第1章第9話 親が死んだ?転校?いきなり問題が多すぎてわからねぇよ
「片瀬 はやて・・・世界的に有名な暗殺者・・・」
「マジかよ!?」
はやて姉って暗殺者だったの!?
「てっきり男性だと思っていましたわ」
まあ・・・男の名前だし。
「あら、完全犯罪にしたのに・・・よく知ってるね」
ええええええええええ!?
なに凄いこと言ってるの!?
完全犯罪でもアウトじゃん!?
「私たち、雇う側には有名ですから」
あ、そうか。
千秋はお嬢様だからな。
「で、何故千秋は追われてたんだ?」
「あれはうちのボディーガードを難なく仕留める暗殺者でした。私は何度もすり抜けてここにたどり着きました」
へぇ・・・。
って、はやて姉ってどんだけ強いんだよ!?
「駿くん、ちょっといい?」
はやて姉が話しかけてきた。
「駿くん、両親共に飛行機墜落事故で死んだから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジかよ。
「・・・どうすんのよ?」
「今学期が終わったら、おばあちゃんの家にあなたを預ける。そしてそこの学校に通いなさい」
ってことは轟騎とも別れるのか。
あいつとはなんだかんだで10年以上の付き合いだったからな。
寂しいって気持ちもあるかな。
「てか、オレばあちゃんの家に行ったことねぇよ」
「それはね、日本の離島にあるからよ。飛行機も通じてない、そんなとこ。以前両親が学校経営していると言っていたでしょう。あなたが通う学校はそこよ」
何この状況。
千秋なんて呆然と突っ立てるし。
「そこは選ばれた人しか入れない。特別な人間を養成する学校。あなたはその特別な人間ね。昔そこに行かせる予定だったんだけど、いろんな事情で普通の公立学校に通わせることにしたのよ」
厳しいものあるっすよ。
オレは普通の人間ですから。
「あー、千秋さん。それでオレは消えるそうなんで、今までありがとうございました〜」
一応、別れの言葉をぶつけた。
「嫌です」
はい?
「あなたと別れるなんて」
お、これはもしかして?
「私は・・・昔、あなたと約束しました。大人になったら結婚するって・・・だから・・・だからわざわざこっちまで来たのに・・・」
あ、あの時の女の子って千秋だったんだ。
「なら、あなたも来ればいいじゃない」
はやて姉がそんなことを言い始めた。
でも特別な人しか入れないんじゃ?
「大丈夫、彼女も特別な人よ。ただ、彼女の親が断固として認めなかったのらしいよ・・・何ていうか・・・普通の学校じゃないといけないとか」
やっぱり普通の学校じゃねぇのかよ!?
「まあ、進級してからだから今年度は楽しみなさい」
楽しめねぇ・・・。
1月22日午後4時
あれから一週間たった。
あの時のことからオレと千秋は付き合ってる。
まあ、これも残り2か月もない関係だが。
困ったので、学校の屋上で膝枕をしてもらいながら相談に乗ってもらってる。
「はあ、千秋・・・オレ、どうしよう」
「駿、落ち付きなさい。まだ、あなたには1月以上残されているのですよ」
「・・・でもどうすりゃいいんだか・・・もう少し寝てよう」
膝枕って気持ちいいな。
なんか甘い香りもするし。
「・・・オレ、ここを離れたくない・・・千秋や、轟騎、錬磨、飛鳥・・・そのほかのいろんな奴らとも別れたくない」
オレはそう呟いて眠りについた。
大分経ってから千秋に起こされた。
目が覚めるとオレの周りにいかにもオタクっぽい奴らが大量にいた。
全員、気持ち悪い顔をしながらオレを睨んでいる。
錬磨がいたら絶望してた。
「まさか・・・こいつらって」
「目障りですわ」
千秋はどこからか鞭を取り出して奴らを打つ。
うわっ、これは痛いな。
でもオレは親衛隊を助ける気にはなれないぜ。
むしろオレが散らしたい。
というわけで、オレは掃除用具入れからモップを取り出し、先を取ってモップの機能をなくしてただの棒にした。
この太さならなら剣道のように使った方がいいか。
正直オレの我流剣技は突き重視なんだけどさ。
奥義は別だけど。
二分後
オレの剣で奴らを全滅させ、更に千秋の鞭で拷問・・・怖っ!
こいつの女王伝説は本当だったらしい。
気品は以前から女王だったけど。
「私にかかわらないことですわ」
「錬磨がいなくてよかったよ」
我ながらこの戦いは素晴らしいものだったと思う。