第2章第5話 vs双子の片割れ 狂気のグロい骸骨
オレがテストを終えて部屋に戻ると部屋の前に二人の少女がいた。
両方似てはいるが雰囲気が全く違う。
右にいる方は腰まである長髪で、物凄い気迫が感じられる。
一方左にいる少女は髪が肩までしかなく、どことなく穏やかな感じだ。
そして両方背は低い。
「・・・誰だ?」
「あ、はい。私は桐野柚季といいます」
「・・・桐野円」
どうやら双子のようだ。
「先輩凄いですね、ヴァルキュリアを従えてるなんて。どうやるんですか?」
柚季は目を輝かせながら訪ねてきた。
「あれか。あいつを従えるのは混沌か召喚属性の魔術師じゃないと無理だ」
「水属性魔術師の私じゃ使えないってわけ?」
ちょっと怒り気味で円が大声を出した。
「しらねぇよ。だいたいオレはこの学校にこの間転校してきたばかりだしよ」
「じゃあなんであんな高度な魔法使えるのよ!」
「・・・高度な魔法?」
「はあ?そんなのも分からないわけ?いいわ、教えてあげる。あなたが使った連続召喚のことよ」
ああ、あれか。
てか召喚した奴瞬時に消されたぞ?
あんなのも高度なのかよ。
「まあ、落ち付いて、円ちゃん。それで先輩。円ちゃんは先輩に連続召喚を教えてもらいたいそうです」
「だ、誰がこんな奴に・・・」
「っていってもオレも練習中だしな・・・」
「それ以前に連続召喚は召喚属性魔術師しか使えない」
リアが口を出してきた。
「・・・いいよ・・・どうせ・・・どうせ私は、あんたみたいに特別じゃないんだから!」
そう言って円は逃げてった。
それを追いかけるよう、柚季も立ち去った。
・・・・・・・・あいつらなんだったんだ?
4月14日午後4時
オレはたった一週間で大量の召喚魔法を体得した。
ただ、オレはどうもアンデッドの魔物を召喚する傾向があるので、他の精霊や魔物を召喚する場合にははるかの手を借りている。
そんなある日のこと。
体育館の角を曲がって寮に戻るとき。
超巨大なベヒーモスがいた。
これは獣系召喚獣のなかでもなかなか強い魔獣である。
「片瀬駿・・・私に召喚の素質があるってこと見せつけてあげるわ!」
あ・・・あいつは一週間前の・・・誰だっけ?
まあいいか。
オレはスケルトンソルジャーを召喚した。
スケルトンソルジャーは、軽武装の骨兵。
ちなみにスケルトンはただの骨で、ワイトは骨にとりついた霊である。
スケルトンソルジャー×50vsベヒーモス
いや、勝てないっすね。
まず性能が段違い。
とりあえず軍団は激突。
レッドワイバーン程ではなかったが楽々と蹴散らされた。
「その程度なの?私にだってこのくらい「何勘違いしてるんだ?」
ここでオレは王様のセリフをを奪った。
「まだオレの召喚は終了してないぜ!」
ちなみに狂戦士の魂はやりません。
オレは召喚を開放、そして・・・。
「出でよ、霊を束ねし不死王よ!」
人間にしては大きい骸骨が地面から這い出てきた。
「リッチー!」
骸布や宝石を纏った黒っぽい骸骨が立ち上がった。
そして、リッチーはベヒーモスに謎の黒い霧を纏わす。
数分後
霧が晴れて、そこにはベヒーモスの亡骸が横たわっていた。
流石、オレの新召喚獣!
「・・・どうして・・・どうして・・・私だって・・・私だって、特別な魔術師になりたかったのに!」
少女は涙目になって跪いた。
オレはこの間の少女の頭を撫でて言った。
「なら、今からなればいいんじゃね?」
うん、我ながらいいな。
「円ちゃーん、どこ行ってたの?」
あ、思い出した。こいつの名前、円だった・・・っけ?