宝箱と 恋の再出発
一騒動の後、散歩にでた。
幼い頃 よく出かけた湖へと続く 緩やかな峠道。
湖面のきらめきが 眩しくて、目を閉じる。
通り過ぎる風の音。
木々の葉のさざめき。
ゴオウゴオウと聞こえる誰かのいびき・・・んっ?
目を開けると、傭兵時代の 旧友が 大の字で 寝ていた。
ゴイン。
あたまを 軽く 小突く。
「あいててて、なにしやがる このくそ☆♢○♤♬♢、って、
おほほ~ あたしとしたことが はしたないわん♡」
「・・・・・ガイ、だれもいやしねえよ。
いいかげん その話し方 止めちまえ」
「いやん、イーオの い♡け♡ず( ´艸`)
アニーちゃんに 言いつけてやるから」
「それ、当てこすりか?!
どいつもこいつも 忘れた俺を 目の敵にしやがる。
その アニーナンチャレイサアって お姫さんは、
そんなに すごい女性なのか?」
ガイは 一瞬で 真顔に戻ると、かつての戦友に きつい視線を送る。
「巫女姫殿を 悪くいうのは 例えお前であっても 許さん!
もとはといえば おまえ自身が 招いた結果ではないか。
闇の力に かなうはずもないと わかっていながら、
愚かにも その身を投げだし あの方を 深く 傷つけたくせに・・・」
「それは、どういうことだ?
闇?
そんなの 大昔に 浄化されたはずだろう!」
思わず 友の 胸ぐらをつかみあげ、大声を 放つ。
「あらあらら、まあまあまあ!
何やってんの、あんたたち・・・
大のおのこの ケンカって、みのどくねえ~」
「ウォリアル、“み”、じゃなくて そこは「間」のどくだろうが、たく」
((どっちも ちげー))
思わず 心の突っ込みを入れると、見たこともない 美しい美丈夫が 二人。
ひとりは、紅の髪をした にやけたヤツ。
もう一人は、群青色の髪に しなやかなからだつきの 乙女(?!)
固まった俺の横で、ガイが つぶやく。
「なんで あんたたちが ここに?
師匠に 何か あったんですか?」
紅の美丈夫が ニヤリと笑って 答えた。
「うんにゃ、サロは 元気ピンコピンコだ。
おれたちゃ ティーナの 伝言を 伝えにきただけさ」
「伝言?」
「ーアニィちゃんは 預かった。
はざまの森に いる」