最終章第25話 みんな、よく聞け、本日の目標は・・・神殺しだ!
「想像以上に強いな」
オレは攻撃を受け止め、その勢いで後ろに下がった。
ちらっと後ろを見る。
万が一下が崖とかだったら後がない・・・。
「あれ、みんな・・・逃げたんじゃなかったの?」
なんかみんながいる!?
「それが、千秋ちゃんが妹の千冬ちゃんと話していて」
ああ・・・そう。
ってか、千秋に妹いたのか。
「何をごちゃごちゃ話している?」
うお、神来たよ!
「片瀬、吾も参戦する!」
「私も付き合ってやろう」
「ありがとう、刹那、リリィ!」
強力な味方だ。
刹那はオレを倒す腕を持つ。
リリィはオレとはまた違った戦法で戦う・・・さらに凄腕の戦士。
「おら、いくぞ!野郎ども!!」
オレが轟騎たちに話しかけると・・・。
「あの、駿?轟騎たちは逃げましたよ?」
野郎ども使えねええええええええええええええええええ!!
「仕方ないですよ。時代は女性がメインになりつつありますから」
「そうだよな。男女平等とか言いながら女性専用サービスとか無駄に多いしな。それに体育のスポーツテストもシャトルランで10点とるために必要な回数が男の方が40回近く上だしな・・・なんだこの男女差別!!40回とかマジ洒落にならんよ?オレが中学の時サッカー部や陸上部でもないのに無駄に10点採ろうとしてどんだけ苦労したかわかってんのか!?結果的に採ったけどな!!」
「あの・・・駿?愚痴になっていますよ?」
はっ、つい本音が・・・。
今でこそ(悪魔の力で)スポーツテストなど長座体前屈以外は10点採れるものの、当時は非常にウザかった。
翌日、筋肉痛だった。
っと、そんなことはどうでもいい。
余計な話をしてしまったな。
ちなみに、神はオレの話を聞いて爆笑していた。
この世界を統べる神ってのはどんだけ屑なのか。
まあ、力だけはあるが。
「てめぇもいい加減くたばりやがれ!!」
「黙れ!ならば邪神を置いてゆけ!」
「もう遅い!オレの中に取り込まれたから!」
オレと神が互いに攻撃をぶつけ合う間、その合間を縫って刹那が攻撃を加える。
「心斬奥義・心鬼滝!」
以前にも話したが、刹那は心で相手を斬ることができる。
太刀筋も見えず、刀を抜く必要もない・・・最強の奥義である
柄を握るだけで切断できるという危険極まりない奥義である。
ただ、自分よりも精神が強い者には切れ味が落ちたりする。
自分の精神が強靭になればなるほど、切れ味を増し、相手の精神が強くなればなるほど、切れ味は鈍くなる。
このときの精神はRPGでいう攻撃力と防御力を意味するだろう。
精神力が強ければ強いほど、心も強くなる。
ただ、邪念を持った心で斬れば自分の心は淀み、斬られた者は邪の気を体に植えつけられる。
肉を切らせて骨を断つ・・・って感じか?
それとはまた違うかもしれない。
刹那の奥義は神にも効果があるようで、左肩に傷跡をつけた。
「致命傷には至らず・・・か」
精神力で神に勝とうなんて、無謀だったのかもしれない。
だが、攻撃が当たらないよりはマシか。
「致命傷を与えるならまかせなさい!」
リリィがそう叫びながらオレの方に飛んできた。
「ちょ、待て!?」
オレの横には神。
ぐほっ!!
「ぐああああ!!」
オレは顎を蹴られ、額を足場にされた。
「あ、黒か」
黒は大人の女性を感じさせるね、うん。
「死ね!」
ナイフが飛んできた。
「ちょ、脚に刺さった!脚に刺さった!」
「構わん!ディサイシヴ・デストロイア!」
次の瞬間、凄まじい破壊音が響き、オレの目は音源をたどった。
神にかなりの深手を負わせたようだ。
腕を一本もぎ取っていた。
無理やり千切ったかのように。
「片瀬駿!行け!」
リリィの声を頼りに、オレは剣を振りかざす。
「神・奥義・ユグドラシル!」
世界の生命を司る最大の樹木。
オレの編み出した森羅万象の第三形態。
その世界樹にも負けないくらいの巨大な魔力のツリーを突き立てる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
神は魔力の噴水にのまれた。
「オレたちの・・・オレたちの邪魔をするなああああああああああああああああ!!」
二本の剣は彼の体を両断した。
「こいつは本当に死んだのか?」
刹那がふっとそんなことを口にする。
「おそらく死んではいない。時間がたてば元に戻るだろう。神だしな」
神は肉体が滅びても再構成するというチート能力を持っているからな。
「そういえば、お前は邪神の力を得たのであったな」
「ん?じゃあ片瀬は神なのか?」
・・・そう言われればそうかぁ・・・。
「オレって神じゃん。スゲー!」
どんだけ厨二設定になっているんだ、オレは・・・。
悪魔で今度は神か。
お疲れだな、オレも。
次回、最終話です。
普通に最終話です。
本当にエンディング数種類用意してます。