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片瀬の日々  作者: STORM
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最終章第13話 どうして魔法の呪文は厨二病じみているのだろうか

一回戦の戦いを見て、他の選手はみな棄権した。

よほど命が惜しかったらしいな。

流石轟騎と言ったところか。

「お疲れ様、轟騎」

オレは歩いて戻ってくる轟騎に声をかけた。

「物足りねぇ」

「ははは、オレが相手してやろうか?」

「武器なしなら勝つ自信あるぞ?」

そうだな。

オレの奥義も全て刀がなければ使うことはできないしな。

不便なものだ。

「はるかもこれで救出完了だな」

と、轟騎が連れてきた女を見る。

「・・・」

「・・・」

「・・・はるかじゃねぇな」

「・・・そうだな」

・・・。

何故。

「え・・・御主人様・・・私は・・・」

「もういいや、好きにしていいよ。おうちに帰んな」

「でも、私は奴隷ですから・・・」

「んじゃ、命令。家に帰って普通に暮らせ。以上」

無駄足だったな。

「お暇をくださるんですか?」

「ああ、永久に」

「でも・・・」

「さっさと行け。俺の目的はお前じゃない。自由に暮らせ」

「・・・ありがとうございます!」

絶望を映していた少女の瞳に、光が宿った。

そして少女は何度も礼をしながら立ち去って行った。


「通りで捕まるはずだ。はるかじゃないんだからな」

「それじゃ、奴はどこに?」

「じゃ〜ん、ここで私からのとっておきの情報!」

はやて姉が無駄なテンションでやってきた。

何やら情報をくれるらしい。

「ここらで魔女が現れたらしいのよ。そして近々魔女狩りが行われるそうよ」

「はるかの可能性があるな」

はるかは優秀な魔法使いだ。

はるかであっても不思議ではない。


というわけで、オレは魔女狩りの時まで待ってみることにした。











魔女狩り当日。


魔女が現れた森へ向かって行った兵士をこっそりとつけて歩くオレと千秋。

他の方向からははやて姉と轟騎、骸と亮平が向かっている。


ある程度奥に進むと、一軒の屋敷が見えてきた。

「ここに魔女がいるんだな」

兵士はそう言った。

銃を構えながら恐る恐る扉を開く。

・・・。

この兵士の用はここまでだ。


オレはすかさず飛びかかると、兵士たちにみねうちを放った。

4、5人いた兵士を一気に気絶させると、オレは千秋の方を向いた。

「洗脳を頼む」

「勿論ですわ」





千秋が洗脳を施した後、オレ達は屋敷内に入る。

「何者です!?」

そんな声が聞こえた瞬間、氷の剣が何本も飛んできた。

両手に構えた刀を振り回し、全ての氷を撃ち落とす。

「ぐ・・・」

ちっ、肩を掠ったか・・・。

「大丈夫ですか!?」

「この程度、怪我の内にも入らない。気にするな」

前回のあの大怪我に比べたら無に等しい。

「この力・・・魔剣使い!?」

「ある程度この力に精通しているようだな」

「それは・・・魔女だから・・・そんなことはどうでもいい!ここに踏み入れた罪、決して軽くはないぞ!!」

そんな声が聞こえ、更に炎がオレを閉じ込める。

「駿!」

「千秋!」

炎によって遮断されたオレと千秋。

お互い手を伸ばすが、オレの腕を灼熱の炎がジリジリと焼いていく。

「ちあ・・・き、お前だけでも・・・逃げろぉ!」

強力な魔術だ。

炎に克つのは水・・・だが、オレは水系統の奥義を持っていない。

氷系統の奥義はあるが、それでは効果はない。

オレの氷はオレの炎じゃないと溶けないからな。

「千秋・・・逃げてくれ!」

「駿を置いてなんて逃げれません!」

炎はさらに勢いを増す。

水の力が・・・欲しい。


「神聖なる大滝よ、我が名において降り注げ!」


どこからか呪文の詠唱が聞こえ、炎の渦を滝が突き刺す。

そして火傷を負ったオレの腕を冷やす。

「いてえええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

焼かれてる方がまだマシです。

冷やされて染みる上に、滝のこの勢い。

トドメとしか思えない。

「だ、大丈夫ですか!駿様!!」

「この声は・・・」

「は、はるかです!駿様の声が聞こえたの駆けつけてきました!」

魔女とは別人だったようですね、はるかとは。


「魔術師同士の戦いは、任せてください!」

一応オレも魔術師なんだがな。

剣士属性の方が強いが。


「はるか、その杖は・・・」

一見ボロい杖にしか見えない。

だが、オレには本質が見えていた。

「魔杖・・・ですね」

千秋も分かっているようだ。

「そうです!これは姿を変えるんです!行きます、真の力を現せ!ケリュケイオン!」

凄い魔力だ・・・。

ケリュケイオンクラスの杖になると、かなりの魔力の増大を図れるだろう。


「行きます!」

「ケリュケイオンだと!?」

「大地の煌めきよ、その輝きを持ちて突き進め!ダイアモンド・ランサー!」

超巨大なダイアモンドの柱が大地から飛び出し、魔女を狙う。

その柱は魔女に突き刺さり、爆発した。

なお、ダイアモンドは炭素である。

燃えてもおかしくはない。

「やったか!?」

「・・・まだです」

「やってくれるじゃない・・・。ウィンド・ギター!」

それはまるでギターのように、激しい音を出しながら襲いかかる風の刃だった。

だが、見た目とは裏腹に、無駄に強力な斬撃で、はるかの右腕に大きな傷をつけた。

「・・・そちらこそやるじゃないですか。・・・闇の癒しを我に与えよ・・・ダーク・ヒーリング」

どうやらはるかさんは回復魔法及び闇魔法を使えるようになったようです。

右腕が闇に包まれ、出てきた瞬間にはあれだけ大きかった傷が消滅していた。



「我に刃向いし愚者を奈落へと導け、フォーリン・ドライブ!」


はるかが魔術を唱える。

この魔力は・・・光と闇・・・混沌の魔術か!

「プロテクション!」

空から降り注ぐ黒い光を一身に受け止めているが、時間の問題だろう。

「行くよ、ケリュケイオン!追撃の奈落の閃光よ!フォーリン・メガ・ドライブ!」

黒い光が一層力を増し、防御壁に一本ずつ罅を入れていく。

「く・・・」

「まだ粘るみたいですね・・・大いなる奈落よ、その力を光の刃と成せ!フォーリン・ギガ・ドライブ!」

はるかが詠唱を重ねるたびに勢いを増す光に防御壁は砕けようとしていた。


そして防御壁が破れる瞬間だった。


「汝、我の力を欲するか?」

そんな声が脳に送り込まれてきた。

「・・・力・・・力を・・・力をくれ!!」

魔女の瞳には力に飢えた輝きが宿っていた。

「それじゃあ・・・貸すよ」


砕け散った防御壁が再構築された。

それも、以前よりも強固になって。


な、何が起きたんだ?


「また会ったわね、片瀬駿!」

「・・・お前はナナリー!!」


空にはナナリーが光のメーネを構えていた。


「何故お前がここにいる!?」

ベタなセリフを吐いてみる。

「彼女は力を欲した。だから私は・・・その欲望に導かれた」

「・・・何?」

「私は・・・神。あの戦いの中で思い出したのよ。私が何者だったか。天界を追放され、記憶を消され、各地を暴れまわっていた時に君と出会った。・・・これはあなたと私の戦いでもある。さあ、かかってきなさい!」

ナナリーは魔女に憑依した。


「強固になって・・・堕天した天使の力を今ここに解き放て!フォーリン・テラ・ドライブ!」


防御壁を破るために強大な魔法を解き放つ。

ちなみに、威力は1000倍ずつ上がっていっている。

フォーリン・ドライブはフォーリン・シャインの1000倍の威力で、通常のフォーリン・シャインよりも、メガで100万倍、ギガで10億倍、テラで1兆倍になっている。

フォーリン・シャインはそれほどの威力もなく、家を一軒破壊する程度の力しかない。


「ははははははははは、凄い、凄いわ、この力!私はまだまだ耐えられる!!」

「む・・・仕方無い。堕天使よ、奈落より邪なる光を解き放て!フォーリン・ペタ・ドライブ!!」

まだまだ進化するフォーリン・ドライブ。

威力は計り知れなくなっている。

一応フォーリン・ライトの1000兆倍らしい。

「はははははははははは、その程度の力なの!?」

流石神が憑依しているだけはある。


「仕方無いです・・・地の底で眠り、偉大なる力を隠す天使よ、奈落よりその力を与えたまえ!フォーリン・エクサ・ドライブ!」


結構知られていませんが、ペタの上はエクサです。

ウィキペディアに書いていました。


まあ、威力は素の100京らしい。


ここでついに防御壁に罅が入った。

ついに割れるか!?


「トドメ・・・地獄の門敲きしとき、冥府の扉が開かれる。その奥に巣食う奈落の神よ、今闇と光を解き放て!フォーリン・ゼタ・ドライブ!!」

10垓倍らしいですが、もう垓とか見当もつきません。

垓ってどこの単位ですか?


大量の罅が一気に防御壁に張り巡らされた。

「あと一息だ!」

オレはそう叫んだ。


「・・・この力を持ってしても勝てないのか!!」

「終わりです、フォーリン・ライト最終形態を受けなさい!フォーリン・ヨタ・ドライブ!!」

ウィキペディアに載っている最大の単位、ヨタ。

その威力は1し倍とか言う意味の分からん単位になってきている。

聞いたことすらないわ。

漢字はウィキペディアを見てください。

環境依存字なので文字化けしてしまった。

「じょ」という読みで同じ単位のものがあるらしいが、作者のパソコンでは出てこなかった。

ケータイで入力する手もあるだろうが、パソコンででないんだから絶対にない、たぶん。


そして話は戻る。

フォーリン・ヨタ・ドライブの威力は凄まじく、防御壁を割っただけではなく、魔女の身体を消滅させてしまっていた。

フォーリン・ドライブ自体は集束光線のような物のため、範囲は狭かったのでオレ達は無被害であった。



「・・・魔力を使いすぎましたか」


はるかはそこで腰をおろした。

「お疲れ様」


ナナリーも一緒に消えたか。

もしくは、寸前で逃げたか。

オレには分からんが、生きていればまた戦うことになるだろう。

オレも剣の腕をあげなければ。

奴に勝てないどころかはるかのヨタとか言う意味わからん単位の魔法にも負けてしまう。

オレはゼタクラスの奥義でコキュートスがあるが、それではヨタには勝てない。

まあ、絶対零度自体威力は強大であるため、ゼタ<コキュートス<ヨタくらいの威力はある。


そろそろあれを解禁する時かもしれないな。

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