが義堂が一人で

抱えていた問題を解決してしまったがため、

義堂は俺たちに付いてくることとなったのだ。


 ありがたいができればもっと中性な

人が来てくれればよかったなと今さらになって

思えてくる。


「そのあとに銅像か」

「そんな早い段階だったのか”ロズ”の登場」

「ろずって誰?」

「俺の知り合い」

「いや誰!?」


 ポスターに書くとしたら多分ここからが

ベストだと思う。というか、それまでは部活動

どころか部活すらなかったよな。俺たちの

最初の活動は”学校七不思議”の一つであった

”動く銅像”を祓うことだった。が、これは俺が

やらかした失態によるものであり結局、俺が

祓うことになったのだが、都合がいいから

ミコがやったことにしてある。


 そしてそれはその”動く銅像”の問題を

起こしていた俺の眷属”ロズ”の願いによって

隠密なものになった。これが今後の俺たちの

活動で大きく苦しめられる理由となったと

言っても過言ではない。


「それでそのあと……あれ? なんも

 してないんじゃ……」

「学校祭やってんじゃねーか。ありゃ

 なんだ。ノーカンか?」

「それはノーカンにしたいんだけど」


 俺たちは活動の基盤固めのために生徒会長の

勧めで生徒会の手伝い(他の部活等の手伝い)に

学校祭では勤しむこととなった。結局この

ときのイメージによって「異能部」がお手伝いを

メインでやる部活だと思われているのだが。


 さて、ここまで話してようやく部活動が

それらしいものになる。というのも俺たちの

本来の活動である夜の学校探索だ。


「でもそれをするためにもかなーり

 面倒だったよね……」

「俺ぁまったくそん話は聞いてねぇが

 何があったんだよ。ま、どーせマヤの野郎が

 関係してんだろうよ」

「……ギドー君、鋭いね」

「こん学校で面倒ごとっつったら夕霧か

 マヤの野郎って相場が決まってんだよ」


 マヤと義堂に一体どんな因縁が……


 そう、俺とミコはより学校探索をスムーズに

するために生徒会メンバーの一人英嶺 麻綾こと

マヤから屋上の鍵を奪取することにした。が、

マヤもミコと似た性格をしているようでミコと

仲良くなってしまった。しかしマヤも食えない

性格の持ち主であったためマヤからの鍵の奪取は

困難を極めた。ま、うちの部長のほうが一枚

上手で食えないヤツだったがな。


 そして、見事屋上の鍵を手に入れることが

でき、さっそく学校探索に借り出ることにした。

結論としては成果はなかったというのが正しい。

しかし、俺からしてみれば成果は挙がっている。

俺はミコや義堂に気が付かないように一人、

いや一匹の悪魔を捕獲することに成功したのだ。

名前は……面倒だしいいや。


「あ、そのころにココが私の着替えを初めt」

「あーーーーーっと確かあの後、ミコの家に

 行ったんだったなーーー!!!!」


 着替えがどうとか話さなくていい。第一

この会話ですら今までのミコカゴを読んでいれば

わかることなんだから。


 俺と義堂は霊障予防の意味をこめてミコの家、

つまりは御前神宮に赴くこととなる。俺の全然

知らない間に。


「それでミコの姉さんは?」

「今はなんか忙しくないらしくてなんか真面目に

 働いている感じだよ」

「あ、次はしばらくないのか」

「次?」


 そのときに俺たちはミコの姉妹に会うことと

なった。姉の三好と妹の愛ちゃんだが、その中

でも愛ちゃんがグウカワなので誰でもいいので

イラスト化お願いします。


 じゃなくてその姉が完全に向こう側に落ちた

人間であることと、愛ちゃんがミコの後を

継ぐような性格を持っていることを言いたい

だけであって、ここでは触れなくていい。


 その後に俺は”秘密の部屋”を見つけたん

だったか。そこにいたのがやはり俺の眷属である

”デリトー”と”トラン”だった。結局その

部屋というのはそいつらが作ったものでは

なく、この世界に既存していた部屋を自分の

ものだと豪語していただけであったがな。

それがミコいわく、三体目の討伐霊になる。


「ていうか俺のその功績はポスターに

 書かないのかよ!?」

「私がいなかったからなぁ…… それも

 ノーカンでよろしく」

「よろしくねぇ!」


 俺も部員でミコの次にえらい立場だぞ。


「その後は…… う”っ! 頭がっ!」

「あぁ、テスト勉強か」


 その後はもう完全に「異能部」からは

かけ離れた話が続く。前からも「異能部」

関係ねぇじゃん! とツッコみが飛んで

きかねないが、そこはスルーの方向で。


 このときのミコのやる気というものは

すさまじいものだったが……今のその

様子じゃあれも夢のまた夢だったのか

と思えてくる。


「その後は冬休みだから私は初めて東京に

 行ったり、大晦日にけっこう重役に

 ついたりと面白いことg」


 俺はその東京であったり大晦日の重役

なんかは知ったこっちゃないのでカット。

代わりに俺の冬休みの話でもするしかない。


 それと今さら言うが

 俺も東京旅行呼べよ。おい。


 とまぁ俺は町に残って、マヤや愛ちゃんと

クリスマスを過ごすことになった。あぁ、

そのときは副会長もいたんだったか。

その後に結局は東京行ってた組と合流、

そのままクリスマスパーリーをしただけだ。


 もうこれも去年の話なんだな。

高校に入ってから日々が長く感じる。


 正月はまさかの生徒会長と初詣に行く

こととなり、三が日には義堂と鉢合わせ

ちょっとした問題が発生したりしたが、

ここらは今、こうやって回想するほど

昔のことでもないし省くことにしよう。


「それでココとギドー君の絡みg」

「なんのことだ」


 無理やり話を切った。理由は……うん。


 ていうかあの後、俺助かったからね!?

危ないことになる前に義堂が目覚めてくれた

おかげですんでのところで止まったのだ。

が……まぁ、残念ながら俺の”男との”

初めては奪われる結果となってしまったが……


 思い出すだけでも頭痛がする。


「という感じで活動してきたけど……


 ……ん? あれ!? 私たちなんにも

 してなくない!!?」

「だから言っただろ。何を書くんだって」


 本当に何にも考えずにポスター書いてた

……って話すばっかで筆進んでねーじゃん!


「そんなこといわずに早く書け!! 今日の夜

 かなり冷え込むって予報でてんだから、早く

 書き終えて帰りたいんだけど!?」

「ええい、知るかー! 書けないものは書けない

 んだから仕方ないでしょー!」

「はー、出た! 先陣きっといて一番先に

 すってん転ぶヤツー! こんなんだから

 いつも俺たちはダンボール持ったり部活とは

 かけ離れたことしてるんじゃねーか!」

「じゃあココも何かいい意見あるんですかー?

 ないなら私と同等じゃーんwww」

「なにぃー!?」

「やんのかー!!?」


 あーあ、やっぱりこいつとは馬が合わない。

それも今までにないくらい面白いほどに。


「うっせえんだよ! だったらこうすりゃ

 いいだろうがぁ!」

「「あ”っ!」」


 義堂がポスター用のマッキーを持って

玄関に出て行った。何かいやな予感が

するが、あんな機敏に動かれちゃ俺も手出しが

できない。


 ガガガガガガガガリッ!!


 ドアから何か暴れるような音がする。


 そして満足したかのようにドアが開いて

義堂が部室の中に入ってきた。


「どーせ俺たちにはなんもねぇんだ。だったら

 あーだこーだなんにもかかねぇで真っ直ぐ

 俺たちの思いを書きゃいいんだよ」

「え、ギドー君何かいたの?」

「けっ、見たけりゃ見てこい」


 俺たち部室をでて、ドアを覗く。

義堂が荒々しくドアに極太に文字を書いていた。


「義堂、これ俺たちが怒られても知らんぞ」

「はっ、どーせこん部活は馬鹿ばっかなんだ。

 こんくらい、やらせろってんだ」

「あーあ」


”異能部!!!!

 除霊求む!!!!!”


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