第1章第3話 神様素晴らしい時間をありがとう・・・って邪魔すんじゃねぇ!
宿(ホテルだけどあえて宿)につくと、オレは轟騎を探した。
「あ、いたいた。駿どこにいたんだよ」
「はやて姉に連行されてた。てか腹減った、飯は?」
「飯の時間終わったぞ」
マジかよ・・・。
オレはその後菓子で食いつなげた。
お土産のちんすこう全てを糧として。
2割轟騎にとられたけど。
そして、寝た。
12月16日午前1時
部屋が騒がしい。
どうせ轟騎がなんかやってんだろ。
「駿、お客さんだぞ」
客とはあの藪医者だった。
「なに?」
「これからオペを開始します」
!?
なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!?????
その後オレは医者によって体を改造されていった。
死んだな、こりゃ、オレに明日はない。
午前7時
・・・生きてる。
やった、オレ生きてるよ!
「轟騎、オレ生きてるよ!!」
「♪名も無い花には名前をつけましょう」
何歌ってんだよ!?
しかもカラオケ設置されてるし!?
「お、駿起きたか、お前の曲が始まるぞ」
「お、おう・・・♪ガラス玉ひとつ・・・っておい!」
流されてしまったが疑問をひとつふたつ。
「なぜ部屋にカラオケがある?そしてなぜオレは生きている?」
「カラオケは医者がくれた。お前が生きているのはこれを使ったからさ」
そうして見せてもらったのが、
「これは!?」
「そう、ライフボトルだ」
えぇ!?
普通フェニックスの尾か世界中の葉が出るでしょ!?
てかあのゲーム終盤になるとコンボばっかでノーダメージで敵倒せるからライフボトル使わないし。
「朝っぱらから疲れた。飯食いに行くぞ」
「オレの方が疲れてるよ!!謎の手術されて!!」
轟騎は歌いつかれたってな感じでエレベーターに乗っていった。
オレも続いて乗り込む。
10秒後
「ついた」
「ええと。ここは・・・あれ最上階じゃない?」
飯は最上階で食うはず。
最上階より一つ下の階で轟騎は降りました。
1分後
「ふふふ、下見完了。行くぞ」
「お、おう」
訳もわからず再びエレベーターへ。
30分後
「・・・米がねぇ!!」
轟騎はさっきからこれしか言わない。
でも米がないってのも珍しい。
ま、オレは超絶パン派だし関係ないけど。
「・・・困った」
非常に困った。
轟騎が殴ってくる。
やつあたりにもほどがある。
まあ昔からこんな奴だからな。
よし。
関わると面倒だから逃げよう。
本格的に。
集合時間になった。
ここで担任から今日のスケジュールの指示が出される。
「えー、皆さん。今日は私も真面目にやるので計画立ててる間、国際通りで遊んできてください」
全然真面目じゃねぇ!?
轟騎は消滅したので一人で行くことにした。
すると誰かに話しかけられた。
「駿くん・・・班で行動だって」
裾を引っ張りながら話しかけてきたのは、
我が女神・飛鳥様!!
「お、おう。は、班って他にだ、誰いたっけ?」
めっちゃ動揺するオレ。
オレは轟騎と授業中遊んでるから話を全く聞いていない。
ただ、飛鳥と轟騎が一緒だったのは覚えている。
それからオレは不良じゃない。煙草も酒もドラックもやってない。
服装と挨拶だけが取り柄だからな。授業中遊んでるけど。
「後は轟騎くんと椎名さん」
そうか・・・轟騎は米がなくて死んでるし、それから椎名もどっかいったし。
おや、これは
神が与えてくれた素晴らしい時間!!
来たぜ!!
マジ来たぜ!!
今初めて神信じたw
「ま、いいや。じゃ、じゃあ二人で行こうか」
「うん!」
そしてオレたちは早速歩きはじめた。
1時間後
二人で歩いていると不良みたいな奴らが近づいてきた。
絶対ターゲットオレたちだよ・・・。
金属バット持ってるよ・・・。
釘バットも持ってるし・・・。
オレ喧嘩弱いし。
「ちょっと待てや!」
オレは近くに棒のようなものがないか探しながら振り向いた。
あった。
約10m先に鉄パイプが一本。
「なんですか?」
一応敬語。
見た感じ18くらいか。
人生の失敗者だな、こいつら。
「いい女連れてんじゃねぇか」
うわ、こいつら人生の失敗者の上にロリコンだ。
え、オレ?
オレは飛鳥と同級生だから大丈夫だ。
きっと、大丈夫・・・。
・・・絶対ボコられる。
昔から喧嘩弱くて轟騎に殴られてたしスポーツも轟騎より下手だったし、何も勝てるものはなかった。
でも、オレは。
ひとつだけあいつに勝てたものがあった。
それは
剣術だ。
昔剣道を3年、フェンシングを2年やっていた。
その二つを組み合わせたオレの我流剣術。
これだけは、素人には負けない。
スポーツなら反則はいるだろうが喧嘩には関係ない。
全滅させてやるぜ!!