最終章第2話 最近は随分と「ブリューナク」が有名になりました。
オレはジーサンに例の槍を見せてもらっていた。
「これがその槍か・・・確かに微笑だが魔力は感じるな」
オレはこの槍とコンタクトを取ることにした。
「おい、聞こえるか?」
・・・。
「君の名を教えてもらいたい」
・・・。
覚醒してねぇ・・・。
「・・・覚醒していないみたいだ」
「それじゃ、ワシが見たのは偶然じゃったのか」
「だが、オレはこれを覚醒させる力を持つ」
正確にはオレの刀が。
「ルイン、力を貸してくれ」
ルインを聖剣に変化させる。
「おお、なんじゃこの刀は!?」
「この槍も似たようなものだ」
「私の力を開放します。皆さん、伏せていてください」
ルインがそう言った10秒後、ルインから凄まじい光が発せられた。
「あなたが私を呼び覚ましたのかしら?」
槍から声が聞こえた。
「き、君は・・・」
綺麗な女性の姿をしていた。
「私の名はセレーネ」
「ああ、そうか・・・って、お前の主はこのジーサンだけどな」
「ワシの槍がこんな綺麗なねーちゃんに・・・」
ジーサン、目がエロい。
「む〜」
珍しく千秋が変な声を出している。
「どうした?」
「面白くないです」
「何が?」
「駿がさっきからセレーネさんの胸に目が行っていますから面白くないです」
え、目が?
気付かなかったなぁ。
しかたない、男の性だ。
確かにセレーネの胸はとんでもなくでかい。
オレは貧乳も好きだが巨乳も好き・・・と言うか乳が好き・・・って何言ってんだ、オレ。
勿論、脚や顔が綺麗なのも観点に入るが・・・。
「さっきからエッチなこと考えていますよね?」
「・・・否定できません」
「そんなこと考えている駿を見ていると面白くないです」
「嫉妬してる?」
「し、嫉妬なんてしてません!私は・・・その・・・駿が他の女の子を見るのが嫌なだけです」
独占欲。
まさにそうだな。
「駿は私だけを見てくれればいいんです!」
・・・目が自然に行ってしまうのはオレの意志じゃないんだよ、うん。
「あ・・・そうだ、はじめからルインに聞けばよかったんだ」
「はい、なんでしょう?」
「帰り方は?」
一番重要なことを聞くのを忘れていた。
「私の力では無理です。恐らく、他の仲間も不可能でしょう。ただ、ひとりを除けば」
あ、ひとりいるじゃん。
「そいつは?」
「私たちの中でもっとも凶悪な妖刀・カタストロフです」
・・・。
奴まだ覚醒させてない・・・。
それにルインの力じゃ無理だし、賢者からも止められている。
そんなに危険なのか。
「そう言えば、数十年前のことじゃが、たまたまここに来た旅人にこんなことを聞いた。異次元から来た人間が元の世界に帰ることのできる洞窟があると聞いたことがあるのう。ワシはここに慣れてしまったからここに残ることにしたんじゃんがな」
ちょ、最初から言えよ!?
「どこから分かるのか?」
「分からんが、恐らく街に行けば何か情報が聞けるじゃろう。ワシが街に行ったのは何十年前じゃったかの。地図はあるんじゃが今はどんな街になっとるかはわからん」
そりゃ数十年もたてば相当変わるさ。
オレと千秋は街を目指すことにした。
元の世界に帰るために。
「馬車はいるかの?」
「そこまで迷惑はかけれない。今までありがとう」
「若いの、礼には及ばんよ」
いいジーサンだったな。
「それじゃ、さようなら」
オレがそう言った瞬間だった。
「駿、戦闘機のような音がします!」
ん?
戦闘機?
全然聞こえないけど・・・。
「私、耳は結構いいんです。私でもギリギリ聞き取れる程度ですから、もう少しすればあなたにも聞こえるはず。そして、その戦闘機はこの村に向かっています」
「おかしいのう、ここは大陸の丁度真ん中にあるから戦闘機なんて通らないはずなんじゃが」
つーか戦闘機あるのかよ、この世界に。
「そろそろ聞こえると思います」
「うん、聞こえる」
つーか、もう見える。
「おや、他にもなんか飛んでくるぞ?」
「ちょ、ミサイルもあるし!?」
「た、大変です・・・村が壊滅してしまいます!」
仕方ねぇ・・・。
ミサイルを破壊するしかねぇな。
「オレが行く!鴻漸之翼!」
オレは二本の刀を翼に見立てて空を飛んだ。
にしても久々の奥義だな。
・・・重力が強いのが関係しているのか。
気の消費が激しい。
早期決着するしかない。
よし、ミサイルまでついた!
「奥義・百花繚乱!」
ミサイルを切り刻んだ。
爆発しなかったのは驚きだ。
「ふう、爆発しなくてよかった」
「礼をいいなさい、人の子よ」
あれ、爆発しなかったのってもしかしてエスナのおかげ?
随分久々に出てきたなぁ・・・。